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田畑希夏

事務所に着き、カツラを被り服を着替えた。

メイクもいつも通りにやってもらった。

スタジオで雑誌を読んでいると声をかけられた。


「おはようございます。今日は宜しくお願いします。」

顔をあげると萌咲がいた。


「も……。よろしくお願いします。」

MOEは萌咲だった。


「七瀬さんに憧れてモデル始めたんです♡会えて嬉しいですっ♡」


「そ、そうなの?ありがとう。」

希夏といい萌咲といい……………。

佐藤七瀬が俺だと知ったらどんな顔するんだろーな。


「じゃあ七瀬ちゃん、MOEちゃん撮影始めるよー」

カメラマンさんの声で撮影が始まった。

今日はブランドの服を着て商品の売上をするんだって。

川上さんがいつも通りカメラマンの隣で不安そうに見ている。



俺は気にすることなく、笑顔でいた。



19時、安定の仕事が終わる。

「七瀬さん今日はありがとうございました。」


「こちらこそ。ありがとう。」


「またお願いしますっ♡」


「……うん。」

俺は荷物を持ち、スタジオを出た。

事務所の前に川上さんの車が止まっている。




「いつもあざっす。」


「七瀬の格好でそう言うのやめようよw」


「あ?だりーよ。」

ドアをしめ、車が動き出した。



「あのMOEってやつ、知り合い」


「え!?」


「同じ学校で、クラスも一緒。告白もされた。」


「返事は?」


「返してない。」


「ノノカは?」


「あれも知り合い」


「付き合ってるの?」

それを言われた途端メイク落としてる手が止まった。


「……そうなんだね。まぁ交際は構わないけど、君の正体がバレなきゃいいよ。」


「え……」


「でも、、いいの?ノノカは結構凄い奴だよ」


「……凄いやつ……?」

川上さんは苦笑いをしてファミレスに車を止めた。


「僕が奢るから、ちょっと話しようか。」

中に入り、注文をしたあと話し出した。


「小篠くんはニュースとか見る?」


「いや、あんまり……」


「芸能ニュースとかは?」


「たまぁに見る。情報知らないと結構キツいし。」


「……小篠くんをスカウトする前にねノノカに会ったんだ。パッと見てこの人いいかもって思ってスカウトしようとしたんだ。」


「川上さんが?」


「うん。場所は小篠くんに声をかけた所と一緒…。

でも1つ気がかりな事があったんだ。」


「気がかりなこと?」


「……僕はあの時マネージャーする人が居なかったからとにかく条件が合う子を探すため毎日歩き回っていたんだ。で、毎日あの場所でノノカに会った。」


「……うん。」


「ノノカの隣には毎日違う男がいたんだ。腕を組んで歩いていてね。道端でキスしてるのも見たよ。」


「……え!?」


「そんな事があったから僕はノノカをスカウトするのはやめた。しばらく事務所の仕事をしていたんだけど久しぶりに外に出て探していたら小篠くんに出会った。」


「……まじか……」


「他の人がノノカをスカウトしたみたいなんだけど、小篠くんが売れる前はノノカが売れていたんだ。今の七瀬みたいにね。」


「……うん。」


「それで調子に乗ったのかな、色んな男とデートしてる所を雑誌に載せられてて。要するにスキャンダルが多かったんだ。」


「……じゃあ……」


「小篠くん、騙されないようにね。ノノカとスキャンダルになった相手はもう芸能界引退しているから。」


「え!?」


「それほどノノカの影響力はすごい。気をつけて、」


「……。」

川上さんの目は真剣だった。

だから、嘘じゃないんだろうな……………。

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