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始まりはいつも突然に  作者: siro
第二章
47/50

47)始まりの終わり

二日後、リザリーは両親を見送った。


リザリーは淡いピンク色のシフォンドレスに身を包み花冠を付けていた。

参列者は王族の人たちと、始めてあった祖父母だった。

進行役の人に言われるがまま、色鮮やかな花々を棺に入れ。

二人の繋いだ手にエンゲージリングの代わりとなる淡いピンクのリボンをリザリーがかけた。


「リザリー」

座り込んでいたリザリーは後ろから声をかけられ振り返った。

リカルドは左肩には王家を示す家紋が刺繍されたケープをつけた軍の式典用の制服に身を包んでいた。手をとられ立ち上がると、リカルドは騎士がするような方膝を付いて手を握り締めた。



「リザリー・ファイネス・クライスアンス。」


真剣なまなざしとフルネームで呼ばれたことでリザリーは身を硬くした。

周りの人達はざわめきながらも温かい視線をよこしていた。


「私、リカルド・ヘルツォーク・リネウス・グルスと生涯を共にしてほしい。」



「ぇ」


「どんなことがあろうと、一生君を守る。」



真摯に見つめてくる瞳にリザリーはどうしてよいのかわからず、また目を逸らすことも出来ずに見つめ返していた。

本来ならこんな所で、と思うがこないだリカルドが言っていた言葉を思い出した。


父と母の手は冷たくなり、もうリザリーの手を握り返してはくれない。だが今目の前に居る人はリザリーの手を握り締め、暖かく包んでいる。

この手を離すことなどリザリーには出来ない、この思いが勘違いでもいい。リザリーにとって今彼が一番好きで自分を安心してくれる存在なのだから。

リザリーは泪を流しながら頷いた。


「はい」



周りからは割れんばかりの拍手がなった。

リザイリーはリカルドに抱きしめられ、キスをされ顔を真っ赤にした。

ウリウス王とカイゼリンが二人の腕にピンク色のリボンを巻いた。それはリザリーが両親に巻いたエンゲージリングの代わりのリボンと同じリボン。


「現世の二人のエンゲージリングよ」


教会から出ると、二人のリボンに気づいた人達が祝福の言葉や花を飛ばしてきた。

「永久の愛に!!」

「おめでとう!」

「やるなー兄ちゃん!!」

「キャー死後の結婚式よ!!彼ポロポーズしたんだわー!いいなー!!」

「永久の夫婦に!!」

「純粋な愛に祝福を!!」

その様子は本当に結婚式のような雰囲気でリザリーは涙を流しながらも笑みを浮かべた。

悲しみに満ちた葬儀よりも、こうして死後に旅立つ両親に祝福を貰うのも悪くないと思った。







丘の上で、不思議な旋律と共に魔法の火で燃やされた両親は灰にはならず、形だけ残った。

リカルドが言うには墨になっているためにほんの少しの刺激で灰になってしまうと言った。


その言葉の通り、花びらがどこからともなく舞いながら棺に触れると砂山のように崩れて風に流されていった。


さらさらと崩れていく様はとても綺麗だった。


花びらと一緒に風に舞、空高く舞って消えていってしまった。




こちら側、天上人には墓という認識がないらしく、有名な人や王族にしか石碑がたたないそうだ。





丘の上でリザリーは泣いていた。

その横にリカルドは立ちずっと肩を抱きしめていた。




リザリーの手元には何も残っていなかった。

両親の思い出の品も、今まで生きた証の品も。



「これから二人で作っていこう。リザリー」


リザリーはリカルドの腕の中で無言で頷いた。





2011/10/10 書き換え

いろいろ考え本編はココで終了にしたいと思います。

元々ここまでしか考えてなかったので(汗


当初はまったく持って恋愛フラグは立たせずに行こうと思ったのですが、結局うまくストーリーが運ばずに立たせてしまいました。

しかも逆ハーにしてサラリと主人公を去らせる気でした。

でも、意外にリカルドが頑張ってくれちゃって(汗)

ただのファンタジーから純愛系もプラスして路線変更しました。



コレ以降は番外編扱いにします。

上手く裏と掛け合わせようとしたら意外に首を絞めてしまいました。

文章がうまく合わなくなったのでちょっと筆休めをします。

(番外編は純愛系で、裏はR18のドロドロ系で行きたいので)


お気に入りに拍手と励ましの言葉、またここまで読んでくださりありがとうございます。


siro


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