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The Man Who Would Not Die: 死んでたまるか!  作者: Operator3118
第4章 鋼鉄
94/142

第9話 追跡

報道陣は、さらに沸いた。


---


 瀧本勝幸と、キム・スヨンが結婚する。


---


 その情報が流れた瞬間、世界は再び爆発した。


---


---


 特に、韓国。


---


---


 韓国のSNSは、とんでもないことになっていた。


---


---


 『우리 한국인이 타키모토와 결혼한다고!?』


 (我らが韓国人がタキモトと結婚するって!?)


---


 『김수연 누구야? 대단하다!!』


 (キム・スヨンって誰? すごい!!)


---


 『20발 맞고도 안 죽는 남자랑 결혼하는 여자... 존경한다』


 (20発撃たれても死なない男と結婚する女...尊敬する)


---


 『한국의 며느리가 태국 기사의 아내가 된다!』


 (韓国の娘がタイの騎士の妻になる!)


---


---


 韓国のテレビ局が、スヨンの特集を組んだ。


---


 『불사신의 기사를 잡은 여자 - 김수연의 이야기』


 (不死身の騎士を射止めた女 - キム・スヨンの物語)


---


 「キム・スヨンさんは、元韓国陸軍通信士官です」


 「セクハラ被害で退職後、タイの突撃隊に参加しました」


 「そして、20発の銃弾を受けても死なない男と、恋に落ちました」


---


---


 韓国のネット掲示板は、祭り状態だった。


---


 『스연이 누나 축하해요!!!』


 (スヨン姉さん、おめでとう!!!)


---


 『결혼식 언제야? 한국에서 할 수 있어?』


 (結婚式いつ? 韓国でできる?)


---


 『타키모토 한국어 배워야지 ㅋㅋㅋ』


 (タキモト、韓国語学ばなきゃねwww)


---


 『시어머니 한국인 아니야? 일본인이야?』


 (姑は韓国人じゃない? 日本人?)


---


 『일본인이래... 근데 타키모토는 태국 사람이잖아』


 (日本人らしい...でもタキモトはタイ人だよね)


---


 『복잡하다 ㅋㅋㅋ』


 (複雑だねwww)


