表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/144

首席騎士様は、翼竜を狩りに

そして翌朝、昨日の魔獣の骨でとったスープにパンをつけた簡易な朝食をとって、早々にリカルド様は山に向かってしまった。



「翼竜を狩ってくる」



なんて言い置いて行ったけど、それがシャレじゃなくって本気なんだもんなぁ。まあ今日はまだ下見らしいけど、勢いで狩ってきちゃったりもしそうな感じ。いやはや、リカルド様ってやっぱり格が違うっていうか。


昨日のジェードさんとの念話であたしを起こしてしまったってしょげてた時も、そもそも、もうレッドラップ山のふもとにいるってのを聞いたジェードさんが、驚き過ぎて叫んだのが原因だって言うんだから、学年二位の人から見てもリカルド様ってやっぱり規格外なんだろうな。


さて、それはそれとして。


暇だ。


予想はしてたけど、超、暇だ。


昨日の魔獣はリカルド様があっという間に皮は鞣して、肉は干してしまったから、今特別に何かしないといけないわけでもない。


強いて言うなら、鞣した皮を浄化して、敷物だとかにすればいいかなってくらいだ。


リカルド様が帰ってくるまで、暇だ暇だと思って待つのは、なんだかやっぱり嫌だなぁ。


また、食事の準備でもする?


と言っても、ろくに食材もないし、リカルド様には携行食は大事に使えって言われてる。危険を冒して採ったベリーだって、今日、明日にもしおれてしまうだろう。


……そこまで考えて、ふと思いついた。


そっか、育てればいいんだ。


いそいそと昨日の残りのベリーを収穫し、さらに自分のリュックから携行食の袋を取り出す。


加工されたものがほとんどだけど、たしか乾燥させた植物の実の詰め合わせも買った筈。小腹が空いた時、歩きながらでも食べられるうえ、栄養も豊富だから、割と人気なんだよね。



「お。あった、あった」



さすがに殻をむかれてローストされたのは無理だろうけど、乾燥させただけのものや、保存のためにあえて収穫したまま入れられているものもあって、これならいくつかの植物は発芽できるかもしれない。


嬉しくなって、早速あたしは木の枝を片手に、樹海との境目の土を掘り起こす。


どう見ても、レッドラップ山に近い方の赤茶けて草もろくに生えてない土よりも、樹海に近いとこの土の方が、腐葉土とかもあって栄養豊富そうだもんね。


ついでに柔らかそうだから、あたしの貧弱な腕でもこの木の枝で掘ったりできそう。


土に枝を突き入れてみれば案の定、三センチくらいは土に入っていく。


うん、これなら耕せそう。


本腰入れて作業するために、あたしはまず、ナイフで木の枝を削っていった。シャベルのかわりにするんだから、先はちょっと尖らせて、でも土が掬えるように少々丸みも欲しい。


時間なんかたっぷりある。


今後の作業がしやすいように、まずは道具作りをしっかりしないとね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【作者の新作】こっちもオススメ♪

ここをポチッと押してね(^-^)

『麗しの男装騎士は、スパダリになりたい』

新作です。王子の婚約者としての任も護衛の任も突如解かれたレオニー。 傷心で集中力を削がれた彼女は剣術の模擬戦で顔に傷を負う。高身長に婚約破棄、顔に傷。自分の女性としてのマイナススペックに苦笑しつつ騎士として生きていくことを決意する彼女の前に現れたのは……。

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