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魔法少女と銀の法札  作者: 李音
STAGE3 オルタナの女王
11/16

STAGE3-3

   【ステージ2】

「わたしのステージ、ドローっ!」

   【日由里 手札5 マナ4 ライフ40000】

 日由里は今引いた手札を見て即座に目の前の魔法陣の上にカードを置いた。

「ダイレクトリンクして、もう一度ドローだよ!」

   【日由里 フィールドレベル2 光属性】

「どんどん行くよ! レベル2のリインをサモン!」

 【日由里の使い魔】【白翼のニル 魔力1000 レベル1】 

          【白翼のリイン 魔力5500 レベル2】

 ファーラはリインの出現を見て、残念な展開に思わずため息がでてしまった。

「あいつ、リインのスキルを知らないのか?」

「知らないわよ。まあ、その内に分かっていくわ。でも、リンクした使い魔のスキルは教えてあげようかしら」

 日由里はさらに目の前に浮いているカードの一枚を反転させた。

「レベル1のフォロースペル、【光の翼】を発動するよ! このステージの間だけ、白翼一体の魔力を3000アップさせるよ。わたしはニルの魔力を上げるよ!」

   【白翼のニル 魔力1000→魔力4000】

 この時にシャイナが言った。

「日由里、さっきダイレクトリンクした使い魔のスキルを使いなさい」

「えっと、さっきダイレクトリンクしたのは……」

 日由里がリンクゾーンをのぞくと、一番上に背中に白い翼をもった白のローブ姿の美男子が描かれていた。日由里がこのカードをリンクゾーンに置いたのは、あまり可愛くなかったからだった。

「白翼の賢者オランがリンクゾーンにある時に、自分のステージの時だけサモンステージの白翼一体の魔力を1500上げる事ができるわ」

「へ~っ この使い魔そんな能力があるんだ。じゃあ、ニルの魔力をさらに1500上げるよ! これでニルの魔力は5500だよ!」

「あくまでもニルの魔力をあげるか。普通はリインを強化するよな」

 ファーラが言うと、日由里はすかさず返した。

「だって可愛いんだもん!」

「はいはい、そうですか」

 わが道を行く日由里に何を言っても無駄である。だれが何と言おうと可愛いニルが一番だった。

「アタックステップに入るよ! まずは魔力5500になったニルで攻撃!」

 ニルが手から光を発して、光の弾をリアンに向かって投げつける。

「わたしはこの瞬間に、マナを一つ消費して、手札のカウンタールーンを発動します! 【カウンターボム】!」

 ニルの放った光が見えない壁に阻まれた。そして跳ね返された光の弾は弧を描いてニルの真上に落ちた。その瞬間に、日由里の隣で爆発が起こってニルが消えてしまった。

「え~~~っ、なにそれ~~~」

「カウンターボムは攻撃してきた使い魔をマジックソウルに送ります」

「うう、インチキだよ……」

「そう言われても、そういうカードですから」

 日由里が恨めしそうな顔をしていると、また日由里の場のマジックソウルの魔法陣が輝きだして、今度は白い翼の乙女が先程までニルがいた場所に舞い降りた。

「今度はメルティが出てきた!?」

「あ、しまった! ニルの自動スキルを忘れていました……」

「自動スキル?」

「自動的に発動するスキルの事です。ニルはステージからマジックソウルに送られた時に、マジックソウルにいるニル以外のレベル2以下の白翼をエクストラサモンするのです。白翼デッキを使っているのに知らないのですか?」