---


---


---


 日本のSNSも、また騒いでいた。


---


 『瀧本さん、韓国人と結婚するの?』


 『国際結婚か...すごいな』


 『日本人→タイ国籍→韓国人と結婚。国際的すぎる』


 『もう何人なのか分からない』


 『タイ人だよ。騎士だから』


---


---


 本人たちは、完全に置いてけぼりだった。


---


---


---


---


 瀧本は、二週間で退院した。


---


 また、退院許可は出ていなかった。


---


---


 「瀧本さん、無理です」


 医師が言った。


 「無理じゃない。俺は元気だ」


 「元気じゃないです。2発撃たれたんですよ」


 「2発くらい大丈夫だ」


 「大丈夫じゃないです」


 「前は18発だった。2発なんて、かすり傷だ」


 「かすり傷じゃないです」


---


 医師は諦めた。


---


 「......せめて、週に三回は通院してください」


 「分かった」


 「前も同じこと言いましたよね」


 「言った」


 「ちゃんと来てくださいね」


 「行く」


---


---


---


 バンコク。


 突撃隊本部。


---


 瀧本が戻ってきた。


---


 「おう、帰ったぞ」


---


 そして、隣には。


---


---


 ライアン・レイノルズがいた。


---


---


 「Hi, everyone!」


---


 ライアンが手を振った。


---


---


 全員が固まった。


---


---


 「なんで、ライアン・レイノルズがいるんだ」


 ニコライが聞いた。


 「俺に会いに来たらしい」


 瀧本が答えた。


 「会いに来た?」


 「ああ。プライベートジェットで」


---


---


 ライアンが言った。


---


 「俺は、瀧本を演じる。だから、瀧本を知りたい」


 「知りたい?」


 「ああ。一緒に行動したい」


 「一緒に行動?」


 「パトロールとか、任務とか」


 「......」


---


---


 局長が入ってきた。


---


 「ライアン・レイノルズ氏の同行を許可する」


 「局長!?」


 「Netflixとの契約だ。ドキュメンタリーを撮影する」


 「ドキュメンタリー?」


 「瀧本の日常を撮影する。ドラマの参考にするらしい」


---


---


 瀧本は溜息をついた。


---


 「聞いてないんですけど」


 「今、言った」


 「今言われても」


 「やれ」


 「......はい」


---


---


---


---


 翌日。


 バンコク市内。


---


 瀧本は、バイクでパトロールしていた。


 白いBMW R1250 GS Adventure。


---


 そして、隣には。


---


---


 ライアン・レイノルズが、同じくバイクに乗っていた。


---


 レンタルのBMW。


 ヘルメットには、小型カメラが取り付けられている。


---


---


 後ろには、撮影班の車両が二台。


 カメラマン、音声、ディレクター。


---


---


 「瀧本、これが日常なのか」


 ライアンが無線で聞いた。


 「日常だ」


 「バイクでパトロール」


 「そうだ」


 「かっこいいな」


 「かっこよくない。仕事だ」


---


---


 二人は並んで走っていた。


---


 道行く人々が、振り返った。


---


 「あれ、瀧本さんじゃない?」


 「隣の外国人、誰?」


 「え、あれ、ライアン・レイノルズ!?」


 「マジ!?」


---


---


 SNSに、写真が投稿され始めた。


---


 『瀧本とライアン・レイノルズが一緒にバイク乗ってる!!』


 『なにこれwww』


 『デッドプールがタイでパトロールしてるwww』


---


---


---


 その時。


---


---


 無線が入った。


---


 『強盗事件発生。スクンビット・ソイ23。武装した男二人。人質あり』


---


---


 瀧本の目が変わった。


---


 「了解。急行する」


---


---


 サイレンを鳴らした。


 赤色灯が回転した。


---


 アクセルを開けた。


---


---


 白いバイクが、加速した。


---


---


---


 ライアンは、瀧本を見た。


---


 瀧本が、猛スピードで走っていく。


---


---


 「Wait, Takimoto!」


---


---


 ライアンも、アクセルを開けた。


---


 瀧本を追いかけ始めた。


---


---


---


 撮影班の車両は、二人を見送った。


---


 「......追うぞ」


 ディレクターが言った。


 「追うんですか!?」


 「追う。これがドキュメンタリーだ」


---


---


 撮影班の車両も、走り出した。


---


---


---


---


 突撃隊本部。


 通信室。


---


 カルロスが叫んだ。


---


 「局長! 大変です!」


 「何だ」


 「瀧本が現場に急行しています!」


 「それは普通だろう」


 「ライアン・レイノルズが追いかけています!」


 「......何?」


 「撮影班も追いかけています!」


 「......何だと?」


---


---


 局長の顔が、引きつった。


---


---


 「民間人が......犯罪現場に......」


 「はい」


 「ハリウッドスターが......武装強盗の現場に......」


 「はい」


 「撮影班まで......」


 「はい」


---


---


 局長は頭を抱えた。


---


 「止めろ! 今すぐ止めろ!」


 「どうやって!?」


 「アルファチームを出動させろ! 撮影班を止めるんだ!」


 「撮影班を止める......?」


 「ライアン・レイノルズも止めろ!」


 「ライアン・レイノルズを......?」


---


---


 ジョンソンが立ち上がった。


---


 「俺たちが行く」


 「頼む。とにかく止めてくれ」


 「了解」


---


---


 アルファチームが出動した。


---


 目的:撮影班とライアン・レイノルズの制止。


---


---


---


---


 スクンビット・ソイ23。


---


 瀧本は、現場に到着していた。


---


宝石店。


 武装した男が二人、中にいる。


