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片想いのあの子

家の中に入り、ベットに寝っ転がった。

携帯の写真フォルダを開くとスケジュールを書いた写真が出てきた。

「あー、メモだと無くすから写真撮ったんだっけ…」

自分で撮ったことすら忘れていた。


携帯なら、無くさないし。

どんどん下に行くにつれて中学の頃の自分写真が出てきた。

「……………っ。」

中学の卒業式、ずっと片想いしてた女の子と撮った写真が出てきた。

いつも恋愛相談乗ってあげて、2人で馬鹿やって…みたいな。


「元気にしてるかな。」

中学卒業後から1度も連絡をとっていない。



《プルルルル…》

萌咲からだ。

「なに。」


『しょーくん相変わらず冷たいよ。萌咲が嫌い?』


「いや、別に。」


『しょーくん、あのね。』


「どした?」


『私ね、しょーくんの事が好き。』


「……え?は、え!?」

萌咲が……俺を好き?いやいやそんなわけ……………


『ずっと大好きだったよ。』


「……。」


『しょーくんは萌咲のこと嫌い?』


「いや……嫌いではないけど……」


『しょーくんは周りを気にするからお付き合い出来ないのは知ってる。でも今まで通り一緒にいてもいい?』


「それって萌咲が辛くね?」


『しょーくんに話しかけて貰えるだけで嬉しいよ。』


「……そっか。」


『嫌なら言ってね。近寄らないから。』


「……うん。」


『しょーくんおやすみ。またね』


「おう……」

萌咲から電話を切った。

……………萌咲が俺を好き?どうすればいいの?


「……はぁ……。」

"今まで通り一緒にいてもいい?"か。

俺といたら悪者扱いされるんだぞ……。


正直、自分の気持ちが分かんない。

でも萌咲のことは嫌いではない。

やっぱり中3の時に片想いしてた女の子が諦められないのか…?



色々考えているうちに眠っていた。



次の日は休日で朝から仕事だった。

「小篠くん、今日はとある子と撮影だから。」


「とある子?」


「ま、メイクしてからのお楽しみだよ♪」

川上さんにそう言われメイクをして衣装に着替えた。



撮影現場に行き待っていると1人の女の子が来た。

「……え……。」


「始めまして。モデルのノノカです。」

その人は中学の時に片想いしてた女の子だった。

本名は田畑希夏(たはたののか)


「さ、佐藤七瀬です……。よろしくおねがいします」


「こちらこそっ。七瀬さん可愛くて憧れてました。一緒に撮影出来るなんて嬉しいです!」

希夏……変わらないな……。


ドキッ……


「……あれ……」


「?七瀬さんどうかしました?」


「あ、いえ、何でもないです。今日は一緒に頑張ろうね。」


「はいっ。」

……もしかして俺はまだ……希夏の事が好きなのか……?



モヤモヤしたまま撮影が始まった。

俺が女装して女として見られているせいか希夏が引っ付いてくる。

……………胸も何気当たってて意識する。

「七瀬ちゃんもっと笑ってー!ノノカちゃん少し離れて!引っ付きすぎで顔が見えにくい!」


『はーい。』

その後はインタビューされて答えての繰り返しだった。

19時、俺の仕事は全部終わった。

希夏はCM1本残っているらしい。


「七瀬さん、今日はありがとうございました!」


「こちらこそありがとうございました。」

お互いに頭を下げ、事務所に戻った。



「小篠くん今日帰りどうする?」

着替えている最中に川上さんに声をかけられた。


「あー…今日は歩いて帰る。色々考えたいし。」


「ノノカちゃんかい?タイプなの?」


「……中学の時に片想いしてた奴なんだ。」


「へぇ〜いいねぇ〜。……て、え!?」


「……なんだよ。」


「それ本当!?」


「うん。卒業してから連絡とってないからビックリした。じゃあ俺帰ります、お疲れ様でした。」

事務所から家に帰るときは裏から帰るため女装してなくても問題ない。


「……希夏……」

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