「えっと、なんか前にも聞いた気がする」

「いい加減に白翼のスキルくらい覚えろよ!」

 外からファーラの声が飛んでくると、日由里はむっとして頬を膨らませた。

「そんなこと言ったって、難しいよ! スキルとかスペルとかいろいろありすぎるんだもん!」

「せめて、大好きなニルのスキルくらいは覚えてあげなさい。じゃないとニルが可哀そうよ」

 シャイナが言うと、日由里は素直に頷いた。

「うん、それは頑張って覚える」

「まだ日由里の攻撃は終わっていないわ。メルティはアタックステップ中にエクストラサモンされたから、攻撃することができるわよ」

「そうなんだ! よ~し、どんどんいくよ! メルティとリインの攻撃!」

   【白翼のメルティ 魔力4000 レベル2】 

   【白翼のリイン 魔力5500 レベル2】

「攻撃を受けます。ドリアードの結界は使いません」

 リアンはメルティが放った光線とリインの上空からの斬撃を立て続けに受けてライフを減らしていった。

【リアンのライフ40000→30500】

「さらにレベル1のアタックスペルを発動! わたしの攻撃だよ!」

 日由里の前にある残り3枚のカードのうちの一枚が反転してリアンに公開される。同時に日由里が返した掌の上に光が集まって玉となった。

「フラッシュバースト!」

   【日由里の魔力11000】

 日由里は光の玉をリアンに向かって投げつける。

「カウンタールーン、【ハーフストライク】を発動します!」

 リアンの周りを青白く輝く光のバリアが覆った。そこに日由里の放った魔法がぶつかり、まるで花火のように美しい輝きが炸裂した。

「ハーフストライクはマスターの魔法攻撃によるダメージを半分にします」

   【リアンのライフ 30500→25000】

「フラッシュバーストは魔力が1000しか上がらないけれど、相手にダメージを与えた時にマナを一つ増やせるよ。ファイナルステージではやる事がないから、これでステージエンドにするよ」

「わたしのステージですね。ドローっ! さらにファーストステージで最初のドローを行ったとき、森緑のドリアードのスキルでマナを一つ増やすことが出来ます」

   【リアン 手札2 マナ4 ライフ25000】

 【リアンの使い魔】【森緑のドリアード 魔力2000 レベル1】

「……リンクできるカードがありません」

「やっぱりな。デッキの半分がカウンタールーンじゃそうなるわ」

 ファーラが言うと、日由里は首をかしげた。ファーラの言う意味がよくわからなかったのだ。

「え? どういうこと?」

「リアンのデッキは、地属性カウンタールーンデッキなのよ。本当はとても強力なデッキなんだけれども、リアンの場合はカウンタールーンが極端に多すぎて、全く機能していないわ」

 シャイナが言うと、リアンは不機嫌な顔になった。

「ほっといて下さい。マジカルステージはわたしの本職ではないのですから」

「まあまあ、怒らないちょうだい。これも日由里に勉強させる為なんだから協力して」

「わかっています。ステージを続行しますね。わたしは手札のフォロースペル、【恵みの魔道書】を発動します」

 リアンの前で反転したカードを見て、日由里はふと疑問を口にした。

「そのカードをリンクすればよかったんじゃないの?」

「恵みの魔道書は無属性のスペルですよ。カウンタールーンと同じで属性がないのでリンクは出来ないんです」

「属性のないスペルなんてあるんだ」

「無属性のスペルはどれも優秀な効果をもっていて、カウンタールーンと同じでフィールドの属性に関係なく発動できるんです。でも、マジックソウルに送られた無属性のカードは、ルール効果以外は受けません。つまり、マジックソウルから手札やデッキに戻すことが出来ないんです。ソウルリターンが起こらない限り、無属性のスペルを再利用することはできません」

「今言った、ソウルリターンって何?」

「それは、デッキに引くカードがなくなった場合に、マジックソウルのカードをシャッフルしてデッキに戻すことができるのです。それをソウルリターンと言います」

「へ~っ、デッキがなくなってもまたカードが引けるんだね」

「そういうことです。というわけで、わたしは恵みの魔道書を発動しますね。このフォロースペルはレベル1ですが、発動するのに二つのマナが必要です」

   【恵みの魔道書 レベル1 無属性】

「カードを2枚ドローします」

 リアンは新たに引いた2枚のカードを見て難しい顔をした。

「まだ来ない…ならば、ライフブレイクを発動です! ライフを8000支払って、さらにカードを2枚ドローっ!」

   【ライフ25000→17000】

 さらに手札を増やしたリアンの表情が、絶望に彩られた。

「うう……こうなったら、アタックステップに移行します!」

「そんだけドローしてもリンクできるカードを引けなかったか」

「そのようね。悲劇的だわ」

「外野は黙ってて下さい!」

 リアンはファーラとシャイナに向かって言うと、半ばやけくそになって手札の一枚を反転させた。

「わたしはレベル1のアタックスペル【ストーンスパイク】を発動します! このスペルの魔力は3000、わたしの魔力は8500なので、合計11500の魔力での魔法攻撃です!」

 リアンの力のこもった声と共に、日由里の足元にいきなりごつごつした岩だらけの地面が現れ、日由里の周りに先が鋭く尖った石の錐が突き出てきた。日由里は突然の事に驚いて小さな悲鳴をあげた。

   【日由里のライフ 40000→28500】

「ドリアードで攻撃しても結界で防がれるだけなので、ファイナルステップを飛ばしてステージエンドします」


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