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魔法少女と銀の法札  作者: 李音
STAGE3 オルタナの女王
12/16

STAGE3-4

  【ステージ3】

 「わたしのステージ! ドローっ!!」

   【日由里 手札2 マナ6 ライフ28500】

 【日由里の使い魔】【白翼のメルティ 魔力4000 レベル2】 

       【白翼のリイン 魔力5500 レベル2】

 日由里はカードを引いて見るなり、見たこともない絵柄に瞳を輝かせた。

「これは可愛いからダイレクトリンクしないで、ライフブレイクを発動するよ」

   【日由里のライフ28500→20500】

「2枚ドローっ!! よし、一枚をリンクするよ!」

 日由里がリンクゾーンにカードを置くと、足元の魔法陣の円が三重になった。

   【日由里 フィールドレベル3 光属性】

「レベル1のフォロースペル、【小天使招来】を発動するよ! デッキから【白翼のニル】を手札に加えて、デッキをシャッフル」

 日由里はニルを手札に加えた後に言った。

「リンクゾーンの白翼のなんとかのスキルを発動するよ」

「白翼の賢者オランですよ。日由里さんって、お気に入りのカード以外はどうでもいいみたいですね」

「う、そんなことないよ! わたしは白翼の賢者オランのスキルで、メルティの魔力を上げるよ!」

 日由里は呆れ顔で言うリアンの言葉を振り払うように否定した。

   【白翼のメルティ 魔力4000→5500】

「魔力5500の使い魔が2体、これはちょっとピンチです…」

「アタックステップだよ! まずはリインでリアンさんに攻撃!」

「その攻撃は通しません! マナ二つを消費して手札のカウンタールーン発動! 【アタックリープ】! 使い魔のアタックを無効にして、アタックステップを強制終了させます!」

 強制的にファイナルステップに入ると、日由里の使い魔たちは攻撃するのを止めてしまった。

「え~~~っ、なにそれ~~~」

「アタックリープはマスターには効きません。マスターに効果が及ぶカウンタールーンは少ないので、マスターから先に攻撃した方がいいんですよ」

「ぶぅーっ、じゃあファイナルステップで魔法使うもん」

 日由里は不満いっぱいなふくれっ面で手札を反転させた。

「わたしも【恵みの魔道書】を使うよ。カードを2枚ドローっ! これでやる事はないからステージエンドだよ!」

「わたしのステージです、ドローっ! 同時にドリアードのスキルでマナを一つ得ます」

   【リアン 手札4 マナ6 ライフ17000】

「ようやくリンク出来るカードが来ました! 今引いたカードをダイレクトリンクです!」

   【リアン フィールドレベル2 地属性】

「さらに一枚ドローっ! そして、レベル2の【森緑の導師メディア】をサモン!」

 リアンの横に緑色のローブを纏った長い栗毛お女魔道士が現れる。

   【森緑の導師メディア 魔力4500 レベル2】

「アタックステップに移行します。メディアで日由里さんにアタック! メディアはスキルにより、わたしのアタックステップ中だけ魔力がマナ1つにつき500上がります。わたしのマナは現在4つあるので、メディアの魔力は6500です!」

「リインの結界で守るよ!」

「ここは攻めます! マナを二つ使い、手札のカウンタールーン【強制帰還】を発動! このカードはアタックステップにしか使えません。相手の使い魔一体を手札に戻します。わたしはリインを選択して、日由里さんの手札に戻します!」

 リインが何か見えない力に吹き飛ばされ、日由里の手札に戻ってしまった。

「えええぇっ!? 何か戻ってきた!?」

「メディアの攻撃を続行します。マナが二つ減ったので魔力は5500に下がりますが、これだけあれば十分です!」

「なら、メルティの結界だよ!」

 メディアがもっていた杖を前にかざすと、無数の鋭い木の枝が空中にあらわれて、それらは一斉に日由里に向かった。同時に日由里の前に出てきたメルティが、主人を守るために魔方陣の結界を展開する。

   【白翼のメルティ 魔力4000 レベル2】

   【森緑の導師メディア 魔力5500 レベル2】

 メルティは、日由里を守って鋭い枝の雨を受けて消え去った。

「1500の超過ダメージは受けてもらいます!」

「くぅっ」

   【日由里のライフ20500→19000】

「さらに、魔力2000のドリアードで攻撃!」

 ドリアードの放った刃物のようにぎざぎざの葉っぱが混じった烈風に日由里は吹きさらされ、白いローブや背中の翼を激しくはためかせた。

   【日由里のライフ→17000】

「まだまだいきますよ! レベル2のアタックスペル、【アイアンロッド】を発動します。アイアンロッドから得られる魔力は5000です!」

 日由里の足元から無数の鋼鉄の刃が突き出てくる。日由里は幻と分かっていても、思わず悲鳴をあげてしまった。

「きゃっ!?」

   【リアンの魔力13500】

   【日由里のライフ17000→3500】

「わたしはこれで、ステージエンドです」

 リアンはエンド宣言をすると、残った一枚の手札を見た。

(残りは一枚だけれど、このカードがあれば十分)

二人のステージを見ているファーラが隣のシャイナに言った。

「一気に日由里のライフが減ったね。手札5枚もあるのに、何で一度も止めなかったんだ? 少なくとも、リインをエクストラサモンしておけば、リアンの魔法攻撃のダメージは軽減できたはずだが」

「あの様子だと、たぶん初めて見る魔法に驚いて止めるのを忘れていただけだと思うわ」

「……なるほどな、納得したよ。リアン姉さんの手札は一枚だし、これから日由里の反撃が始まるのかな」

「日由里は次のステージで手札は6枚、マナも最大値になるからね。でも、リアンのカウンタールーンデッキは、マナが潤沢になる終盤になるほど恐ろしいわ。高いコストのカウンタールーンが気軽に発動できるようになるからね。手札一枚で逆転なんてこともあり得る」

「リアン姉のデッキはバランスは最悪だけど、やたらと強力なカウンタールーンが入ってるんだよなぁ」

 マジカルステージが始まってからは、船はそれを見越したかのように、ごくゆっくりと宇宙空間を航行していた。ステージも終盤に差し掛かると、はるか前方に惑星の姿が見えてきていた。日由里はステージに集中していたので、その存在にはまだ気づいていなかった。


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