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ワイルド・ワイルド・ガールズ  作者: 虹野サヴァ子
後編『月よりも優しい少女達』
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新しい朝が来た! その5

「ケッケッケ、いいの何も言わなくて?」


 ジャックとジョニーの会話を影からのぞいていたBBがジャックをからかうように言った。


「いや、今はいいさ。あの子は少し今までの事を考えない期間も必要だ」


「ケッケッケ。しかし、面白いデータよね。ジョニーが夢の中でお父さんに会ったって。本人は死に際の夢っておもってるけど、あの子がしてた発信機のデータはなぜか六時間分もあるのよね。グラントの言ってたパラレルな世界って事かしら? ケッケッケッケ、オデッセイのデータの廃棄は決まったみたいだけど。本当ならばあの装置は未来に人を送るって事ならエクレアって成功例もあるしほぼ完成してるのよね。もったいない」


「わからないさ、過去も未来も別の世界も。今はあの子達が元気でやってる。それでいいんだ」


「ケッケッケッケ、相変わらずの兄馬鹿です事。グラントとしてはタイムスリップに成功してもルーシアさんに会えて、別の世界に行ってもルーシアさんに会えたというわけだ。ホント、黒幕冥利につきるってところよね」


 BBが言うと、BBの隣にいた紫の髪の少女が答える。


「んで、失敗したところで。全宇宙に流れる放送で『すまなかった、過去を取り返そうとした。しかしワシの愛が足りなかった。あの時も、今も変わらず愛してる』の発言でしょ? 知らない人には会社と世間に対しての謝罪だけど、内心はルーシアさんへの告白でしょあれ?とんでもない老いらくの恋と、純愛だよね」


「それだけ昔堅気って事さ。俺達が言ってもしょうがない話、事件としては無人の自社ビルの破壊と過剰技術保持罪。テロの方はマフィアの抗争と紛れてで立証が難しいし、今までのグラントの技術貢献の酌量もあれば騒ぎこそ大きくても大した罪にはならないさ。体裁としてはカイバーベルトへの経済の影響もほんのささいなもんだし、世間の話題はグラントの批判よりも戦うアイドルKANATAの事でいっぱいでおかげで評判はトントンくらいだ。最後はグラントが罪をかぶってお終い。話としてはグラントという一人の純真な天才によって結末まで用意されてたという話さ」


「蓋を開ければ、ただの爺さんの壮大な告白劇だったと……」


「ケッケッケ、確かにいろんな意味で大した黒幕だわ。いいように掌の上で踊らされてたわけなんだから、ちょっとジェラシー、ところでニーズさんエクレアを見て何か思う事は?」


 そう、紫の髪の少女はジュリアの親友のニーズだった。

 ニーズは歩き去るエクレアを見て首をかしげていた。


「う~ん、何か思う事があるような? まぁ、わからん」


「まぁ、そんなもんかね? 思い出したら連絡とってあげてケッケッケ」


 ニーズは敬礼だけしてBBに返事を返した。



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