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ワイルド・ワイルド・ガールズ  作者: 虹野サヴァ子
前編『太陽よりも激しい少女達』
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未来に輝け黒歴史 その4


「最悪私が全力でふっとばしてやろうかと思ったけど地の理が悪いな」


「落盤なんてしたら最悪ですもんね」


「あの役立たずの顔も立てないといけないしね!」


 とりあえず私は剣を抜いて思い気り強風を起こして蒸気を吹き飛ばす、オロチも気がついたのか巨体をドカドカゆすりながら走ってきた。

 以外とこの洞窟は丈夫かな?

 とはいえ天井から岩がドカドカふってくる、やっぱまずいなコレ。


「ウィスパーウィンド!」


 さらに強風を起こす、ここまでくると高圧の空気の塊、というか壁をぶつけるようなものだ。

 これにはさすがにオロチも思わず足を止めた。


「とりあえずまずはマシンガンかなっと!」


 エクレアがオロチに回り込むように機関銃を撃ちながら走る。

 タタタタタタと言う音が響く、しかし巨体にはなかなかダメージを与えられるもんではないようだ。


「私はどうしたもんかしら?」


 マヤは困ったような顔をしてる、確かにマヤの体術じゃこの相手の大きさではどうしようもないなぁ。


「とりあえずそうね、パンチしてみて」


「はいよ!」


 トントンと身軽に飛んでオロチの腹にパンチを入れる。

 ちなみに龍の肌は基本的に鉄みたいな鱗に覆われている。


「痛い!」


 そりゃそうだ……私も行くか!


「ルメサオ・ニヤサ! 行くぜ!」


 盾を鞘の形にもどして、それに乗って空を飛ぶ。

 脇にエクレアが回るなら私は上から!

 浮きあがった私はオロチの首を交わして件を抜き背中に剣を突きたてる!

 ボゥと背中に乗っている私にめがけて炎を吐くオロチ、もちろん私はヒラリとかわす。自分で自分の背中を焼いてもんどりをうつオロチ。


 ところでサノオはどうしてるんだ?

 空中で逆さまになって私はサノオを探してみる。


「サノオ、どうした? 斬りかかるならチャンスだよ」


「心配にはおよばん、少々脅えているだけだ!」


 ほんとだ、物陰に隠れてる。

 うん。オッケー、もういい。

 さて、エクレアの調子はどうかな?


「武器七変化、銃連コンボ!」


 エクレアが同じように回りながらさまざまな銃を出してはいちいちポーズを決めながら銃を撃ちまくる!七変化といいつつ七よりも多いのはこれいかに。

 短銃だけで七回以上もちかえたよなぁ……散弾銃、ビーム砲、ロケットランチャー、ミサイルサンチャー、スナイパーライフル、機関銃、バルカン砲……毎度毎度どこにしまってるんだか。

 しかし、さうがにこうも撃ち込まれるとさすがにオロチもよわってきた。


 ちなみにマヤはオロチの首を引きつけて炎を避けるというとても重要で大変地味な戦いをしている。頑張れ!


「動きが鈍ってきた! エクレア、足を狙って動きを止めるよ!」


「OKジョニー!」


「フレアボール!」


「パイナップルー!」


 私の火球とエクレアの手榴弾がオロチの前足を崩す。


「「今だ! サノオさん!今なら奴は動けない!!」


「は、はやくしてぇ!」


 サノオよりもマヤのが必死だ。

 っていうか、あの子は効きもしないのに健気にパンチを連打してる。何があの子をそうさせるのか……。


「おぅっ、トドメは任せろ!」


 コイツは……。


「ゆくぞぉぉっ!」


 サノオは自分の身の丈もある巨大な剣を大きく振りかぶって、気合と共に斬りかかる!


