山森萌咲
家の近くのコンビニに寄っていた。
肉まんを食べながら家に向かっていた。
「あれ、しょーくん!」
突然後ろから声をかけられた。
「萌咲じゃん。仕事終わったの?」
「うん!で今帰ってる最中なの!」
「そっか、お疲れさま。送ってくよ。」
あれ、俺萌咲に凄い優しくなってる気が…
まぁいいや。
「ありがとう!」
「いえいえ。」
俺は萌咲を送ることにした。
「ねぇしょーくん」
「ん?」
「彼女さんと別れたの?」
「なんで?」
「顔がスッキリしてるよ? 」
「……よく見てんな。別れてきたよ。 」
「喧嘩でもしたの?」
「んー……向こうが色んな男と居るから俺は必要ないなって。」
「それは別れて正解だと思う。しょーくんが辛くなるだけだもん。」
「……ありがとな。」
「ふふ。しょーくんは笑った方がいいよ」
「なんで?」
「その方がカッコイイから。」
「……っ。」
"カッコイイ"なんて言われたことなかった。
そう言えば萌咲にも告白されていたんだっけ…。
「しょーくん、萌咲ねしょーくんの事が大好きだよ!」
萌咲の笑顔は眩しかった。
だからこそ傷ついた心にはその笑顔が苦しかった。
「……んっ……」
萌咲の俺に対するその気持ちに俺は縋り込んだ。
俺は理性を失ってたんだろう。
激しく萌咲にキスをしていた。
「……しょ、くん?」
「……萌咲……」
男のくせに泣きじゃくるなんてみっともない。
幻滅、されたよな。
「しょーくん泣かないで。そんなしょーくんも好きだよ?」
「……ありがと……」
俺は萌咲の家に転がり込み、萌咲を抱いた。
……何してんだろ、俺。