序幕 世界・魂・力
20XX年、あるゲーム企業からとあるシステムが発表された。
それは、仮想現実を作り出せるものだった。
そして、時は流れ10年後、専用機器の値段がリーズナブルなこともあり、爆発的な大ヒットを記録し、全世界に普及した。
しかし、特定のゲーム企業以外の参入が一切許されず、国すら干渉ができない、大勢の技術者や科学者がシステムの解析を試みたが未だにお手上げ状態という謎はあったが、仮想現実の人気はそんなものでは落ちることはなかった。
現実的な話、事故が一回も起きていないという事実もある。
そんな中、参入している企業すべて合同である一本のゲームを開発、発売することが決定した。
タイトルは -Glaus World Story-《グラウス・ワールド・ストーリー》
情報は徹底的に秘匿され、PVもなく、公式ホームページにもタイトルだけしか載っていないという徹底ぶりだった。
それでも、50万本あった初期ロットは販売開始5分で売り切れるという大盛況を記録するほど期待度は高かった。
日本 VRMMO -Glaus World Story-開発室 20××.7.30 AM9:57
「室長、時間です」
「ああ、解っている。
それよりも、全員配置につけているか?」
「そこは抜かりなく」
「なら、大丈夫か。
SYSTEMの起動を急がせろ。
終わり次第世界の創造を開始するぞ」
「でも・・・・・・よろしいので?」
「覚悟なんてものはとうに出来ている。
それはおまえも同じだろう?」
「当たり前です。
そうでないと、まず此処にはいませんから」
「だろうな」
-SYSTEMノ起動ヲ確認。コレヨリ世界ノ創造ヲ開始シマス-
「時間だな。
それじゃあ、な」
-SYSTEMパスコード"世界・力"-
-最終システムロック解除ヲ認証。世界ヲ創造シマス-