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情報を持ち寄って

無事にお茶も淹れられて、全員がテーブルを囲んで席に着く。そこに夕食が次々と運ばれてきて、途端にテーブルは美味しい匂いと色とりどりの海産物メニューで埋め尽くされた。


うわぁスゴい! なんだか、ゴージャスな料理だなぁ。



「ま、他人に聞かれていい話ばかりじゃないかも知れないからね、念のため部屋に運んで貰ったんだ」



アイルゥ先生はごく当たり前って感じでしれっとしてるけど、言わずに居られない……!



「スゴいですよー!!! めちゃくちゃゴージャスな料理ですね!」


「だよな! オレ、テンション上がった」


「うんうん、君たちみたいな素直な子にご馳走するのは気分がいいね」



綺麗! 素敵! 美味しそう! とあたしとジェードさんがうきうきワクワクする横で、アリシア様とリカルド様は特に興奮もなく折り目正しくお礼を述べていた。こんなところで普段の生活の差が……。



「さ、早速食べながら情報交換していこうか」



あたしとジェードさんが大喜びしたことで気をよくしたらしいアイルゥ先生が笑顔で言うと、まずはリカルド様が口を開く。目で食べてていいと言われたから、あたしはとりあえずお言葉に甘えて美味しくいただくことにした。


雑談になるとあんなに挙動不審になるリカルド様だけど、こんな時は頼もしい。


鳥人の親子の協力を得て海難事故に遭遇した魚人たちの話を聞けたこと、そして明日船乗りの方達にも話を聞ける手はずになっている事を少ない言葉で的確に伝えていく。


リカルド様ってやっぱり頭いいんだなぁ。



「じゃあ、これまでは大きな商船がターゲットで、漁師たちの船は被害がなかったんだね?」


「はい、ただそれが船の大きさに由来するのか、一定の海域に限定するものなのかは分からないようです」


「なるほどね、今回の船が普通の漁船よりは大きくて、しかもいつもより沖に出てたから、特定できないわけだ」


「そのようです」



リカルド様の報告を聞いたアイルゥ先生は、黙ったまま何かを思考している。



「うーん、これだけじゃなんとも特定しようがないね。水龍じゃないことが分かっただけでもひとつ進歩ではあるけど」


「そうですね」


「どうでもいいけどユーリン、きみ……」


「はい?」


真面目な顔でリカルド様の話を聞いていたアイルゥ先生が、ふとこっちを向いた。なんだろ急に。



「ほんと美味しそうに食べるよねぇ。ね、リカルド、そう思わない?」


「はい、こっちが幸せになります」



なぜ!!! リカルド様にそんな恥ずかしい同意を求めるのか!? そしてリカルド様も同意しないで。



「あ、ごめんごめん、やめないで。嬉しいから食べて食べて」



そういわれて食えるか! さすがに乙女の恥じらいくらいはあるんだよ!

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