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エロ親父闘病記

作者: ケンタウロス

目の手術のため

入院いたしました


いやはや

入院生活の悲喜こもごも


ま おバカなだけですがね

エロ親父闘病記



入院いたしました


まぁ 期間としては

たいした事ないんですが

目の手術の為の入院です



まず

病室に入りまして


驚きました


非常にね

濃いんです


じじぃ色が


びっくりいたしました

完全に保護色


じじぃの中に

埋もれまして


個人の判別がつかないのではないか


このじじぃの山の中

私を

ケンタウロス

と判断し得るもの

何か あるのか



と 大変危惧したわけでございます


しかし

さすがは病院


死にかけ老人の

扱いには

慣れておられます


病室に入ると同時に

腕に

リストバンド

つけられまして


しっかり

眼科 ケンタウロス 男性 ○○才(敢えて秘す)

書かれておりました


ひと安心

でございます



さて

病院の朝は早い

刑務所並み

でございます


6時起床

7時朝食


この一時間の間に


看護師さん

つまり

ナースですね


各じじぃを回りまして

検温 血圧 等

計りまして

優しいお声かけを

いたしてくれるわけでございます



○○さ~ん

昨日は寝れましたか?


いや~看護婦さ~ん

全然眠れなかったよ~


ウソこけ

大イビキかいてたくせに

ナースの気をひこうと思いやがって

(私の心の声)



皆さん 各々

ナースの気をひきたいんですよね

いろいろ訴えます



××さ~ん

お腹 痛くなかったですか?



痛いです 痛いです

お腹 痛くて~



お腹痛いなら

夜中にバリバリ音たてて煎餅食うなよな

(私の心の声)




ケンタウロスさん

目は大丈夫ですか?

痛くないですか?



痛いんです

目も頭も あちこち痛くて~



あらあら

痛み止めのお薬

出しましょうか?



いや・・・

お薬よりは

看護婦さんの

添い寝がいいかな・・・



あははは

ケンタウロスさん

おもしろい~



あらら

笑われちったよ

失敗かな~

(私の心の声)



まだ朝食前だというのに

病室では

熾烈な

ナース争奪の争いが

繰り広げられているわけで

ございます


さて

朝ご飯も終わりましたら

お薬タイム

でございます


看護師さんが

各々の

じじぃを回りまして

朝のお薬

配っていくわけです



○○さ~ん

お薬ですよ~


しかしですね

私は

このじじぃの群れの中にあって

比較的

ボケが進行していない

と 判断されたようで


入院中の薬を

全て渡されておりまして


お前は勝手に飲め


と い言い渡されて

おりましたので


一人で

ポチポチと

シートから薬 だしながら

周りのベッドで


××さ~ん

お薬ですよ~

大丈夫ですか

半分ずつ飲みますか?



うん 多いから

半分ずつにする

喉つまっちゃうから


などと

優しいナースのお声と

甘えたクソじじぃの声を

聞きながら


とても寂しい

ひとときを

過ごしたものでした


さて

寂しい と言いますと


大半のじじぃは

点滴

しておりまして

どこに行くにも

点滴の袋をぶら下げた

スタンドを

ガラガラガラ

キュラキュラキュラ

と引いて

歩いております


四国巡礼の

同行二人(どうぎょうににん)


つまり 一人であっても

必ず

弘法大師様が

となりにいらっしゃる


そんなイメージで


一人であっても

必ず

点滴スタンド様が

となりにいらっしゃる


なんとも

うらやましい


トイレに行く際

診察を受ける際


私は

いつも一人


しかし

周りのじじぃは

点滴スタンドと

同行二人


うらやましい事

この上もありません


廊下を歩いておりましても


点滴スタンドを

連れていない私を


周りのじじぃ達は



おやま

このシト

一人で何しに病院きたんかな?

点滴スタンド様

忘れてるんかな



などと

思われているんではないかと

肩身がせもうございました



さて

そうこうしてるうちに

昼ご飯も

終わり


一人寂しく

お薬を

シートから

ポチポチ出して

飲ませていただきまして



病室に

静かな静かな

ひとときが

訪れます


じじぃ達の生態

といたしまして


入院患者同士で

あまり

おしゃべり等

いたしません


午後の

晩秋の晴れた

ひととき


大変 のどかに

静かに

過ぎていくわけです


さて そうこう

いたしておりましたら

早くも3時

面会の開始時刻で

ございますが


まだまだ

3時 4時あたりは

面会人も少なく

静かでございます


時折

トイレに向かう

じじぃのスリッパの音と

点滴スタンドの

キュルキュルキュル

という音のみが

病棟に

響いております



やはり

面会のピーク

と いいますと

5時~7時になります

これくらいの

時間になりますと


あちこちの

ベッドの周りで


宴 たけなわ

となってまいります


もちろん

私のところにも

面会人

来るは来るんですが


これが

メイン バカ社員達



ちわ~す 社長

あれ まだ生きてる

つまんね


あ リンゴ貰ってい~すか?


あ 俺バナナ欲しいっす


ワイワイガヤガヤ


なんか

モグモグ

腹減って

モグモグ



俺 喉乾いたっす


ワイワイガヤガヤ


じゃ これで一階行って

何か買うてこい



あざーす

行ってきま~す


ワイワイガヤガヤ

ドタドタドタ


実はこの病院

一階に

ファミマが入っておりまして

大変便利

酒 タバコ

以外なら

大概の物

販売しております



社長 買うてきました

あざーす

いただきます



お前・・・

弁当なんか

買うてきたん?



はい

これで夕飯代

浮いたっす

モグモグ



お前は・・・

ジャンボフランク・・・

二本も・・・



俺 これ大好きなんす

モグモグ



そうなんや・・・

で? 俺のは?



はぁ?

社長 食うんすか?

病人なんやから

節制っすよ

パクパク


う うん・・・いらない

おつり 返して



モグモグパクパク


ごちそうさまっした~

お腹ふくれたし

そろそろ帰りますね

明日も来ますから

生きてて下さいね


じゃ~失礼しま~す


おい 帰りにな

ナースステーション

寄っていこ



ええな

合コン

お願いしよな


ワイワイガヤガヤ

ドタドタ


あいつら・・・

飯食いに来ただけやな・・・



賑やかな面会も

8時には終了


9時には消灯

となります

病院の夜は早いんです

刑務所並みなんです


後は 静かに

夜が更けていくだけ


と 思いきや


昼間 あれほど

静かだった病室

夜はうるさいうるさい


あちらでは


グォ~ガォ~


怪獣の雄叫びのような

イビキ


こちらでは


え~じ~ え~じ~

あかんがな~

あかんっちゅうに~


息子か孫を諌める

意味深な


寝言


向こうでは


ギリギリギリギリ

キリキリカリカリ


芸術的な


歯ぎしり


30分おきに


ペタペタ

キュラキュラキュラ


点滴スタンド様と

同行二人で

トイレに行くじじぃ



いやはや

賑やかな

病室の夜が

更けていくわけです



え?

ナースとの艶話し

ですか?



残念ながら

そのあたりにつきましては


ノーコメント

と いうことで

お願いいたします


では また


決して

ご入院して闘病生活を送られている


お年寄りの方々を

愚弄したりは

いたしておりません


皆様の

より早いご回復

お祈りいたしております

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― 新着の感想 ―
[一言] 書き方が大変面白いです! 微笑ましく読ませていただきました。 ありがとうございました!
2015/12/02 13:54 退会済み
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