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ワイルド・ワイルド・ガールズ  作者: 虹野サヴァ子
前編『太陽よりも激しい少女達』
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剥き出しの欲望 その3


 そんなわけで私達は惑星クロスアートに降り立った。

 戦闘要員でないBBとムーは船にいのこりだけど。

 ところでまるで風船のようにプカプカ浮いてるバナナをこの星の人は特に奇異の目をして見る事がない。クロスアートの人は宙を浮けるのかというとそういうわけではないはずなのだが。


「なー、ジョニーどうしたー?」


 私の目線に気がついたのかプカプカしながら私の顔を覗き込むバナナ。


「なー」


 何か悔しいので変な顔をしてやる!


「あはははは!」


 実際、バナナの手から怪光線が出たのを見た事があるかし、げんに宙に浮いてるから疑うのもあれだけどこの子が戦闘要員としてここにいるのは間違いな気がしてならない。


「ところでカンザキさん、本当にここらにその団体はあるんですか?」


「……間違い無い」


「敵の本拠地の場所まで聞き出さなかったのは明らかにお前のミスだ」


 実際のところ何の収穫もなく実は街の裏路地をウロウロしているだけの私達、カンザキさん曰く本拠地は近いはずだから分散しての行動はやめようって話しになったんだけど、これは裏目に出たかなぁ?


「ジョニー、剣に手をかけといて!」


 と、そんな事を思ってたら辺りに複数の気配が! さすがエクレアはこういうのには一番早く気がつく。


「それで待ち伏せのつもりかしら? 一般人には誤魔化せても私達には通じないわよ!」


 マチコさんが口引き切って啖呵を切る。

 くぅーーー! これで同人作家じゃなければ言う事なしのカッコ良さなんだけど。


「チョロチョロ嗅ぎまわっているネズミがいるっていうから見にきたが、なかなかどうしてキモがすわってるな」


 出てきたのは皮のツナギを着たけっこうなイケメンの兄ちゃん、しかも同じ顔が四人。

 四人とも似ているあたり兄弟か何かか!


「ちゅ~、ちゅ~」


 アンナさんがネズミの真似をして皮ツナギを兆発する。


「このアマ!」


 皮ツナギの一人がカルシウム不足なのか速攻でキレた! それをまた別の皮ツナギが手だけで制止する。うん、典型的な悪の幹部だ。


「あなた達は何者ですか!」


 マヤが律義に皮ツナギに問いただす、まともな答えは返ってこなそうだけど。


「名前はとうにすてた、そうだなNとでも名乗っておこうか?」


「じゃあ僕はU」


「俺はD!」


「……Eだ」


「なるほどね。で、俺達をどうする気だ?」


 多分、ニヒル担当と思える皮ツナギEが私達に全員に目をくばる。


「二人は実験に使えそうだよN」


「Eは優しいねデラーの事まで考えてるんだから」


「じゃあ、それ以外はぶっ潰していいんだな!」


 参謀担当の言ったデラーってのがこいつらのボスか?でも言い方から察するにボスってわけでもなさそうだし……あと、こうやって情報をリークするようじゃUは参謀としてはまだまだだね。

 あと、Eはみかけ通り筋肉バカと。

 そんな事を考えているとEの言葉がよーいドンになって雑魚達が一斉にあたりから飛び出してくる。結構いるなぁ。


「エクレア、マヤ私の影に!」


 ダララララララララ!

 鳴り響くは機関銃の音、身をかがめて二人を私の盾の後に隠れさせる。

 縦横無人に飛び交う銃弾の中、他の4人はというとアンナさんはスカートから出したトンファーを高速回転させて弾丸を弾き、カンザキさんも同様に刀を回転させて弾丸を弾いている。

 マチコさんは眠るように目をつむりながら踊るように弾道を避けている、もしかして音だけで!?

 モモはモモでいつのまにか空中へ。


「うひゃあ、すっげぇな!」


 エクレアが感嘆の声をあげている。

 五、六発なら私だって剣で叩き落したり、十数発くらいならエクレアもマヤも余裕で避けられるだろうけどここまで雨あられとなるとここまで華麗に避けられる自信はない。


「これが事務所を構えられるレベルの人達の戦い方なんですねぇ」


 と、見惚れている間に敵の弾が切れたのか一瞬だけ銃の雨が止む。


「場所は中央、斜線軸はクリア!エクレア、チャンスよ!」


「あいよぅ!」


 マチコさんの声に反応して、これまたいつ銃を抜いたのかエクレアが飛び出しマチコさんと背中合わせに立つ。


「銃の型!」


「アシストにまわります!」


 銃の型、それは中央から周囲の敵を攻撃するにあたって最小の挙動で効果的に敵を倒す技らしい。周囲の敵の状況を把握する能力、敵の位置によっての銃の使い分け、そして例え後向きでも当てられる精密な射撃能力があって初めて使う事のできるハイレベルな技術!

