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ワイルド・ワイルド・ガールズ  作者: 虹野サヴァ子
前編『太陽よりも激しい少女達』
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雲谷より舞い降りる者、蒼穹に舞い上がる者 その5

「エクレア!」


「アインッ!」


 私に迫ってくるニルギルスを打ち落としたのは、ボナペティエに乗ったエクレアだった。

 ブラニーとの会話に夢中になって出てきたのにも気がつかなかった。


「エクレア立ち直ったの!?」


「立ち直ったっつぅか何つぅか……二人の会話聞いてたらなんかどうでもよくなってきちゃって、まぁ私の過去に何か複雑な事情があるってのはわかったよ。かといってジョニーを殺されるわけにもいかないからね」


 ずっとあの会話を聞いてたのか? よく見ればみんな交戦をやめてるし……。

 まぁ、聞いてたら何事かと思って止まっちゃうわな……

 あれ!? 何でかバグも止まっちゃってる?


「アイン、本来あなたはこっちがわの人なのに! ツヴァイとドライも待ってるいるのに!」


「あ~、私の姉妹っていう? うん、まぁ、会ってみたいけど、なんか君を経由して会おうとは……それに焦ってもしょうがない事だし」


「な、何で!?」


「よくわからんけど、ジョニーのお父さんがらみになるかもしれないんでしょ? そしたら二人揃って事実関係を理解しなきゃいけないだろうし」


「言ったじゃないアイン、あなたがジョニーの父親を殺したのよ! それでも一緒にいられるの!?」


「いやぁ~話しを聞いてると、私あなたのお父さんも殺した事になってるしねぇだったらジョニーといるよ。それに私……あなたなんだか苦手だし……ジ」


 こののらりくらいとした態度、いろいろ悩んだあげく結局一周してやっとエクレアがもとに戻った。


「っ、ジョニーがそれを許すと思うか!?」


「いや、私はもともとそんな与太話を信じてないしね!」


「そう言ってくれると信じてたけど、いちおう聞くよ。ジョニー、私はジョニーと一緒にいてもいいかな?」


 そんな質問に意味なんて無い、答えは最初から決まってる。

 

「当たり前でしょう! 友達だもの!」


「さーんきゅ、愛してるぜジョニー!」


「「友情復活!!」」


「なんで……なんで……ジョニー……ジョニー……ジョニー!! ジョニー・ジョニー・マクレーン! お前がいるから……」


「ジョニー・ジョニー・マクレーン! 友達はジョニー、学校の先生はマクレーンさんって呼んでたけど、だけどお前はどっちも駄目だ!」


「死ィねぇぇぇえええ!!!」


「いい加減に聞き飽きたよそれ! 行くぜ相棒!」


「おっけいジョニー、任された!」


 また羽を広げて突っ込んでくるニルギルス。

 言う事も馬鹿の一つ覚えならやる事も馬鹿の一つ覚え。


「ひゅう、もう一つ!」


 ボナペティエの一撃がつっこんできたニルギルスのボディーに直撃する。


「引っ込め馬鹿!」


 さらにニルギルスの肩口に私の一撃が直撃する。


「うぐぁあああ!」


「しまった、これ以上ニルギルスに損害を与えるわけには! ……ゴッデス・ベーゼも近づいてきた事ですし……」


 存在を忘れていたダイアが悲鳴をあげる。

 なにげにこの子は真面目なような……アルミと本当に姉妹なんだろうか?

 それにしても、こんだけくらってもまだ動けるニルギルス。さすがに新型機とはいえこれだけタフなのはおかしいぞ!?


