片想いのあの子②
裏道をとぼとぼ歩いていた。
一瞬ドキッとしたのは何でだろう。
「……はぁ……」
まだ諦めきれてないってこと、だよな……。
「……あれ、もしかして翔太?」
突然後ろから声をかけられた。
慌てて後ろを向くと希夏がいた。
「え、の、希夏!?しご……何でここに!?」
まだCM1本あったんじゃ……………。
「やっぱ翔太じゃん!久しぶり!」
「久しぶり……。」
「私ね一応モデルやっててさ、ここ事務所の裏道なんだ♪」
「な、なるほどね。お疲れ様。」
「ありがとー。てか翔太変わらないね。後ろ姿で分かるよ。」
「え、俺変わってない?」
「うん、全然変わってない!」
「……あはは、まじか。」
「学校どーよ。好きな人出来た?」
「学校は普通。好きな人か……希夏はいるの?」
「……うん。」
突然顔を真っ赤にした。いるんだ……好きな人。
中学の時から居たもんな……。
「ねぇ翔太、この後時間ある?」
「あるけど……」
「私ん家来て!」
「え!?」
俺は何故か希夏の家に連れてこられた。
「ね、ねぇ。モデルやってるんでしょ?
男家に連れてきて大丈夫なの?」
「いーのいーの。裏道だしバレないでしょ。」
希夏が手際よくお茶を出してくれた。
「ありがと……。」
「いーえ。でもまさか翔太にまた会えるなんて。」
「卒業以来だもんな。元気だった?」
「元気だからモデルやってるんじゃない。」
「まぁ、そうだな。」
「……………。」
「……希夏?」
「翔太は、好きな人……いるの?」
「……え、なんで?」
希夏は黙って俯いた。
「……希夏?」
希夏の近くに寄った瞬間抱きしめられた。
「え、ちょ、希夏!?」
「……私ねずっと翔太が好きだった。でも翔太には言えなかった。私のことずっと励まして応援してくれてたから。」
「……うん。」
「だから、また会えて嬉しい。翔太、好きだよ。」
昨日……萌咲にも告白されたな……。
二日連続告白されるとか……。
「って今更遅いよね。高校生だし翔太も好きな人くらいいるよね。」
希夏が離れようとしたから俺は抱きしめた。
「ちょ、翔太?」
「……俺も好きだったよ。中学の時からずっと……。」
ドキドキしすぎて心臓爆発しそう。
少しずつ顔を近づけて、キスをした。
俺はその日、希夏の家に泊まった。