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魔法少女と銀の法札  作者: 李音
STAGE1 魔法はカードで放つもの!?
3/16

STAGE1-3

【】で表現されているのはゲームの流れをある程度示す為の情報です。遊戯王等で言うと、モンスターの攻撃力やプレイヤーのライフが表示されるのと同じものだと思って下さい。例外的に新たなカードが出て来た場合、登場人物の台詞の中に現れることもあります。

   【ステージ3】

「わたしのステージ! ドローっ!」

   【ファーラの手札2枚 マナ7個 ライフ23000】

【ファーラの使い魔】【フレイムハウンド 魔力6000 レベル2】

 ファーラは引いたカードを確認すると言った。

「もう一枚のカードでリンクだ!」

 ファーラのリンクゾーンに3枚目のカードが重ねられる。ファーラの足元の魔法陣の円が三重になり、赤い輝きが増した。

「これでフィールドレベル3だ。わたしはレベル1のフォロースペル【恵みの魔道書】を発動する! マナ二つを消費してカードを2枚ドローだ!」

 ファーラはカードを2枚引くと言った。

「まだまだいくぞ! わたしはここでライフブレイクを発動する! ライフを8000ポイント払って、カードを2枚ドローっ!」

   【ファーラのライフ 23000→15000】

「ええぇっ!? なにそれ!?」

「ライフブレイクっていうのはルール効果だ。いつでもライフを8000支払って、カードを2枚引くことが出来るんだ。あとマナを4つ支払うことでカードが一枚引けるマナブレイクっていうのもある。どっちもマジカルステージ中に一度しか使えないぞ」

 ファーラは日由理に一通り説明してやった後で、にやりと笑った。

「炎属性のパワーを見せてやるよ! わたしはレベル3の炎獄のケルベロスをサモン!」

 ファーラの横に人の背丈を遥かに越える狼の頭が三つ付いた獣が現れる。その毛並みは炎のように真紅だった。

   【炎獄のケルベロス 魔力9000 レベル3】

「そろそろ終わりにしてやる」

「ま、負けないもん!」

「強がり言ったって無駄さ。行け、炎獄のケルベロス!」

 ケルベロスの三つの頭が炎を吐き出すと、日由理は左右の使い魔たちをちらと見てから言った。

「二人共ごめんね、わたしを守って!」

 白翼のメルティとホワイトラビーナが日由理の前に出て魔法陣の結界を展開する。

「ホワイトラビーナのスキル発動! 攻撃を受けるとき魔力が5000になるよ!」

 ホワイトラビーナはケルベロスの炎を跳ね返すが、メルティは炎に巻かれ悲鳴をあげ、マジックソウルに送られる。

「続け、フレイムハウンド!」

「あう、もう守る手がないよ……」

 フレイムハウンドの吐き出した火の玉が日由理に炸裂した。

   【日由理のライフ 27000→21000】

「初心者だからって手は抜かないよ。わたしは手札にあるレベル3のアタックスペル【ファイアエクスプロード】を使う! この魔法の魔力は8500! わたしの魔力と合わせて合計魔力は16000だ! 食らえ、ファイアエクスプロード!!」

 日由理の周囲で無数の爆発が起こり始める。その時、途方に暮れる日由理の後ろから、シャイナが力強く呼びかけるように言った。

「日由理、手札のカードを使いなさい!」

「使うって言っても、これ使い魔だよ!?」

「攻撃を受けるとき、1ステージに一度だけ手札から使い魔をエクストラサモンすることが出来るわ」

「エクストラサモン?」

「今は説明している暇はないわ。とにかくその使い魔を出しなさい」

「でも、この使い魔はレベル3だよ!? わたしのフィールドのレベルは2なんだよ!?」

「大丈夫よ。エクストラサモンならマナを使わずに、フィールドのレベルを無視して使い魔を呼び出せるわ、さあ早く!」

「わかったよ、来て!」

 日由理の前に白い翼が閃く。その瞬間に、日由理たちは爆炎に巻き込まれた。日由理が呼び出した使い魔はあっという間に炎の中に消えてしまったので、どんな使い魔なのかファーラにはよく見えなかった。

