第22話 チーム+α
少し更新が遅れました。
今後もこれくらいになるでしょう。
もっと遅くなる場合もありますが、是非お付き合いいただければ嬉しいです。
ここは生徒会室。
刻季は三日連続でここに足を運んでいる。
もはや、役員並みの使用率だった。
萌葱と変わらないくらい来ているかもしれない。
そして呼び出された5人。
刻季、萌葱、仁吾、竜也、そして華音の言っていた『そこのあなた』は果歩だった。
名前を知らなかったのだろう。
竜也はあれほど気にしていたのに、ほいほいついていった。
計6人での行軍は、華音を先頭にし、萌葱・仁吾が含まれるため、どこの廊下を通ってもかなり目立ったものだったが、竜也はそんな視線ものともせずに、華音に見蕩れていた。
もちろん目立つことになれている、仁吾や萌葱、華音にとっても、視線など有って無いようなもので、特に気にした様子もなく、生徒会室に向かう廊下を歩いていた。
しかし、果歩と刻季は、目立つことに慣れてもいなければ、当然望んでもいないので、我がもの顔で闊歩している4人のことを少し羨ましく感じながら、お互い顔を合わせて苦笑するということを何度も繰り返していた。
刻季にとっては、華音は知り合い以上の存在だが、果歩にとっては、華音は生徒会長ということでしかなく、やはり連れてこられることに違和感と不安を感じているようだった。
それがわかっていたので、出来る限り不安を取り除こうと、刻季は果歩のことを注意してみていた。
その結果、目が合い苦笑い、となったのだが、まぁ仕方のないことだろう。
刻季は華音に関わった時点で、逃れることを半ば諦めているし、竜也は関わることを望んで、仁吾は興味本位、萌葱は刻季の為で、果歩はどことなく恐れを感じているから、結局1-Cの5人組は、拒否権などなく、華音についていくしかなかった。
いや、厳密には拒否権はあるが、それを行使しようがないというのが正しい。行使権はある。ただ出来ない。
生徒会室に着くと、果歩は感嘆の声をあげた。
3年間通う生徒でも、来ることは滅多にできない教室のため、1年の入学直後の生徒が来たことがないことは明らかだ。
きっと今年度の1年では、刻季と萌葱と仁吾だけしか来たことは無かっただろう。
片手で足りる人数だ。
お互い来たかったわけではないのは明白である。
「それで、なんなのですか? 生徒会長」
萌葱が当然のように疑問をもらす。
ついてきた5人の内、4人が気になっていた事のため、話を切り出した萌葱に感謝していた。
ちなみに、あと1人は竜也で、彼は単純に華音についていくことになんの疑問もなく、喜んでついていく犬のようだった。
今も見蕩れて、生徒会室にいることもわかってないようだ。
「その前に、おひとつよろしいですか?」
何かの確認を取る華音。
それに皆が揃えて頷くと、華音は刻季の前に立ち、そしてすぐに頭を下げた。
「刻季様、申し訳ございません。呼び出しをかけられる立場ではないのはわかっています。そして刻季様との約束を忘れたわけでもありません」
約束とはきっと、今朝の話だろう。
出来る限り、学園内での接触を避けるという話だ。
頭を下げたまま華音は続ける。
「しかし今まではもちろんのことですが、今回も理由があるのです。だからどうかご容赦ください」
ワケとは何か、これから話すのだろう。
しかしながら、いつもよりも態度が変わっている。
仕えると言いながら、割と強引に刻季の事を引っ張っていく彼女だったが、今回はどこか様子が違った。
そんな神妙な態度に気圧されて、刻季は了承の意を表す為に
「わかったよ」
とだけ告げて、面を上げさせた。
果歩は華音の態度に今さらながら驚くが、華音は刻季の意思がわかったように、顔をあげて微笑んだ。
その表情に竜也がもともと見蕩れていたが、見蕩れ直す。
華音は続けて、刻季以外の4人を見渡し
「皆さまもすいません。お忙しかったでしょうが、是非お話させていただきたいことがあったので……」
謝罪する。
その言葉に、4人は、いえ、と首を横に振る。
どこか恭順な態度に、竜也がメロメロで目をハートにして気持ち悪かったが、実害がないため放っておいた。
刻季以外もそう思っているような眼つきをしていたが、皆どうでもいいようだ。
「んで、結局俺らが呼ばれたのってなんなんですかね?」
仁吾が改めて訊き直す。
華音はそれに、はい、と面持ちを正した。
「実は、あなた方にお願いがあり、お呼びいたしました」
「「「「「お願い?」」」」」
「ええ、お願いです」
5人が首を傾げると、追って強調する華音。
「とは、言っても、南雲さんや碓氷くん、それに刻季様はそこまで関係ありません」
「えっ、それって……?」
萌葱が呆けたような声を出す。
「はい、今回は、陸奥くんと、そちらの……」
「阪野果歩です」
「ありがとうございます。阪野さんと陸奥くんに対してのお話という面が強いです」
「わたしと陸奥君ですか?」
「俺ですか?」
「はい」
華音が言うには、刻季達3人にではなく、果歩と竜也に対してのお願いらしい。
関わりの浅い2人に何の話なのだろうか?