 あ。


 ついに衝撃に耐えかねた洞窟の天井が崩落した。

 ドカドカと岩が落下してきたと思うと、サノオともどもオロチは崩落した岩の下敷きになった。

 さすが忍者である、マヤはちゃんとそれらを回避していた。

 サノオはバッチリ生き埋めになったけど……まぁ、大丈夫だろう。ギャグキャラだし……。


「た……たすけてくれ……」


 やっぱり大丈夫だ声が聞こえる。


「ジョニー、今のは不幸な事故だよね?」


「うん、大丈夫だよエクレア。問題なしよ!」


 とはいったものの、これではサノオはいいとこなしだな、どうしよう。

 チラリと私の目にサノオの大きな剣が目に付く。


「だ、大丈夫ですか?」


 マヤが岩をどかすと、抱えらえてサノオさんがよろよろと出てくる。

 えらい事故だったにもかかわらず、怪我という怪我が無いのはさすがである。

 と、そうこうしているうちにオロチもまだ息があったようで岩を押しのけて再び立ち上がってくる。


「サノオ、剣はまだかまえられる!?」


 サノウはそういうと眼帯を外し、自分の剣を握る手をそのひもでグルグル巻きにする。


「一振りだ……その一撃で全てを絶つ!」


 柄にもない笑顔を見せてぎこちないウィンクをくれるサノオさん。はいはい、カッコイイよあんた。


「でね、エクレア……」


「え、でもそれっていいの?」


 私はエクレアに作戦を耳打ちする、エクレアは否定的な事をいうもののどうでもいいような顔で頷く。


「サノオ、私に捕まって、そして剣をかまえて!」


「よし!」


 私は再び鞘に乗るとサノオさんを抱きかかえた!


「行くよ!」


 飛びあがりフルスロットルでオロチに向かっていく、オロチは迎え撃つべく再び立ちあがる。

 それを見て私はジャイアントスィングの要領でサノオさんを振り回した!!


「おおおおおおおおおお!!!?まさか、このまま投げる気か!!」


「あったりーーー!!」


「おおおおおおおお!!!」


 ロケット弾のように飛び出すサノオさん! そしてぐっさりと剣がオロチの腹に突き刺さる!

 ギュオオオオオー!

 響くオロチの断末魔。


「あ、危ないこのままオロチが倒れたらサノオさんがつぶれちゃう!」


 マヤが悲鳴をあげる、けど心配はない!


「ミサイル発射!!」


 エクレアが屈伸運動のような妙なポージングでミサイルを発射し首尾良く……じゃなかった不運にもサノオさんに直撃する!

 でも、その衝撃でオロチはあお向けに倒れた。

 ……とりあえずこれでとどめはサノオさんが刺したという事になった。


 しょせんギャグキャラだったので……じゃなかった。

 流石は選ばれし血を引く勇者、サノオさんはあの爆発の中から不死鳥のような生命力で立ちあがり、感動的な帰還を果たした。

 ボロボロの姿を街の住人に心配される姿は涙を誘うものがあったけど、考えてみれば怪我のほとんどは私とエクレアがつけたものなのでちょっぴり罪悪感。


 そのくせ私達は無傷だったのでバツが悪く、星を去るときに報酬の半分をサノオさんの治療費として置いて帰った。

 私は思う、本当に強い人は弱さを受け入れられる人だという事。

 願わくば、この過剰な過保護が最低限になりますようにという事と、サノオが成長して今の姿を振り返って時に、恥ずかしさから枕に顔をうずくめて足をバタバタさせないようにという事である。














「……お嬢ちゃん、私に何のようだい?」


「ジョニー・ジョニー・マクレーンを知っているか?」


「その名前……人の過去に触れるというのはそれなりの覚悟はあるんだろうね?」


「過去ではない、私の未来に関わる事だ」


「確かに過去に縛られるのは未来への冒涜だな、だが老いた私が見れるのは過去しかなくてね……」


「……ジョニー・ジョニー・マクレーンを知っているか?」


「私の彼女の接点は炎……それだけだ……」


「……もういい、邪魔したな」


「ブラニー、有意義な情報は手に入った?」


「いや、無駄足だったようだ」


「しかし、面白いものねそれぞれの求めるものが一緒だなんて」


「どういう事だツヴァイ?」


「一応はドライと聞き込みをね、なんでもあなたの探し人と行動を共にしてるらしい」


「あと、夜叉姫が狙っている女も一緒らしいわ」


「それは都合がよすぎではないか?」


「希少種の黒髪、同じ名前で年格好。間違いないでしょう」


「面白くなってきたわ、そのうちシャオロンとダイアの関係者が出てくるかもしれないわね」


「ふっ、確かにね。過去に縛られた私達の未来を見せてやりましょう」


「「何その台詞?」」


「……五月蝿い! 行くぞ! ツヴァイ、ドライ!!」




 


                                 Bey Bey Space Girls.

                                 See You Next Pranet!


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