【日由理のライフ 21000→12500】

「7500もの魔力をガードするってことは、手札からレベル3の使い魔をエクストラサモンしたのか。まあ、これだけライフが削れれば十分だ。わたしはファイナルステップを飛ばしてステージエンドだ!」

「わたしのステージ! ドローっ!」

   【日由理の手札1枚 マナ6個 ライフ12500】

【日由理の使い魔】【ホワイトラビーナ 魔力0 レベル1】

「日由理、ここが踏ん張りどころよ」

「でも、手札が一枚しかないよ……」

「弱気になっては駄目よ。全力で立ち向かいなさい!」

「わかった! 最後まで頑張るよ!」

 日由理は引いたカードをもった手を高く真上に上げた。

「ダイレクトリンクだよ!」

 日由理のリンクゾーンに3枚目のカードが重なった。日由理が上に乗っている白い魔法陣を囲む円もファーラのものと同様に三重なり、魔法陣の輝きが増した。

「更にカードをドロー。そして、わたしもライフブレイクを発動するよ! 8000のライフを支払って、さらにカードを2枚ドローっ!」

   【日由理のライフ 12500→4500】

 日由理の初心者に似つかわしくない思い切った行動にシャイナは少し驚いた後、満足気な微笑を浮かべる。

「それでいいわ。今は出し惜しみをしている時ではない。この状況でライフブレイクを使わなければ、後は負けるだけだったわ」

「あう、でも赤いのがないよ……」

「でもそれ、良い引きよ。今は中途半端なアタックスペルを使っても意味が無いわ。とにかく守りを固めて耐えるの。これから、わたしの言う通りにカードを使いなさい」

「うん、どうすればいい?」

「まず、フォロースペルを使いなさい」

「わかった。わたしは、レベル1のフォロースペル【小天使招来】を発動するよ! えっと、これの効果は…」

「小天使招来の発動で、デッキから白翼のニルを手札に加える事が出来るわ」

「え、ほんとに!? やった、可愛いニルちゃんが来るよ!」

 日由理は嬉々としてデッキの中身を確認し、その中から【白翼のニル】を見つけて手に取り、残りのデッキはホルダーに戻すと自動的にカードがシャッフルされる。日由理は白翼のニルをファーラに見せた。

「わたしは白翼のニルをサモンするよ!」

 再び日由理のステージに小さな天使が舞い降りる。お気に入りの使い魔を召喚して、日由理はまるで勝利を得たかのように得意満面の笑みを浮かべていた。

「ふふん、どうだ、見たか!」

「魔力1000の使い魔を出しただけで、どうしてそんなに得意になれるんだ……」

「可愛いは正義だよ!」

 日由理は力強くファーラを指差して言った。それにはファーラもシャイナも苦々しい笑みを浮かべるしかなかった。

「こらこら、勝手にサモンしちゃ駄目でしょう。わたしの言う通りにって言ったじゃない」

「あう、ごめんなさい、可愛いからつい……」

「まあ、問題はないわ。ニルは召喚して正解だもの。次は、それをサモンしなさい」

「え、でも、もうわたしのサモンステージには2体の使い魔がいるよ?」

「サモンステージに使い魔が2体いる場合は、どちらか一体をマジックソウルに送ってからサモンする事が出来るわ。ホワイトラビーナをマジックソウルに送りなさい」

「そうなんだ! でも、白兎ちゃんを送るのは勿体ない気もするよ」

「レベル1のホワイトラビーナでは、次の攻撃には耐えられないわ」

「シャイナを信じるよ! わたしはホワイトラビーナをマジックソウルに送って、レベル2のピンクラビーナを召喚するよ!」

 ピンク色の獣が日由理の隣に現れる。その姿は完全にホワイトラビーナの色違いだった。

【ピンクラビーナ 魔力0 レベル2】

「この使い魔たちでは攻撃は出来ないわ」

「これ以上は何も出来ないみたいだね。アタックステップとファイナルステップをスキップしてステージエンドだよ」


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