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首席騎士様は、魔力を自在に操る

も、もしかして、暴発したりしないよね!?


急に怖くなったあたしは、魔力をなんとかおさえようと躍起になった。でも、やっと出口を見つけたらしい魔力は後から後からとめどなく溢れ出てくる。


お腹が、溶岩を飲み込んじゃったかと思うほど熱い。


全身に魔力が行き渡って、漲って、体がパンッパンの風船になったみたい。



「う……あ、あ……っ」



体が弾けちゃいそう……。体中に痛みが走って、あまりの激痛に意識が遠のく……その時、リカルド様があたしを呼ぶ声が、耳を打った。



「ユーリン!」



強い力が、今度は外側からあたしを襲う。


後ろから体を覆うようにぎゅうぎゅうに締め付けられて、今にも弾けそうだった魔力が体内に押しとどめられるのが分かるけれど、外に出られない魔力はあたしの中でギュルギュルと渦巻いて、強大な奔流となって暴れまわっていた。



「くっ……、苦し、い」


「今助ける!」



リカルド様の力強い声が聞こえた。


なんて頼もしいの。リカルド様が助けるって言ってくれるなら、きっとあたし、助かるんだ……。


リカルド様が何か詠唱する声が頭の上から降ってくる。絶大な安心感で、体の痛みも少し紛れてきたみたい。


あれ……? 体を覆っている強い力の方に、魔力が流れて行くような気がする。


ぐんぐんと魔力が吸い取られるような、そんな不思議な感覚とともに、体の痛みが少しずつ和らいできた。



「……?」



ようやっと体の痛みがほぐれてきてうっすらと目を開けると、逞しい腕が後ろからしっかりとあたしを抱き締めている。


これって、リカルド様、よね?


もしかして、あたしの魔力が暴発しないように、身を挺してとめてくれているの?


手を握るのですら、あんなに照れていたのに。


恥ずかしさよりも感動が大きくて、ジーンとする。


それに、お腹のあたりでどんどん湧き出てくる魔力が、リカルド様と接触している部分から本当にグングンと吸い上げられていく感じがするの。


そのおかげか、あんなに暴れまくっていた魔力が、少し落ち着いてきたみたい。



「大丈夫か!? ユーリン」


「な、なんとか……?」


「俺が補助する。魔力の流れを掴んで、制御するんだ!」



言葉の通り、体の中に今までとは違う硬質な魔力が感じられた。それは、あたしの魔力の源まで迷いなく進んで、あたしの魔力となじんでいく。


すごい、リカルド様って本当に自由自在に魔力を操れるんだわ。



「ユーリン、魔力の制御を教える。俺の魔力を感じ取って、同じように魔力を操ってみてくれ」


「はい!」



昨日まではかけらも感じられなかった体内の魔力。それが、リカルド様の魔力を通じて大きくなったり小さくなったり、右手の手のひらに集められたり。


魔力って、こんなに簡単に制御できるモノなの?

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