刻季はそう疑問に感じたら、すぐに華音は話し始めた。
「私が刻季様に仕えていることは知っていますね?」
「……へ?」
先程の行動が無に帰す音が聞こえた。
「でも、あれってドッキリなんじゃないんですか?」
「ドッキリ……?」
なんのことかと、ポカンとしている華音。
「さっき刻季が言ってましたよ。昨日のアレはドッキリだと」
「アハハハ……」
乾いた笑いで誤魔化そうとする刻季。
しかし、華音は未だにポカンとしている。
「違うんですか?」
竜也が不審に思い華音に聞いた。
華音はそれに対して
「あの……、ドッキリってなんなのですか?」
「そっから!?」
思わず突っ込んでしまう刻季。
ドッキリの定義からわかっていなかった。
変なところでお嬢様らしさを出してくる。
お嬢様には、ドッキリは無縁の言葉だろう。
首を絞めることになるが、刻季は華音にドッキリというものについて教えた。
「そのドッキリというものが、刻季様と私になんの関係があるのでしょうか?」
「いや、会長が刻季にドッキリを仕掛けたという話を先程聞きまして……」
「私が? 刻季様に? なんのためにでしょうか?」
軽く怒りの帯びた声で、問いかけられたじたじになりながら竜也は先程有ったことを懇切丁寧に説明した。
その間、刻季は何度となく妨害を掛けたが、華音に止められ最終的に苦笑いしかでてこなかった。
「へぇ……、刻季様、そんなことを私がしたのですか?」
「ハ、ハハ……」
「違うんですか?」
竜也が華音に聞く。果歩も疑問に思っているのが顔色に表れていた。
似たような事はしているけど……と刻季は言えず、縮こまっているだけだ。
「もちろん、そんなことをするわけがありません。私は刻季様に仕える者ですから」
「な……っ!」
竜也が声にならない声をあげる。
「刻季、お前嘘吐いたな!? なんかおかしいと思ってたんだ!」
「アハハ……」
一瞬で顔が般若のような怒り顔になり、刻季の方へ詰め寄った。
「刻季様、どういうことですか?」
「アハハ……」
華音も竜也に比例して、顔に怒りが出ていた。
刻季はもう笑うことしか出来ない。
萌葱達は気の毒そうな目で刻季を見ている。
助けて欲しいなんて贅沢なこと言えないが、2人の怖さで思わず、助けを求めてしまいそうだった。
「刻季、ちゃんと話せ!」
「刻季様、ご説明を願います」
「アハハ……」
笑いでは誤魔化せないことのほうが世の中多い。
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「刻季様、申し開きがあれば仰ってください」
「ありません……」
今刻季は、華音の圧迫感にやられ正座をしている。
説明の間、仁吾は必死にフォローしてくれたが、華音は聞こうともしなかった。
萌葱はその説明を聞いて、ようやく的を射た答えを手に入れられたのか、納得でしきりに頷いていた。
果歩も似たようなところだ。
竜也はこの圧迫感すら羨ましいのか的外れにも「お前ばっかり……」と呟くのをやめなかった。
「まぁ、この話は、あとでもじっくり出来ますからね。昼休みもそれほど残って無いことですし、そろそろ本題に入ります」
あとがいつ来るかわからないが一生来てほしくない刻季だった。
「阪野さん、陸奥くん」
「「はいっ」」
「まず私たち――刻季様と私には主従の関係にあります。そこは理解しておいてください」
いきなりネタばらし。竜也が恨みのこもった目で刻季を見る。
しかしこれが本題だろうか
わざわざ伝えることでもないだろう。
散々周りの人に話してきたのだから
「そして今回は、我が君、刻季様の為のお願いです」
