小賢しくっていけないよ
なんと!
間違えて違うのをアップしてましたー(´;ω;`)
めっちゃ久しぶりの更新だったのにごめんなさい!!!
↓↓↓こちら正しい方ですー。。。
「じゃあ、せいぜい役に立って貰おうかねぇ。その代わり、浮遊の術を教えるところは見ていくがいいさ」
ぷかぁ……と煙を吐いて、エルフのおばあちゃんが気怠そうにそう嘯く。
人好きのする笑顔はとっとと封印したのか真顔であたし達をさらりと見回すと、エルフのおばあちゃんは並び立つジェードさんとアリシア様を煙管で指した。
「昨日その子らは海難事故のことを聞き回っていただろう? なにが目的だい?」
「船が出なくて皆困っておりますのでね、解決出来ないものかと思いまして」
アイルゥ先生はにっこり笑ってそう言った。依頼で来たのだとはっきり明言しないことに意味があるかも、と思うと迂闊な事も言えないし。あたしは下手に口を出さないように成り行きを見守ることにする。
リカルド様はもちろん、普段は割とおしゃべりなジェードさんも口を開かないところを見るに、きっと皆も同じようなことを考えているんだろう。
「原因をご存知なのでは?」
にっこりと笑うアイルゥ先生をジロリと睨めあげて、エルフのおばあちゃんはフン、と鼻を鳴らす。
「本当に解決してくれるんだろうね」
「ご協力いただければ、もちろん最大限の努力をしますよ。ピアスや浮遊の術に関連があるんでしょう? 何をお考えだったのか教えてください」
エルフのおばあちゃんは面白くなさそうにアイルゥ先生を睨め付けると、またもぷかぁ、と煙をはいてから呟いた。
「最近の人間は小賢しくっていけないよ。可愛くないったら」
「すみません。性格が可愛くないとよく言われるもので、姿だけでも可愛くしてみたのですが」
「好みじゃないね。ふん、まぁいいさ。空も海もこんなに荒れるなんて、この嵐の原因なんか決まってる。この地に棲まう精霊の首領どもが喧嘩してるからだよ。いったいまた何を揉めてるんだか」
「精霊の首領……七大精霊の一人、風のアルディア様とどなたかが争っているのですか?」
「おや、分かってるじゃないか」
「ジェード」
「はい。えっと、実は船で嵐が起こる場所まで行ってみたんですけど、暴風が吹いた時にめちゃめちゃ綺麗な女の人が海を睨みつけて高笑いしてて」
「一緒についてきてくれた鳥人の方が、風のアルディア様じゃないかって仰ったんですわ」
ジェードさんの言葉に、アリシア様がすかさず補足する。二人の話を聞いたおばあちゃんは愉快そうに笑った。
「そうか、アルディア様が見えたか。やっぱりアンタはエルフの血が濃いようだねぇ」
「……」
心当たりがないからなのか、なんとも微妙そうな顔をするジェードさん。あたしだったら、エルフの末裔とか言われたら嬉しいけどなぁ。