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始まりはいつも突然に  作者: siro
第一章
31/50

31)聖母

体のだるさにリザリーは眉間に皺を寄せる。

体を起そうにも、うまく力が入らず倒れてしまった。


「あらら?大丈夫?」


ブルーフェアリーはフワリと近づいてリザリーの頭を撫でた。すると、だるかった体が一瞬で軽くなった。


「・・・何かしたんですか?体が軽くなりました」

「ふふふ、ちょっとしたおまじない。言うのを忘れてたけど、この牢屋は魔力を吸い取るから気をつけて」

「ぇ?」

「魔力の調節がうまくできれば、吸い取られる量も少なくてすむんだけど・・」


困ったわ~と言いながらブルーフェアリーは首をかしげた。

ちょうどその時、ぐーっという音がリザリーのお腹から聞こえた。

「ふふふ、お腹が空いちゃったわね、うさちゃん」

そう言うとウサギのぬいぐるみはポケットからハンカチを取り出して、振るうと大きな布になり、布の上に料理がでてきた。

サンドイッチに暖かいスープ、ポットにカップにスコーンと並べられ、ちゃんと二人分置かれていた。

「・・・ぇ」


「うさちゃんありがとう」

「ふん。約束だからな」

「もう」

そういってウサギはブルーフェアリーの胸に顔を埋めて動かなくなった。困った人よね~っとブルーフェアリーは呟いて、ウサギを横に置いた。ウサギはコテンと倒れて動かなかった。


リザリーはウサギの声を聞いてから、見た目はかわいいが性別が♂ならば昨日から見た感じ、かなりセクハラな態度を取っているように見てとれたが、ブルーフェアリー自体気にしていない様子なので突っ込むのを控えた。


リザリーの視線に気づき、ブルーフェアリーは笑いながら言った。

「今は留守中だから動かないのよ」

そう言って、ポットの中身をカップに注いだ、芳しい紅茶の香りがした。

「さぁ、食べましょ、リザリー」

「あ、はい」


食欲に負けて、リザリーは並べられた食事に手を出した。

「・・・おいしい」

「でしょ?」

捕まっているはずなのに、緊張感がないなーと思いながらもリザリーは食事を進めた。


「私、最近ずっとここにいて、ちょっと暇なの。何かお話を聞かせてもらえないかしら?」

「おはなし・・・」

リザリーは思いつく話がなかったので、自身に起きたことをポツリポツリと話始めた、誰かに聞いて欲しくて吐き出してるようなものだった。

ブルーフェアリーは、ただ柔らかい笑顔で頷いて聞いていた。

最後を語ったときには、ブルーフェアリーはリザリーを抱きしめて、ただ優しく背中を撫でた。

それがとても暖かく、リザリーは頬を濡らした。


ブルーフェアリーは何も言わない、それでもただ包み込むような優しさに心がじんわりと温かかった。

リザリーはしがみついて、胸に顔を埋めた。


どのくらいそうしていただろうか、いきなり脇腹に衝撃が走った。

「いたっ!」

「うさちゃん!!」

みると、そこには腕を組んだウサギが立っていた。


 - 脇腹の痛みは、こいつが犯人か・・・


相変わらずリザリーを見るウサギの顔は可愛らしくなくふてぶてしい顔をしていた。

「どけ」

「心が狭いわよ、うさちゃん」

「ふん」


大丈夫?といいながブルーフェアリーはリザリーの脇腹を撫でた。その手を剥ぎ取るようにしながらウサギはリザリーとブルーフェアリーの間に割って入った。


「本当に心が狭いウサギですね。」


ウサギはリザリーを無視して、ブルーフェアリーに短く質問した。

「変わりは?」

「こっちはないわ、そっちは?」

「今日、明日中にも動くだろう」


一人話しに置いてけぼり状態のリザリーは二人が話している内容がわからなかった。

それに気づいたブルーフェアリーはリザリーに言った。

「もうすぐ、戦争が始まるの」

「ぇ?!どこで?!」

「スノップとガリウス国が手を組んで、リネウス国へ戦争を仕掛けるのよ。もちろん、すぐ終わらせるけどね」

「なんで・・・」


「それはリネウス国は、天上界へ一番近い国。だから天上界へ通じる門もそこにあるの」

「ぇ・・・天上界と繋がっているんですか?!」

「あらら?結構有名な話だと思ったんだけど。話しちゃいけなかったのかしら?」

小首をかしげて言うブルーフェアリーにウサギは溜息まじりに、現在(いまは話しちゃいけないなっと呟いた。

「・・・・んーでも、コレを話さないと先に進めないのよね。まーリザリーが口外しなければいいのよね。で、まースノップとガリウス国は天上界へ侵略したいらしいのよ。だから戦争が始まってしまうの」


「唐突ですね。」


「ふふふ、突然のようでいて、実は前々から起きていたことなのよ」


ちょっと力尽きました。。

あと少しで大詰めに入る予定です。

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