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課外授業は水龍討伐

「だが、この討伐に参加することによって君たちなら多くの学びが得られるだろうと思ってねぇ」


「ま、いわゆる課外授業ってヤツさ。ジェードもリカルドもアリシアも、ちょっと授業が退屈なんじゃない? 分かってることを復習してる感じでしょ」



なに!? あの難しい授業を!? って三人の顔を見回したら「そりゃあね」「仕方がないことですわ」「うむ」的な顔で頷いていた。


マジか……ハンパないな、この人たち。その様子を見て学長もちょっぴり苦笑している。



「指導教員らも口をそろえてこの先一ヶ月ほど授業に出なくても問題がないと言っていたほどだからねぇ、やはり通常の授業ではもう物足りないんだねぇ」


「すご……!」


「ねー、凄いよね。この子達ったら真面目だからさ、授業の予習をじゃんじゃん進めるだけじゃ飽きたらず、図書室から授業に出てこない魔法まで見つけてきちゃうんだからさー。教える方も大変なんだよ?」



あたしの口をついて出た感嘆の声に、アイルゥ先生が速攻で反応した。先生を困らせるほど勉強熱心って……スペックの高さにも驚くけど、なによりその精神性の高さに脱帽なんだけど。



「なるほど、先生方は学校で学ぶより課外授業で実戦にあたるほうが得られる物が多いとお考えなのですね」


「もちろん授業以上のことをするからさ、成績にも加点になるし卒業時に就職にも有利になるよ」


「分かりました。わたくしは参加しますわ」


「ま、面白そうだしね。飛龍の次は水龍ってなんか凄すぎて現実味ないけど」


「俺はもとより行くつもりだ」



三人はさほど迷った様子もなく既に行く気になっている。そうだよね。なんせ先生が困るくらい勉強熱心なんだもんね。そりゃあ「行く」一択だよね。



「あ、そうそう。さっき水龍がわんさかいるって言ったじゃん? でもホントはさ、水龍の討伐がメインかどうかは行ってみないと分かんないんだよね」


「え!?」


「どういうことですの?」



アイルゥ先生がさらりと言った言葉に、あたしもアリシア様も瞬時に反応した。だって、今の聞き流していいような情報じゃなかったよね?



「うーん、ホンボシがはっきりしないっていうか。ジンガイの航路ですでにいくつか貿易船が沈められてるってのが主な被害でね。あのあたりが水龍の住処になってるから、多分水龍の仕業なんだろうっていう推測での依頼なんだよね」



じゃあ違う魔物の討伐になる可能性もあるのか。水龍よりはマシ……いや、マシがどうかはわからないよね。



「原因の調査も僕らの仕事ってわけ。ね、勉強になりそうでしょ?」



足をぶらぶらさせたまま、アイルゥ先生が「頑張ろうねー!」と可愛らしく笑う。


口には出せないけど、絶対、他の先生方が面倒くさがって行かなかっただけだと思う。

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