「僕の為……?」
「はい」
華音の言葉に刻季は驚き半分、疑い半分といった感じで聞いた。
今まで刻季に仕えると言っても、刻季の純利益になったことはない。
だから華音の言葉に驚き、そして疑っているのだ。
するととんでもない暴露をしてきた。
「阪野さん、陸奥くん。我が君は魔術が使えません」
…………………………………………
華音の言葉に全員が全員驚きを隠さないでいる。
刻季は驚きよりも唖然とした感じだ。
「ですから、団体戦の時の事を考えておいてほしいのです」
皆の表情を見ても、淡々と話を進める華音。
慌てて刻季は華音を止めた。
「ちょ、ちょっと待って華音!」
「なんでしょうか?」
「なんでそんなこと言うの?」
「いずれ話さなければならないことですから、早いうちのがよろしいでしょう」
「だからってなんで華音が?」
「我が君の事ですから、秘書である私がなさるのは当然のことではないですか」
「あんたは、どっかの姉か!」
どっかの姉こと、澪桜も刻季に似たようなことをする。
世話をするのが生きがいと思っており、当然とも思っているのだ。
さすが刻季至上主義者は互いに規格外だ。
「刻季様もいずれこの方々とチームを組むのでしょう? だったら説明しておかないと、どうしようもありません」
「そんなの先のことだし、それにまだ組むとも決めてないよ」
「じゃあ他に組むのですか? 組むまで団体戦に出られなくなり、単位が貰えず、退学してしまいますよ」
「そんな急に現実味のある話されても」
「これもあなた様のためですから、ご容赦を」
「容赦って別になにかするわけじゃないけど、もし組むとしてもこっちのタイミングで話してから決めたかったよっ」
「まあまあ」
軽く言い合いになると仁吾が入ってきた。
「ちょっと話を整理させてくれ。まず5人でチームを組むと会長は思っている。そして会長は刻季の為に阪野や竜也に刻季のことを説明したい。それでいいんですか?」
「はい、そして阪野さんや陸奥くん、もちろん南雲さんに碓氷くんにも、我が君の為に動いてほしいのです」
華音が切実に願いを話す。
たぶん、本当に今後の刻季の事を心配しているのだろう。
「刻季の為に動くってどういうことですか? それに刻季が魔術を使えないって……」
竜也が当たり前の疑問を呈す。
「そのままです。刻季様は魔術が使えないので、団体戦の間、あまり動くことが出来ないでしょう」
「そうなのか、刻季?」
神妙な面持ちで竜也に聞かれ、刻季は頷いた。
肯定の合図で果歩と竜也の目が見開いた。
「魔術が使えないって、どうやってこの学園に?」
「いや、まぁ潜在的な魔力値が高いんだ。だから推薦受けちゃって……」
「魔力値だけで……?」
果歩が驚きでか細い声を出す。
確かに魔力値が高いだけでは、あまりアドヴァンテージにならないことだろう。
しかし試験がなく、潜在的な能力値で確かめる以外に、生徒を決められない程、魔術師は多いので、優遇学園では実技試験はおろか、筆記すらない。
受験者も毎年多いので、そちらは実技、筆記があるようだが、推薦では全国の学生の能力値できめるしか方法は無いのだ。
しかし、潜在的な能力が高ければ、やはり魔術の力はそれだけ高くなる。
魔力がなければ、魔術を使うことも出来ないのだ。
魔力の絶対値が多ければ、魔術の力はそれだけ多彩に広がる。
それも当然の話だろう。
潜在的な能力というのは、もちろん魔力だけに関わる話ではないが、入学項目の中に魔力が含まれているのは確かだ。
刻季の場合、国家が『羽間』だからということで、入学させたのだが、刻季はそのことは知らない。
