2)その後の女学校
女学校のエントランスに龍車が2台と飛竜8羽が止まっていた。
龍車には魔法軍の紋章がついていた、また龍車は貴族や、軍にしか使用ができない。
龍車から厳つい髭をはやした軍人が降りてきた。
生徒を守るように学校を背に校長と教師人が軍人を出迎えた。
「軍の方が、エリエンス女学校になんの御用でしょうか?ここは婦女子を育成する学校です、こちら側が要請した場合以外の学校関係者以外の男性の訪問は禁止されております、速やかに退出お願いいたします。」
「フン。私は、ユンギリー大佐だ。リザリー・ファイネス・クライスアンスを迎えにきた。速やかに連れて来る様に。」
リザリーに逃げるように伝えた先生が一歩前に出た。
「ミス・リザリーは本日お休みをしており、学園にはいません。」
「・・・・・・」
ユンギリー大佐は校舎内から外の様子を伺う女子生徒を一瞥した
「・・・無駄足だったようだな。
戻るぞ。」
きびすを返し、短く号令をかけると魔法軍は去っていった。
龍車内でユンギリー大佐は腕を組んで眉間にしわを寄せていた。
斜め向かいに座っていた、若い男が声をかけた。
「いいのですか?校舎内を捜索しなくて?」
「無駄だ、とっくに逃がした後だろう。」
「連絡が入れられてしまってから、まだ30分しかかかっていません。何も事情を知らない娘が素直に逃げるものでしょうか?身支度などもあるでしょうし」
「知らなくても、あの男の娘だ。とっくにこの町には居ないだろう」
「・・・。」
若い男は不服そうに黙った。
ユンギリー大佐はそれに気づき、言葉を続けた。
「わしは、あの男の娘に一度会ったことがある、あの男に似てるぞ、しかも遊びと称して生き抜くための訓練をされていた。特に“逃げろ“と言われた時の反応のよさはすごかったぞ、散らばったおもちゃや、人形の服を一瞬に生活に必要な物だけを袋に詰めて飛び出す。確か遊び名は「サバイバル鬼ごっこ」だったかな」
「・・・予想していたということでしょうか?」
「念には念をといったことだろう。
とりあえず、作戦を立て直す・・・」