 らしいのだが、私にはいちいちアクロバットなポーズで360度に銃を撃ちまくる大道芸にしか見えないのだが……。


「ぎゃー!」


「ひぇー!」


 とはいえ悲鳴をあげながらバタバタと倒れていく敵の戦闘員達、エクレアとマチコさん様々です。


「兄さん、こいつらけっこう強いよ」


「では、俺達も野望のために働くか」


 そういって四人の皮兄弟が飛び降りてくる、てかやっぱりこいつら兄弟だったんだ。

 見た感じはそこそこに強そうなんだけど、発せられるオーラはそうでもない。

 雑魚とまではいわないけど、私達の相手じゃないなぁ……。


「頑張れジョニー、雑魚はまかせろ!」


「マヤ、モモをお願い!」


 やっぱり私の目にはわざわざありえない姿勢をとってバンバンやってるようにしか映らない二人の声が飛ぶ。まぁ二人には悪いけど本命はいただくよ。


「じゃあ、相手になるぜお嬢ちゃん!」


 なんだー、筋肉バカだ。ハズレだな……。

 ガキーンガキーンと金属グローブを胸のところで鉢合わせてニヤニヤしてるD。

 と、おもったら凄いスピードで私との間合いを詰めてきてようしゃなくゲンコツを振り下ろしてくる。

 ガーン!


「いってえ!」


 剣で受け止めたけどあぶないとこだった!いや、だってパワーだけかと思うじゃない。

 まぁ、それでも見え見えだったけど、痛い事は痛い、どうやってし返ししてくれようか!


 でもとりあえず鞘を盾に変えて回復、腕と肩に響いた痛みをやわらげる。

 と、同時に剣を構える。

 私も気が緩みすぎてた。仮にもこれは惑星級の仕事、どんな相手が出てきても油断しちゃいけなかったんだよね。


「上等だ!」


「いくぜ、オラッ!」


 とはいえ、強いのは認めるけどう~ん……。

 ぴょんぴょんとDのパンチとキックを交わす私。


「ちょこまかトォ!」


 体格差は半分にも満たない、そんな娘ッ子が自分の間合いにいるのにパンチ一発まともにあてられないんじゃこの性格ならすぐに熱くなるよなぁ。

 そこらへんが三流の証なんだよ、ちょっと我慢すれば……。


「ガキがぁ!」


 ほら来た大振り!

 そしてボキャブラリーの少ない掛け声!


「胴!」


 肝臓めがけて爆発を伴う一撃を叩き込む、Dを吹き飛ばした感覚はあっても手応えは浅い。

 みねうちとはいえ爆発してんだから吹っ飛ぶくらいはしてよ、これだから筋肉馬鹿は!

 とはいえ、しからば駄目押し!


「イラプション!」


 続いて地面に剣を突き立てDの吹き飛んだ足元に炎の間欠泉を上げる。

 どんなに体を鍛えてもバランス感覚はなかったようで……態勢を崩したところへ……。


「フレアボール!」


 とどめに宙に浮いたDに火球をぶつけてやる。どうだこの3段コンボ!

 ドッジボールよりやや大きめの私の火球をくらって豪快にすっ飛ぶD、煙を巻き上げながら壁に激突してはバトル漫画みたいに壁にヒビが入る。


「おー、熱いし痛ぇな……」


 って、あんまり効いてなさそうだなぁ。これ以上威力をあげると周囲に迷惑とかかかるんだけど。そうも言ってられんかなこれは。

 さて、私以外はどうなってるんだろう?

 って、アンナ姉さんとカンザキさんさすが強ッ! もう終わってるし!


「ハァ、ハァ、あんたら何者だ?」


「そやな……ん~~~じゃあAって名乗っとこか?」


「ふざ……」


 リーダーの多分長男のNが多分「ふざけるな」って言おうとした瞬間にアンナ姉さんのトンファーの一撃がNの綺麗な横っ面に炸裂、スカートの中にトンファーをしまって次の瞬間には長い棒を取り出して吹き飛ぶNの喉元にドカリ、そいでもって次の瞬間にはモーニングスターを取り出して背中にドカリ!


 うつぶせに倒れ込んだNにとどめとばかりにハンマーでメキョリ!

 武器をスカートから取り出してはスカートにしまってるんだろうけど、エクレア同様、原理も動作も不明だ。


「お兄ちゃん!」


 筋肉ダルマのDが言い方こそ可愛いものの悲鳴に近い叫び声をあげながらNに向かっていく。

 あ、結構ヨロヨロ。なんだヤセ我慢してたんじゃん……。


「ジョニー、しっかりトドメ刺す!」


 アンナ姉さんの声が響く。もちろんですとも!


「くそぅ!」


 Dがこっちを振り返るけどもう遅い!


「チェーーーストォ!」


 今度はしっかりとダメージが通るようにジャンプして全体重をかけて剣を振り下ろす!

 爆発しながら吹っ飛ぶD、これでこっちも片付いた。

 カンザキさんは、なんか楽しんでるっていうよりもわざと長引かせるように戦ってるし、そうだマヤとバナナは!



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