 人質は、店員と客、合計五人。


---


---


 瀧本はバイクを止めた。


 M93Rを抜いた。


---


---


 後ろから、バイクの音が聞こえた。


---


 ライアンが到着した。


---


---


 「Takimoto! What's the situation?」


 「強盗だ。武装している。人質がいる」


 「人質!?」


 「お前は、ここで待ってろ」


 「でも......」


 「待ってろ。危険だ」


---


---


 さらに後ろから、車の音が聞こえた。


---


 撮影班の車両が到着した。


---


 カメラマンが飛び出してきた。


 カメラを回し始めた。


---


---


 「撮影するな!」


 瀧本が叫んだ。


 「でも、これがドキュメンタリーで......」


 「ドキュメンタリーじゃない! 実際の事件だ!」


---


---


---


 その時。


---


宝石店の中から、銃声が聞こえた。


---


---


 瀧本は、考える前に動いていた。


---


---


 店に突入した。


---


---


---


 店の中。


---


 犯人が二人。


 AKを持っている。


---


 人質が五人。


 床に伏せている。


---


一人が、犯人に撃たれていた。


 足を押さえている。


 血が出ている。


---


---


 「動くな!」


 犯人が叫んだ。


 「警察か!?」


---


---


 瀧本はM93Rを構えた。


---


 「突撃隊だ。武器を捨てろ」


---


---


 犯人たちは、瀧本を見た。


---


 白い服。


 傷だらけの顔。


---


---


 「お前......まさか......」


 「20発の男......!」


---


---


 犯人たちの顔が、青ざめた。


---


 だが、逃げ場がない。


 追い詰められた獣は、牙を剥く。


---


---


 「死ね!」


---


---


 犯人がAKを乱射した。


---


---


 瀧本は横に飛んだ。


 ガラスケースが砕け散った。


 破片が顔を切った。


---


---


 M93Rで応射。


 三点バースト。


---


 一人目の犯人の肩に命中。


 銃を落とした。


---


---


 二人目が、人質に銃を向けた。


---


 「動くな! 撃つぞ!」


---


---


 瀧本は、動きを止めた。


---


---


 人質は、若い女性だった。


 泣いていた。


 震えていた。


---


---


 「銃を捨てろ! さもないと、こいつを殺す!」


---


---


 瀧本は、ゆっくりとM93Rを下ろした。


---


 「分かった。銃を捨てる」


---


---


 床に銃を置いた。


---


---


 犯人がニヤリと笑った。


---


 「馬鹿め......」


---


---


 その瞬間。


---


---


 瀧本が動いた。


---


---


 床を蹴って、犯人に突進した。


---


 犯人が引き金を引いた。


---


 弾丸が、瀧本の脇腹を掠めた。


---


---


 だが、止まらなかった。


---


---


 瀧本の拳が、犯人の顔面に叩き込まれた。


---


 鼻が折れる音がした。


---


---


 犯人が倒れた。


 銃が飛んだ。


---


---


 瀧本は犯人を押さえつけた。


 腕を極めた。


---


 「確保」


---


---


 だが、一人目の犯人が、落とした銃に手を伸ばしていた。


---


---


 瀧本は振り向いた。


---


 間に合わない。


---


---


 犯人が銃を拾った。


 瀧本に向けた。


---


---


 銃声。


---


---


 瀧本の左肩に、衝撃が走った。


---


 「ぐっ......!」


---


---


 だが、瀧本は立ち上がった。


---


 落ちていたM93Rを拾った。


---


 撃った。


---


---


 犯人の手首に命中。


 銃が再び飛んだ。


---


---


 「確保完了」


---


---


 瀧本は、二人の犯人を拘束した。


---


---


 左肩から、血が流れていた。


 脇腹からも、血が滲んでいた。


 顔には、ガラスの切り傷。


---


---


 人質たちは、呆然としていた。


---


 「大丈夫か」


 瀧本が聞いた。


 「は、はい......」


 「救急車を呼ぶ。動くな」


---


---


---


 外では。


---


---


 撮影班が、全てをライブ配信していた。


---


---


 カメラマンが、店の窓越しに撮影していた。


 ディレクターが、スマホでFacebookライブを配信していた。


---


---


 「これ、ライブで流してるのか!?」


 ライアンが叫んだ。


 「ドキュメンタリーですから!」


 「いや、でも......!」


---


---


 視聴者数が、爆発的に増えていた。


---


 1万人。


 5万人。


 10万人。


 50万人。


---


---


 コメントが、凄まじい速度で流れていた。


---


 『瀧本、また撃たれた!!!』


 『やばいやばいやばい』


 『死ぬな!死ぬな!』


 『勝った!勝ったぞ!』


 『血まみれじゃん......』


 『これ生放送!?マジ!?』


 『リアルタイムで英雄見てる』


---


---


---


 瀧本が店から出てきた。


---


 血まみれだった。


---


 左肩を押さえている。


 脇腹からも血が滲んでいる。


 顔は傷だらけ。


---


---


 ライアンが駆け寄った。


---


 「Takimoto! Are you okay!?」


 「......大丈夫だ」


 「大丈夫じゃないだろ! 血が......!」


 「かすり傷だ」


 「かすり傷じゃない!」


---


---


 救急車のサイレンが聞こえた。


---


---


 瀧本の膝が、崩れた。


---


 「......ちょっと、休む......」


---


---


 ライアンが瀧本を支えた。


---


 「おい、しっかりしろ!」


 「大丈夫だ......死なない......」


 「死ぬな!」