国家サイドの仁吾も知らないことだ。
だから刻季は魔力の絶対値の高さが推薦の理由だと思っている。
「魔術が使えないことを学園は知っているのですか?」
「いや、知らないと思う。まだ実技なんにもしてないし……」
「まぁそうですよね」
果歩が納得して頷く。
「それじゃ、学園に知らせないつもりか?」
竜也が落ち着いた声で、刻季に聞いた。
「まぁ、出来れば知られたくないかな」
「そりゃそうか。せっかくの優遇学園入学なのに、退学させられるかもしれないんだろ?」
刻季は入学したかったわけではないが、そこはもう関係ないだろう。
高等部には行きたかったので、ここを退学させられたら、中卒ということになる。
それだけは嫌だったので、今さら入学したかった・したくなかったというのは意味のない話だ。
「阪野さん、陸奥くん。我が君のことをわかってくださいましたか?」
華音が聞くと2人がこくんと頷いた。
「ですから南雲さん、碓氷くん、陸奥くんに阪野さん、刻季様の為にどうか、これからのことお願いできないでしょうか?」
その華音の言葉は真剣で、刻季の為を想っていることだけは刻季にもしっかり伝わってきた。
「あたしはもともとそのつもりでしたけど……」
萌葱が一番に照れながら、華音の願いを聞き入れた。
「俺も俺も」
仁吾は萌葱に続き、少し面白がりながら、了承した。
そして竜也は
「あの、会長……」
華音を呼ぶ。
「なんでしょうか?」
「何故、刻季に仕えるなんていうんですか? 魔術も使えないのに……」
魔術が使えないことについて、なにも含みは無いような様子だった。
単純に疑念が湧いたのだろう。
「わたしも気になります」
その言葉に追従するかのように、果歩が言った。
そして華音は刻季の事を見て、言っていいのかどうかを目で訴えてくる。
ため息をつきながらの刻季の了解を取ると、華音はありがとうございます、と伝え、竜也達の方へ向きなおした。
「まず一つ目は、なんと言っても可愛いでしょう?」
「ぶっ……!」
噴き出す刻季。
竜也達は、何を言っているんだとばかりに首を傾げる。
その気持ちは刻季も同じだ。
「なんの話だよ!」
「冗談です」
と冗談とも思っていない雰囲気のまま、否定する華音。
「それでは時間がないので急ぎます」
「誰のせいかな……」
刻季の悲痛の声は華音に届かなかった。
「まず刻季様は、単純に強いです」
「強い? あの……、魔術使えないんですよね」
「そのはずですが……、ですが強いです」
「何故なのでしょうか?」
竜也が質問に質問を重ねる。
「魔術師以上の存在だからです」
華音が大きく宣誓するように言う。
「魔術師以上の存在?」
「ええ、まず魔術を使う者にとって刻季様は天敵以外の何者でもありません」
「天敵って……」
刻季が辛そうに華音の言葉に呻く。
「刻季様は、魔術の魔力を吸収する能力を生まれながらに持っているので。ですから、魔術を使っても全て解体され吸収されます」
「魔力の吸収……ですか?」
今度の疑問は果歩からでる。
「そして、刻季様は他にも、魔力を使って、時間を止めることができます。そう文字通り、時を止める。……刻季様は能力にピッタリの名前をしていますね」
「そんな話はどうでもいいよ……」
刻季は疲れ切っている。
「時間を止める……? なんですか、その能力……」
「なんでしょうね。私も詳しくはわかりません。きっと刻季様も……」
「わからないよ」
「でしょうね」
刻季が一番知りたいことは、使えるということ以外何も知らない。
「刻季様、少し使っていただけないですか?」
「ここで!?」
「ええ、ここで出来れば」
「いや、それは……」
