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ワイルド・ワイルド・ガールズ  作者: 虹野サヴァ子
後編『月よりも優しい少女達』
90/123

交響詩篇エクレアセブン その1


 偽りの想い

 仮面の表情

 生きるという上で必要な事であり

 両目を細めて遠い景色を見るような事

 だからこそ

 涙をこらえて願いを適えるためにする事

 迷路のような環境の中で

 なぜそれができるのかというと

 人は時としてわすれがちではあるが

 近しい景色を守るために

 望む景色を夢見るために

 なぜそれができるかというのならば


 優しさと愛情以外に他ならない





「やぁ、もう一人の可愛い妹よ! 久しぶりだな」


「やあ、馬鹿兄貴。私に連絡をいれるだなんて珍しい、何かよう?」


「相変わらずの自由奔放ぶりだなぁ、そのぶんじゃニュースなんて見てないだろ?」


「うん、みてない。ちょっとテレビつけてー! 何チャンネル?」


「731チャンネル」


「お、何だこの変な……お、でっけー! 何だこれ! 何なの?」


「長年、俺達が求めていた結果の答え。そんなもんかな?」


「……ふーん」


「ジョニーは今それで大変な目にあっている、だから手伝ってほしくてね」


「嫌!」


「なぜだい?」


「あの子は強いから平気よ、兄貴もいつまでもそうやって子供扱いしてたら可愛そうじゃん」


「俺から言わせればどっちも俺の妹はどっちも子供なんだがな?」


「んだと……! どういう意味よ!」


「できる力、強い力。お前はどっちも持っている上に優しい俺の自慢の妹だ。でもその実は恐がり。本当はジョニーを助けたいのに恐くて動けない。違うかい?」


「恐いって何が? 私の強さは知ってるじゃない?」


「しらばっくれるなよ。いや、俺もか……だからこそ俺達は向き合わなきゃいけないんだ。そうだろジュリ?」


「…………相変わらずムカつく兄貴、そうやって人の本心を見透かすから嫌なのよ!」


「僕はお前のそういうわかりやすい態度が大好きだぞ!」


「あーもう、わかったわよ! やりゃあいいんでしょうやりゃあ! 悪いけど船がないから迎えに来てる?」


「もちろんそのつもりだ」


「ん、あんたも来る? まぁ、確かに最近は暇だったけど……面白いかどうかはわかんないわよ」


「あの子か? 久しぶりに会いたいな!」


「また始ったよ……まぁ人手は多い方がいいのかな? じゃあ待ってるから」


「ああ、すぐに行くよ!」


「……はぁ。いつか、なんてこなきゃいいのに……いや、いつかは必ず来るからいつかなのかな」


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