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始まりはいつも突然に  作者: siro
第二章
41/50

41)ようこそ      へ


「真実・・・ですか?」



静まり返った室内。

だれもがリザリーを見つめていた。その状況に喉がなる。



「そう、真実。それを君は知る権利がある。ただし・・・君の自由は無くなる」


「ぇ・・・・」

ウリウス王の言葉に思わず声が出てしまった。

自由が無くなる?どういうことだろうか?わからない、だがこちらの理解を待っていてくれる程の猶予は無い様子にリザリーは必死に考えた。


「知りたくないと望むのならば、君は普通の生活が約束される。どうする?」

「・・・知った場合は?」


「それは今は言えない、君が知りたいと望むのならば教えよう」


どっちにしろ、普通の生活ができると言っても監視下の元行われるように思えた、だったら知って後悔した方がいい。

リザリーは口を開いた。

「どっちにしろ、私には普通の生活に戻れるようには聞こえません。」


その反応にウリウス王はすまなそうな笑みを浮かべていった。

「賢いな」


「知らず知らずのうちに監視されるよりも、真実を知って監視されている方がましです。」


ウリウス王は意思を固めたリザリーの瞳をみて、周りの人々に目を向けた、皆一様に頷いたのを確認してからウリウス王は口を開いた。

「そうか、ならば改めて自己紹介をしよう、我がカファレル王家にようこそリザリー」


「カファレル王家?」

聞いたことの無い王家の名にリザリーは驚いた、しかも先ほどリネウス王家と名乗っていたはずだった。


「びっくりしているね、ノースクロスの称号を持つ我らは、リネウス王家であると同時に天上界のグレイアス連合王国の王族でもあるんだ。カファレルは、最高神の家名。そして、この”天上の間 グレイアス”は、天上界の人々が下界に住む場所の境界線上にある。この奥の扉から先は、グレイアス連合王国の土地、もっとも北に位置する地図には載っていない空白地域」

「そ、それって・・・」

 - ものスッゴイ国家機密っていうレベルの話じゃないですか?!!!

リザリーは冷や汗だらだらだった。しかも天上界の王族だと名乗られ、リザリーは思わずリカルドを見上げた。


「ごめん、本当なんだ」

「じゃ・・・リカルドは神様なの?」


「いや、神様じゃないよ。」

「天上界は神の国なんかじゃないわ、この世界と同じいろんな国があって、いろんな文化があって王様が沢山居るのよ。」

優しい声で語りかけてきたのはブルーフェアリーだった。

「ブルーフェアリー?」


「改めまして、グレイアス連合王国皇后、カイゼリン・フォレスト・カファレル。本当はちゃんとした名があるんだけどカイザーが禁止してしまったから言えないの。カイゼリンと呼んで頂戴」

笑いながら、ブルーフェアリいやカイゼリンがウサギを抱きしめたまま言った。


「ぇ・・・?!ブルーフェアリーじゃなくってカイゼリンって?グレイアス連合王国皇后?!」

思わず腰が浮いてしまったリザリーは唖然としながらカイゼリンを見つめた。

その様子に、イタズラが成功したような子供のようにカイゼリンは笑った。


「はぁ、母上。何パニックになるようなことを言ってるんですが、本来なら最後に自己紹介してもらうつもりだったんですよ?」

ため息をついて、カイゼリンをたしなめたのは先ほどカイゼリンを母上と呼んでいた男性だった。

リザリーの視線に気づいたのか男性が苦笑しながら自己紹介をした。


「初めまして、リザリー嬢。私は、ヴァルキス・リネウス・ツヴァイ・カファレル。皆には大叔父様と呼ばれている。」

リネウス国の名が入っていたので、リネウス国王家の人間だと言うことがわかったが、それでもカイゼリンを母親と呼んでいるのが気になってしかたがない突っ込んでいいのかわからず、思わず目線をカイゼリンに向けるがカイゼリンはニコニコしながらウサギのぬいぐるみを撫でていて気づかない。


