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佐藤七瀬

「なぁなぁ最近有名な、佐藤七瀬(さとうななせ)ちゃん可愛くね!?」


「わかる!超可愛いし、美人!」


「ねぇ!翔太はどう思う?」


ギクッ……


「おい翔太無視すんなって!」

同じクラスの奴が俺の肩に手を置く。


「……別に俺は興味ねぇよ。」


「お……おう。さ、さすが翔太……」

俺の名前は小篠翔太(おしのしょうた)

ただのコミュ障なんだけど話しかけられるとつい気を張って今みたいにクールみたいなキャラになる。



「じゃ俺行くわ。」


「お、おう!」

昇降口に行くと一人の女の子が立っていた。


「しょーくん。」


「……萌咲。」

俺のことを何故か追い回してくる女、山森萌咲(やまもりもえ)


「しょーくん、萌咲のこと嫌い?」


「なんで。」


「冷たいから。」


「別に。俺忙しいからまた明日な。」

別に萌咲のことは嫌いじゃない。でも。

俺が周りからあまり良い印象持たれてないから。




『佐藤七瀬ちゃん可愛くね!?』


「佐藤、七瀬ねぇ……」

俺はある場所にきた。


「おはよー小篠くん!!」


「はよー。」


「ちょ、君ね上司の人に向かっての言葉遣いどうにかしなさいよ。君仮にもモデルなんだよ!?」


「いや別に俺やりたくてやってるわけじゃないし。川上さんのスカウトでこうなったんですけど。」

実は俺、この人に誘われて今人気の佐藤七瀬なんです。

キッカケは喧嘩のあとブラブラしてたら声をかけられ、カツラ被せられ怪我の手当だといいつつメイクさせられたら案外可愛くてこのままデビューしちゃおうかみたいな。



つまり、女装男子なんですよ。

「はいはい七瀬さん仕事ですよ。制服脱いで」

ちなみにこの人俺のマネージャーの川上さん。

歳は25で独身。彼女募集中らしいです。


「川上さんってどんな女の子がタイプなの?七瀬?」


「七瀬も可愛いと思うけど中身が君だと分かっていたら好きにはならないね( ^ω^ )」


「言ってくれんな。やってやんぞおら。今日の仕事なんだ。」


「雑誌の撮影が3件……」


「あ、うん分かった。その後に1件取材入ってるでしょ。また、あの何だ、雑誌のコメント欄的なところに載せるやつの」


「よく分かったね」


「当たり前。メイクさんもう来てる?」


「来てるよ。」


「おし、いくぞ川上」


「僕の方が年上なんですけど!?」

実はモデルの仕事、少し気に入ってるんだ。

川上さんには秘密だけど

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