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短編  作者: けろっぴー
3/3

レース




「位置について~……、よ~い…..、ドン!!」


元気のよいお姉さんの掛け声とともに、

空砲が鳴る。


そして、スタート地点の各コーナーのケージが開くと同時に元気よく飛び出したのは子豚の群れだった。これは動物園が主催している【コブタレース】である。

1番になった豚だけが生き残ることができる。


むろん、お姉さんの掛け声を理解している豚がいるわけがない。

ぶひぶひいいながら横にいる子豚と押し合いへしあいしながら壁に激突しながら子豚たちは餌が置いてあるゴールに近づいて行く。しかし途中途中で落とし穴があったり餌の入った罠が仕掛けられていて必ずしも進むのが早ければゴールに早く到達するというわけではない。




コブタレースの豚は5匹。

私はちなみに1番にかけている。

一番ゆったりとして小さいおっとりとした子豚でした。

どうしてそれを選んだかというと、一番とろい豚を選んだ方が学習しながらなんとか生き永らえることができるだろうと思うからである。



思った通り、せわしない子豚やせっかちな子豚は落とし穴にはまったり罠に引っかかったり転んだり泥沼から足が抜けなくなったりしてゴールに辿り着くどころではなくなっていた。

1番はそれを見て自分は引っかかるまいとしてゴールへと着実に進んでいく。


結局1番は優勝し、2番目は生ハム、3番目はベーコン、4番目はスーパーの生姜焼き用の豚肉、5番目はウインナーになることが決定し、私は景品としてあの「クマのプーさん」に出て来るピグレットさんのぬいぐるみをもらった。

1番の子豚は招き猫ならぬ招き豚として、動物園の入り口近くのケージに入れられてすっかり有名人ならぬ有名豚になった。






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