流石に断る。
刻季もあまり使いたくないのだ。魔力を使用するし、使った後どんな目で見られるかわかったもんじゃない。
「ダメですか……?」
上目づかいで華音が聞き直す。
あまりに魅力的な表情だ。
できればお持ち帰りにしたいくらい。
萌葱にブッ飛ばされるので、心にとどめておくが……
その上目づかいを見て竜也が反応した。
「お前、会長がこんなに可愛くお願いしているのに出来ねえのかよ!」
さすが非公式のファンクラブ会員だけはある。
即座に華音の味方につく。
「わたしも見てみたいです……」
果歩も若干俯きながら、刻季に言う。
萌葱は、どことなく不安そうで、仁吾は、肩をすくめるだけに終わった。
「刻季様、お願いいたします。出来る限り、学園内に味方が多い方がいいのです」
華音があたまを下げながら、刻季に願望を告げる。
結局は華音の為ではなく、刻季の為なのだ。
華音がこんな願いをするのは、お門違いもいいところなのだが、刻季は華音が、自分の今後を心配してくれているというのが、わかったので、華音に頭をあげさせた。
「華音、ありがとう。心配してくれて」
刻季は出来る限り誠実に、華音に気持ちが伝わるように言葉を告げる。
するとこんな答えが返ってきた。
「べ、べつに、刻季様のためじゃないんだからね」
……………………………………………………
随分無表情で言った。
棒読みでしかない。
刻季達がなんともいえない気持ちで佇んでいると、竜也が
「フォーーーーーーーーー!! 会長のツンデレキターーーーーーーーーー!!」
叫んだ。
刻季が竜也と知り合ってから一番の大声だった。
もう大騒ぎで、わっしょいしている。
言葉だけまねればいいという話ではないだろうが、竜也には効果があったようだ。
このまましばらく、竜也はお祭り騒ぎだった。
「刻季様、どうかなされましたか?」
「色々台無しだよ!」
刻季が心中をあらわにする。
感謝とで、プラスマイナス0になってしまった気分だった。
ドッキリを知らないのに、ツンデレを知っているとはつくづく奇妙な女性だ。
「刻季様は、ツンデレ好きではないのですか?」
「いや、そういうわけじゃないけど……」
声を落として萌葱を見る。
萌葱は刻季の視線を感じ、赤くなりながら否定した。
「べ、別に、あたしは、刻季なんかにデレてないんだからねっ!」
やっぱり本家は違った。
声の抑揚が違い、声量や表情も華音のツンデレ度とは天と地ほどの差があった。
刻季は萌葱がデレているとは思っていないので
「わかっているよ、それくらい。でも口調はともかく、台詞はなんとなく萌葱に似てたからさ」
15年の付き合いだったので、それくらいはわかっていた。
しかし一番大事なことをわかっていない。
「わかってないじゃないっ……」
萌葱の悲痛な声が聞こえる。
仁吾はそれに対し、
「本元は御苦労なこった」
飄々と笑いながらまたバカなことを言う。
「うるさいっ!」
「ぐふっ……」
そして殴られる。
つついても良いことのない藪をつついて、ぶん殴られている仁吾に、刻季は、成長してないなぁと思った。
果歩はまた、ビクビクし始める。
いつもの教室での雰囲気のように
華音は刻季をじっと見つめている。
竜也は……、一番どうしようもない状態だった。
生徒会室という規律正しい生徒が集まるこの場所は、まともな奴の方が少ないと感じられるくらい酷い空間となっていた。
書いてて、あんまり楽しくなかったです(笑)
竜也のキャラが他と比べて動いてくれません……
好きなんですけどね
あ
最後は書いてて楽しかったです(笑)
魔術とか関係ないラブコメでも書き始めようかな……