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始まりはいつも突然に  作者: siro
第一章
15/50

15)その男危険

暗い執務室の中大きな鏡台の前に若い男がたっていた。

鏡にはユンギリー大佐の姿がで映し出されていた。

激をとばし、周りの兵士を追い立てながらどこかに向かっているようだった。


「まったくもって使えない」

呟いたのは若い男。

ユンギリー大佐に影のようについていた男は鏡の中に映る男にたいして吐き出した。

若い男はユンギリー大佐とは別行動をとっていた。


「殿下」

男の影のように黒装束の人間が舞い降り声をかけた。

男はじろりと声をかけたものを睨だ。

すぐに影のような男は言いなおした。

「いえ、クラウス様」

若い男、クラウスはまた視線を鏡にもどした。

「どうだ」

「リザリー嬢いませんでした。ですが、怪しい若い娘を数人確認いたしました。」

「変装でもしていたか?女は格好や化粧をすればかなり変わるしな」

「はい、めぼしを付けた娘は5人。一番怪しい娘がカスタリアで見失いました」

「ほう・・・カスタリアは港が近かったな」

「港にはすでに人員をいれ調べましたが若い娘は見つかりませんでした。」

「・・・若い男は?」

「リザリー嬢が変装したとして、若い男も捜しましたが全て裏がとれました」

クラウスは鏡台の横に置いてある机の上をみた、そこにはこの国一体の地図が机いっぱいに広げられていた。

その上に細かく書かれた地図が乱雑に置かれていた。

その中からカスタリア周辺の地図を取り出し広げた。

「・・・大佐の話を鵜呑みにすれば、もう街にはいないだろう・・・港にいないとすれば。」

クラウスは街から出ている路線を指でなぞった

その先には飛竜船空港にたどり着いた。

「飛竜船空港・・・」

「そちらは、ユンギリー大佐の管轄です。」

「ちっ、あの男か。さしずめ奥方を探すためにやったんだろう。あの男にとって娘より奥方のほうが価値があるみたいだな。昔惚れた女に未だにうつつを抜かしている」

「・・・」

「俺もでる、ここまでうまく逃げているんだ。あのクライアンスが前もって準備していたとしか思えん。協力者でも用意しているだろうしな。さんざんあいつの策でわが国は苦しめられていたんだ」

「・・・かしこまりました。」


クラウスは地図を持ち、鏡に映るユンギリー大佐を一瞥してから手を振って映像を消した。

「だから貴様は、いまだにその地位なんだよ。」


部屋を出ると、応接室のような続き部屋にでた。そこには黒い服装をした男達が待機していた。

「転送魔法を」

「「はっ」」

男達はクラウスを囲うように立ち、呪文を唱え始めた。

足元には光り輝く文様が広がっていった。

「なんとしても手に入れるぞ、リザリー嬢。俺の・・・」

にやりと笑いクラウスは男たちの前から消えた。

消えた文様の上に呪文を唱えた男たちも入っていった。


男たちが全員消えると、文様も跡形も無く消えた。


部屋には暗い闇と静寂のみ。


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