「あなたのせいで私がこれ以上迷惑するのは嫌なので……」


 そう言うとダイアのワルキュリエの腕からワイヤーが射出されてニルギルスの体に巻きつく。


「……最初からこうしてればよかった」


 言って。


「アアアアアアアアアアッ!!?」


 さっきから頭のおかしな声を出していたけど、今度のはさらに輪をかけておかしな声をあげるブラニー。

 というかこの声は悲鳴なような……


「ダイア……何をしてるの!?」


「ネクストレベル機の特殊な能力よ……姉さんが私のところに帰ってきてくれるなら……姉さんのもみつくろってあげるわよ」


「……そうじゃないでしょう……あなた友達に何をしてるの……!」


「何って? 必要だからそうしたのよ、そういうもんでしょ人なんて」


「あ、逃げる気ですか!」


「私は逃げも隠れもしないわ……姉さん……故郷で待ってるわ」


「……そうね、あなたがそこで待ってるっていうなら……帰るわ」


「シャオ、シャオもいくですか!」


「別に、私は答える必要はないでしょう」


 そう言うと、シャオロンの機体がスイと消えた。

 おそらくあの白い船、ゴッデス・ベーゼとかいうやつに座標軸を戻して消えたのだろう。

 続いてブラニーを連れたダイアが消えた。


「あっ!? 待ちなさいシャオ!」


「どうするジョニー?」


「どうするっても……この大きさじゃ私達が入る余地はないでしょ?」


「……おなかすいた」


 結局のところ事情はまったくわからなかったけど。

 とりあえずマヤも心配してるしてるだろうし……戻るか。


「かくかくしかじかまるまるさんかく……ってな事があってね」


 私達はその後兄ちゃんと合流し、ブラニーの言っていた事などのおさらいをした。

 そう!

 主にお父さんの隠し子の事などを!!


「んで、兄ちゃん。これでブラニーが兄ちゃんを兄ちゃんって呼んだ事も納得いくんだけど、そういう話しというか噂ってなかったの?」


 私ももっと聞き様があると思うし聞いてもどうにもなんあいとわかっても一応は聞いてみる。


「いや、そんな話しは聞いた事がないな。それにエクレアちゃんが父さんを殺したとかいうのもなぁ?」


「まぁ、それはそうだよね」


「まぁ、ドロシーちゃん達の船は仕事の片手間に治しておくよ。それで今後はどうするんだい?」


「……私の故郷に……」


「よくわからんですが、アルミの故郷に連中がいるみたいです。私はついていくしかないですし……」


「フェイフェイも行くしかないね」


 三人で話しが進んでるけど、使うのは私達の船なんだけど……


「どうしますジョニー?」


「どうしますっても、私達も行かないとしょうがないでしょ? ブラニーと話さなくてもそれ関係で何かわかるかもしれないし」


「いるかわかんないけど、私もツヴァイとドライっていう子にも会ってみたいし」


「じゃ、決まりだね。ふと思い出したけどツヴァイとドライにも私って狙われてるんだよね……」


「ジョニーも大変だね」


「エクレアも人事だと思って……てか半分はエクレアに掛かってるような気がするんだけど……」


 ゆるゆるダラダラとその日暮らしを楽しんでいたけど、なんだか大変な事になってきたなぁ。

 まぁ、私の目標でもあるし……あ、マヤのパパはどこに行ったんだろう?


 まぁ、あのパパの事だから何かしら動いてるんだろう。

 彼女の青い羽の残した光の奥に見えたあの白い船、あの船とはまた会う事になるんだろうな。

 船は順風満帆、きっとなんとかなるさ!

 ……そういえば一つだけ残念な事がある、それは結局アンナさんにもらったチケットは意味をなさなくなってしまったこと。

 ちょっとだけ見たかったんだよな、光速系アイドルフレッツ光。





FROM:ジュリア

  TO:ジャック

  本文


 今日はジョニーが父さんの最後について何か知りそうだった。

 ジョニーの友達のエクレアっていう子が父さんを殺したとかなんとかという話しまでしていた。

 数年前に起きたと言うあの事件に父さんが本当に関わってたとしたら、確かにうなずける部分はある。

 まさかとは思うがアインというのが本当にエクレアちゃんだとは思わないが……

 父が死んでいるという事実にはさすがに気がついているようだが、性格からか信じ様とはしていない、僕にはそれを含めて不安だよ。

 あの子にはやっぱり父と母について知ってもらいたくはない気がする。

 ジョニーがまだ小さかった頃に何があったのか、大きすぎる事だから首を突っ込まないでほしいのだが。何の因果かカイバーベルト社と関わり合いになっちまった。

 できれば僕が何とかしたかったが、こればかりは天才には勝てそうに無い。

 ……手を引いたお前に言うのは酷だと思うが、いつかジョニーが困った時に力をかしてやってほしい。

 

 

「送信……と。嵐になるかも……それも大きい嵐にね……」






 


                                 Bey Bey Space Girls.

                                 See You Next Pranet!

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