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裏切者の神 ~ God a betrayer.  作者: 上野ウタカタ
序章 『裏切者の神 ~ God a betrayer.』
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輝きと陰り

 最初、瑞波とアストレアが数秒間の詠唱えいしょうをした後、自分の武器――『地獄棍ヘルズキャスター』と『焔光杖フレイムワンド』――を召喚させる。

 あくまでもただの人間である瑞波とアストレアは、武器を使うことによって自らの本来の能力を発揮させるのだ。

の程度で我等われらと同等に闘えると思うなよ、人間共」

 ドラキュラはそう言い、腕を組んだ。相当な余裕があるのだろう。しかしその佇まいには一切手を抜いていないように感じられる。

「…ッ! アスト、Sakumi、まずは前の二人を退けるわよ!」

「おう!」

「了解っ!」

 瑞波とアストレアはその武器を構え、Sakumiはあらかじめ所持していたノートパソコンを開き、エクリプスとロッドを目線に入れる。

「良いだろう。エクリプス、手始めに《メテオ=ヴァンプ》だ」

「はっ おおせの通りに」

 ドラキュラの命令・・に、エクリプスが全く抑揚の無い声・・・・・・・・で応答する。


 《メテオ》――ドラキュラ曰く《メテオ=ヴァンプ》――は、滅龍めつりゅう属性のランク2魔法である。

 この世・・・には15種の属性があり、それぞれの人類や神は必ず、その属性を生まれながらに1つか2つを身に持ち合わせている。

 『滅龍属性』もまたその1つであり、例に取れば龍人りゅうじんであるエクリプスはその『滅龍属性』を身体に持っていて、その属性と実力に見合った魔法を使うことができるのだ。

 しかし、この世のことわり(この世を創った神が、この世の秩序を保つ為に定めたと言われている、いわゆる『法』に近いものらしい)には《メテオ》という魔法はあっても、《メテオ=ヴァンプ》などという魔法は存在していないのだが――。


「《メテオ=ヴァンプ》――!!」

 エクリプスがそう叫んだ途端、一瞬だけ空が光り、轟音が辺りに鳴り響いた。

「――! その場から離れて!」

 瑞波がそう言い終わった瞬間、上空から隕石のようなモノが落ちてきた。

 直径2m程の、丸い岩。

 これが、その属性名の通り『龍を滅する』、《メテオ》という魔法である。

 その三つの岩が、豪速で地面に着弾する。

「ぐぁっ…! くそっ、破片が…!」

「あ、アスト!?」

 アストレアが呻く。避け切れず、飛散した岩の破片が脚に当たったらしい。

洗脳系・・・の能力を持っているのか、この吸血鬼は…!」

 Sakumiは、エクリプス――同じようにロッドも――の様子を見て、そう嘆く。

 洗脳系。

 対象をその名の通り洗脳・・し、自分のモノとして強制的に使役・・・・・・させるという能力。

 一部の悪魔にしか使えない、恐ろしい能力モノである。

「ふぅっはっはぁっ! 怖気おじけついたか、人間共! あの御方・・・・から直々に伝授して下さったこの偉大なる能力ちから…所詮は下等な人間である貴様等に使う事は無いだろうがな!」

「黙れ、この悪魔が…ッ!」

 高笑いするドラキュラに、親友を傷付けられた瑞波が睨む。

「…ふ、威勢とおもいだけは良い様だな、褒めてやる。だがな――」

 ドラキュラがそう言って右腕を上空に掲げ、また言う。

「――浅薄愚劣せんぱくぐれつな人間共など、結局は死滅する運命さだめなのだァァァァァ!!!」

 そして、長い爪の生え揃った手を目一杯広げ、光をも吸い込む程の黒い闇がそれを取り巻く。

 やがて横に細く延びた闇をドラキュラが握ると、闇が一気に弾け飛び、途轍とてつもなく長い大鎌が姿を現した。

「貴様等を世から消しっ去ってやろう!」

 ドラキュラはそう言い放ち、大鎌を前に掲げて詠唱を始める。

 すぐに終わる気配はない。となれば、今がチャンスだ。

 瑞波達に出来る事は、すなわち――

「――何にしても殺るしかないってことね…!」

 瑞波とアストレアはまた武器を構え、今度は攻撃に出る。

「――行くわよ…! 《ヴァルト》ォォォォ!」

「あぁ! …《フォイアー》――!」

「了承っ――「CODE=215コードトゥーワンファイヴ」ッ――!」

 そう叫んだ瑞波の『地獄棍ヘルズキャスター』からは旋風が、アストレアの『焔光杖フレイムワンド』からは火炎が発生し、Sakumiの周りの空間・・・・・から幾つものミサイルが現れる。

 《ヴァルト》は15属性の中でもメジャーである森林しんりん属性のランク2魔法、《フォイアー》は15属性の中でも基本5属性に該当する火焔かえん属性のランク2魔法である。

 「CODE=215」――正式名称、誘導弾(ゆうどうだん)「CODE=215」――は、Sakumiにしか使えない『特技』らしい。

 その三つの技が、ドラキュラの前にいるエクリプスとロッドに勢いよく向かっていく。

「我が血餓王には指一本も触れさせない」

「我々は忠実なる下僕しもべ 貴様等に殺られる訳には行かない」

 エクリプスとロッドは抑揚の無い声で、呟いた。

 後ろのドラキュラをまもために、双方は一対――否、二対・・龍翼りゅうよくを雄大に広げる。

「何だって構わないわ…! 押し通すのみ――!!!」

「そのけがれた思考を、焼き尽くすッ!!!」

「当たれ、ぜろッ!!!」

 三人はそれを押し切るように、魔法および特技に力を込める。

 ――が。


 ドラキュラが、えた。


『――血餓けつが「ヴァンパイア=デス=ピアーズ」――!!!』

 どうも、上野ウタカタです。

 凄い遅れ( ̄▽ ̄;)

 時間が無い中でちょくちょく描いてった結果、かなり長くなってしまいました()

 複雑なところなので、「あっ、ふーん…」みたいに思ってくだされ()


 次回は挿絵を入れようかな、と。

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