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魔法少女と銀の法札  作者: 李音
STAGE3 オルタナの女王
10/16

STAGE3-2

【】で表現されているのはゲームの流れをある程度示す為の情報です。遊戯王等で言うと、モンスターの攻撃力やプレイヤーのライフが表示されるのと同じものだと思って下さい。登場人物の台詞の中に現れることもあります。

「カードを引いて先行と後攻を決めるよ。わたしのカードは……一枚目でレベル4のカードを引いたよ!」

「いきなりレベル4ですか、引きが良いですね。では、わたしも引きます」

 リアンは何故か次々にカードを引いていった。それを見ていた日由里は首を傾げて不思議に思った。

「どうしたの~?」

「ご、ごめんなさい。なかなかレベルのあるカードが出なくって……あ、出ました! レベル1ですけど……」

 リアンは十枚目でようやくレベル付のカードを引き当てた。日由里は何でリアンがレベルのあるカードを当てるのに苦労したのかまでは考えなかった。

「引いたカードのレベルはわたしの勝ちだね! わたしは先行をもらうよ!」

「わかりました。では、それぞれデッキからカードを一枚選んでリンクです」

 日由里とリアンは互いにデッキから選んだ一枚のカードを手前にある小さな魔法陣の上に置いた。

   【日由里 フィールドレベル1 属性光】

   【リアン フィールドレベル1 属性地】

「5枚のカードをドローします」

「わたしも5枚ドロー。よーし、行くよ!」

 日由里は元気よく言ってデッキに手を伸ばす。いよいよ宇宙空間でのステージが始まった。

   【ステージ1】

「わたしのステージ! ドローっ!」

   【日由里 手札枚6 マナ4 ライフ40000】

「わたしは【白翼のニル】と【白翼のファルコ】をサモンするよ!」

   【白翼のニル 魔力1000 レベル1】

   【白翼のファルコ 魔力2500 レベル1】

 日由里の右側の魔法陣にお馴染みの小さな天使のニルと、左側の魔法陣には純白の鷹が現れた。

「ニルは厄介なので召喚を止めます。マナを二つ支払って、手札のカウンタールーン、【スペルブレイク】を発動しますね。レベル2以下のスペルの発動および使い魔の召喚を無効にてソウルに送ります」

「えーーーっ!?」

 せっかく召喚したニルが、悲鳴をあげながら無数の光の粒となってマジックソウルに吸い込まれてしまう。日由里はがっくりしてしまった。

「ふうぅ、ステージエンドだよ」

「わたしのステージ、ファーストステップ、ドローします!」

   【リアン 手札5 マナ2 ライフ40000】

「わたしは手札のフォロースペル【ロックプレス】を発動します」

   【ロックプレス レベル1】

 いきなり巨大な岩が上から降ってきて、白翼のファルコの上に墜落する。日由里はすぐ隣でそれが起こって驚きのあまり固まってしまった。ファルコは白い羽を散らしながら鳴き声をあげて消えていった。

「ロックプレスは、相手のサモンステージにいるレベル1の使い魔を選択してソウルに送ることができるのです」

「あうぅ、そんなぁ……」

 その時だった。日由里の大外にあるマジックソウルの魔法陣から光が溢れだし。そこから小さな天使が飛び出して日由里の隣に降り立った。

「ニルが帰ってきた!?」

 日由里は喜色を浮かべて言った。リアンの方は怪訝な顔をしている。

「白翼のファルコには、ステージから離れた時にステージ中に一度だけレベル1の白翼を強制的にソウルからエクストラサモンするスキルがあるのよ」

 シャイナが言うと、リアンがはっとなった。

「あっ、そうでしたね。失念していました。では、わたしは【森緑のドリアード】をサモンします」

 リアンの隣に葉っぱで出来た服を着た女の子が現れる。それは若草色の髪に花の髪飾りを付けた可愛らしい妖精だった。

   【森緑のドリアード 魔力2000 レベル1】

「アタックステップに移行します。そして、ドリアードで白翼のニルを攻撃!」

 ドリアードが人差し指をニルの方に向けると、そこから逆巻く葉っぱの旋風が起こり、緑の渦を巻いてニルに襲いくる。

「ニルは絶対守るよ! 手札の白翼のメルティをエクストラサモン! 結界発動! リインの魔力は4000だから完全防御だよ!」

 ニルの前に白翼の乙女が現れ魔方陣の障壁でドリアードの攻撃を退けた。その後にメルティは消え去った。

「メルティを捨ててまでニルを守りますか……」

「相変わらず思い切った戦略だなぁ」

「サモンステージにニルがいるから、悪くはないわ」

 シャイナは馬鹿にしたように言うファーラに、刺すような調子で言った。

「わたしは、さらに手札の【恵みの魔道書】を使います。……あら、カードが反転しないわ」

 怪訝な顔をするリアンに、外野の二人は驚いてしまった。

「おい、リアン姉、上見ろ上っ!」

「え、上?」

 リアンが言われたとおりに上を見ると、マナの数を表す丸いシンボルが、すべて真っ黒だった。

「マナが0だからもう魔法は使えん!」

「あら!? これは、失礼いたしました。これ以上やる事はないのでステージエンドです」

「残りのマナくらい確認しておけよ、ど素人じゃああるまいし」

「ごめんなさい、マジカルステージは久しぶりなもので……」

 初心者の日由里ですらリアンのマナの数を確認していた。先に戦ったミルディアの強さをイメージしていた日由里は、リアンのプレイングに拍子抜けした。


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