「大切なことが抜けてますよ、大叔父様」

後ろに控えていた男性の一人がおかしそうに声をかけた。


「リザリー嬢が混乱してしまうだろ?」

後ろを振り返りながら大叔父様ヴァルキスは言った。


「いやいや、リザリー嬢がさっきから不思議そうに見てるから答えて上げた方がいいですよ。」

ウリウス王がリザリーの様子に気づいて言ってくれた。


「わかったよ。では省いた所を言うか。リネウス国元10代目国王。そして現、グレイアス連合王国、第二王子のヴァルキスだ。カイゼリンとはちゃんと血の繋がった親子だからね」


「え?!」


「あ、ちなみに俺はリネウス国15代目国王だから」

そう言って手を上げたのはウリウス王だった。


「え?!!!だって・・・・!!!ぇええ?!15代目?!ぇ?」

思わず椅子から立ち上がって、大叔父様ヴァルキスを指差してしまった。


「あははははは!!、息子に見えないって?」

「見えない!!!・・です!!」

思わず敬語を使わずに叫んでいたことに気づいて言い直したが、指は未だに指したまま。


「リザリー、気持ちはわかるから落ち着いて席に着いて。」

リザリーの肩をそっと触れながら、リカルドはリザリーを席に着かせた。


「びっくりするのも、しょうがないね。なぜ天上界の人々が神と呼ばれる由縁でもあるしね。」

笑いながらウリウス王は笑いながら言った。


「天上界の人々は、下界の人々よりもはるかに長生きで、魔力もこちらではありえないほど持っている人達なんだ。カイゼリンも少女のような姿だけど、我々からしたら凄い長生きされているんだよ」


「ぇ?!二十歳くらいじゃないんですか?!」


「ふふふ、女性に年齢を聞くなんて駄目よ。ウリウス」

笑いながらカイゼリンは言った。


「とか何とか言って、覚えていらっしゃらないんでしょ?」

意地悪そうな笑みでウリウス王はカイゼリンを見ていった。

「まぁ、言うようになったわね、昔はもっと可愛げがあったのに。ふふふ、でも当たり、覚えてないわ」

その言葉に気分を害した様子は無く、カイゼリンは笑いながら答えたが、低い男性の声が響いた。


「はぁー今年で242歳だ」


「あらら、そんなに生きてるのね」

カイゼリンは突如聞こえた声に驚きもせずに、小首をかしげながら答えたが、他のものは皆一様に驚きの声を発した。


「「「ぇ?!」」


いろんな声が重なった。あまりにも綺麗に重なりリザリーは噴出しそうになるのを堪えながら、声の発信源を見つめた。


「は・・母上・・・その・・・・ぬいぐるみは・・・」

大叔父様ヴァルキスが中腰で立ち上がったまま、ウサギのぬいぐるみを指差しながら引きつった笑みでぬいぐるみを見つめた。

「?かわいいでしょ!!このうさちゃん」

そう言って、自分の息子に見てみてーといったような様子で見せるカイゼリン。

だが、息子は余計引きつった笑みを浮かべている、もちろん他の人たちも


あいくるしい姿をしていたウサギのぬいぐるみは、突如凶暴な顔になり息子に向かって吼えた。

「うわ!!!やっぱりその魔力は父上!!!」

大叔父様ヴァルキスは驚き椅子から転げ落ちた。


「ふん。馬鹿息子め。きづくのが遅い」

そう言って、もとの愛くるしい姿に戻りカイゼリンの胸の中に戻った。



 - ん?今大叔父様ヴァルキスは父上って言ってた?!

   ということは、カイゼリンの旦那さん?!


リザリーはウサギを見ながら。


「ただの助兵衛なうさぎのぬいぐるみじゃなかったのか!!!」


と心の中で思ったことを叫んでいた。



突っ込む所が違う!!リザリー!!

と言うことで次回に持ち越しです。。

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