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始まりはいつも突然に  作者: siro
第一章
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1)始まり

女学校に通う私は、一応裕福な家庭だ。

中には下流階級(市民)中流階級(金持ち)上流階級(貴族)も混ざっている。そんな女学校では、いろんな価値観を知る場所でもあった。

それでも、やはり下流階級のひとは、上流階級にこびへつらうものが多かった。

そんななかで、誰にもへつらうことなく、ただ、学生仲間としてみる人たちは少なく、私はそのなかの一人。


自分の家柄については、私自身もよくわらず、ただの中流階級としか親にも言われず、身分を気にせず今しか味わえない学生生活を楽しめとしか言われていなかった。今思えばそんなことを言う時点でかなり上の階級だったのだろう。


だから、思いもしなかったのだ。


父親が亡くなることで、私が住む世界がかわろうなどと。。。




お昼休みも終わるころ、教室に生徒たちが集まってきていた。私も次の授業の準備に戻ってきたら、先生が血相を変えて走ってきた。


その先生が、私の両肩を痛いほど捕まえて、開口一番に言われたことは、「リザリー!あなたのお父様がなくなったわ!」


頭が真っ白になるとはこうゆうことなのだろう。なにを言われたのか理解ができなかった。そして次の言葉も。


「急いで支度して逃げなさい!!」



わけもわからずに、私は身支度をおこない、先生から渡されたお金と地図を受け取り学校を後にした。身支度から学校を出るまで5分たっていた。

こういうときの自分は、ひどく冷静になる。

最寄の駅に着くと、化粧室に直行した。

制服の姿は目立つので、鞄の中にいつも常備している着替え用の制服と化粧道具で格好を変えた。

なぜ、常備しているのかというと、うちの格好は校則が厳しく、制服も一般の学校と違い目立つ、白いジャケットに白いスカート白いブラウスと白尽くめなのだ、なので服装を変えないと寄り道も出来ないのだ。見つかると反省文と一週間の罰則が与えられる。

なので、一般に売られている学生服のような紺のスカートとジャケットを常に鞄の中に忍ばせていた。

これで私が通っていた女学校とはわからなくなる、そしてミツアミを解き化粧をしてしまえば一般の学生に・・・学校をサボって遊んでいる子に見える。


とりあえず、地図を広げるとある町に赤い丸が書かれていたのでそこに向かうことにした、観光地として発展しているカスタリアという町だった。

特急汽車が着たのでそれに乗り込んだ、時計を見るとあれから20分たっていた。特急でも丸が書かれている町まで、ここから3時間以上かかる、その道のりのなかで今の状況を整理することにした。


最近の父は病を患って大きな病院に入院をしていた、私は家族なのに一度も面会にいっていなかったし入院場所もしらなかった、母はほぼ泊りがけで看病をしていたが私は来なくていいと言われたのだ・・・。


我が家は暗黙の了解で拒否をされた場合、それ以上の追求は行わないようになっていた。


うちの家は変だった。だが、そのことには気づかないようにしていた。

父の仕事を私は知らない。大きなギルドに所属しているくらいとしか聞いていないのだ、詳しく聞いてもはぐらかされ、また家柄についても隠されてるような感じだったし、時期がくれば話してくれるような気もしていたので、父の言うとおりに学生生活を楽しむことにしていた。

父が亡くなったことによって、私が逃げなければならない理由は・・・?


「ん~・・・わからない!」

いかに私が無知であるかしかわからない。

先生から渡されたお金は40万ユールもあった。昼時のせいか、車両の中に私以外人がいない、それを再度確認してから、お金を靴下の中や下着の中、鞄の中の小さなポケットの中など、ばらばらに隠した。


とりあえず、カスタリアについたら普通の服を買おう、制服姿だと自警団の人に補導されてしまう。

次に泊まる場所だ。顔も見られずに、一番安くてベットもシャワーも付いてる宿屋はカップルが泊まるホテルだが、女一人では入れない可能性が高いし目立つ。

一般の宿に泊まるには身分証が必要だし、学生が一人でなんて泊まったらあっというまに自警団に連絡されてしまう。

「困ったな・・・野宿しかないか・・・」

そして実感もわかない。まるで夢でも見ているような感じだった。現実味が無い、誰から逃げているのかも分からない。

ふと、母を思い出したが見た目のかよわさと違い、したたかで策略かだったのを思い出し心配をするのをやめた。


車窓から見える景色は、だんだんと夕暮れに色づき木々が増えてきていた、あと1時間もしたら山が見える、そしたらカスタリアに着くはずだ。



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