 「死なない......俺は......死ぬ気がない......」


---


---


---


 救急車が到着した。


---


 救急隊員が駆け寄った。


---


 「また瀧本さんですか!?」


 「また俺だ......」


 「何回目ですか!」


 「数えてない......」


---


---


 瀧本は担架に乗せられた。


 救急車に運び込まれた。


---


---


 ライアンは、呆然と見送った。


---


 「......あいつ、本当に人間か?」


---


---


---


 撮影班は、救急車が去るまで撮影を続けていた。


---


 ライブ配信の視聴者数は、100万人を超えていた。


---


---


---


---


 その時。


---


ハンヴィーが到着した。


---


---


 ジョンソンが降りてきた。


 マルティネスが降りてきた。


 ヨナタンが降りてきた。


---


---


 「遅かったな」


 ライアンが言った。


 「瀧本は」


 「救急車で運ばれた」


 「また撃たれたのか」


 「また撃たれた」


 「......何発だ」


 「一発。あと、ガラスで顔を切って、脇腹も擦り傷」


 「......あいつは、怪我しないと気が済まないのか」


---


---


 ジョンソンは、撮影班を見た。


---


 「お前ら、撮影は......」


 「ライブ配信しました」


 「ライブ......?」


 「はい。Facebookで」


 「視聴者は」


 「100万人超えました」


---


---


 ジョンソンは、頭を抱えた。


---


 「局長が......倒れるぞ......」


---


---


---


---


 夜。


 突撃隊本部。


 局長室。


---


---


 局長の顔は、まだ引きつっていた。


---


---


 「ライアン・レイノルズが、犯罪現場に行った」


 「はい」


 「撮影班も行った」


 「はい」


 「全部撮影された」


 「......はい」


---


---


 局長は、深く溜息をついた。


---


 「Netflixに連絡しろ。この映像は使うな、と」


 「......了解」


 「国際問題になる」


 「......了解」


---


---


 瀧本が言った。


---


 「俺は悪くないですよね」


 「お前は悪くない」


 「良かった」


 「でも、お前のせいで、こうなった」


 「俺のせい?」


 「お前が20発撃たれて生き残るから、こうなった」


 「......」


 「お前が有名になりすぎたんだ」


 「......」


 「お前が英雄すぎるんだ」


 「......」


---


---


 瀧本は、メンソールに火をつけた。


---


 「俺、普通に仕事したいだけなんですけど」


 「普通じゃなくなったんだ。諦めろ」


 「諦めたくない」


 「諦めろ」


 「......」


---


---


 ライアンが入ってきた。


---


 「局長さん、すみませんでした」


 「いや、あなたは悪くない」


 「でも、現場に行ってしまいました」


 「......まあ、怪我がなくて良かった」


 「瀧本が、すごかったです」


 「すごいだろう」


 「犯人二人を相手に、一人で戦って、撃たれても止まらなくて......」


 「いつものことだ」


 「いつものこと!?」


 「ああ。あいつは、いつもああだ」


---


---


 ライアンは、頭を抱えた。


---


 「俺、演じられるかな......あんな男を......」


 「演じろ。それがお前の仕事だ」


 「......はい」


---


---


---


---


 同じ頃。


 ロサンゼルス。


 Netflix本社。


---


---


 ドラマ班の会議室。


---


 プロデューサーが、モニターを見ていた。


 Facebookライブの録画だった。


---


 瀧本が突入する。


 銃撃戦。


 殴り合い。


 撃たれる。


 それでも立ち上がる。


 犯人を制圧。


 血まみれで出てくる。


 救急車で運ばれる。


---


---


 プロデューサーは、ドキュメンタリー班のディレクターを睨んだ。


---


---


 「お前ら、何やってんだ!」


---


---


 ディレクターが縮こまった。


---


 「いや、その、ドキュメンタリーなので......」


 「ドキュメンタリー!? これがドキュメンタリーか!?」


 「はい......」


 「ドラマより、ドラマやってんじゃないか!」


 「......」


 「俺たちが、どれだけ苦労して脚本書いてると思ってんだ!」


 「......」


 「どれだけ金かけてアクションシーン撮ろうとしてると思ってんだ!」


 「......」


 「これ以上迫力のある映像、撮れるか!?」


---


---


 脚本家が頭を抱えていた。


---


 「また......また書き直しですか......」


 「書き直しだ!」


 「もう三回目ですよ......」


 「四回目でも五回目でもやれ!」


---


---


 別の脚本家が言った。


---


 「現実が、脚本を追い越しすぎです......」


 「追い越されてるから、問題なんだ!」


 「どうすればいいんですか」


 「知るか! とにかく書き直せ!」


---


---


 プロデューサーは、モニターを見た。


---


 血まみれの瀧本が、担架で運ばれていく映像。


---


 「......あの男、本当に人間か」


 「人間じゃないと思います」


 「だよな」


---


---


 脚本家が聞いた。


---


 「撮影は、どうしますか」


 「延期だ」


 「延期......」


 「脚本が完成するまで、延期だ」


 「また延期......」


 「また延期だ。瀧本のせいだ」


---


---


 会議室は、重い空気に包まれた。


---


---


 ディレクターが小声で言った。


---


 「でも、視聴者数は100万人超えましたよ」


 「だから問題なんだ! ドラマより先に、ドキュメンタリーがバズってどうする!」


 「......すみません」


---


---


---


---


 バンコク。


 病院。


---


 瀧本は、またベッドの上にいた。


---


---


 「何回目だ、これ」


 「数えるな」


 スヨンが言った。


 「数えたい」


 「数えるな。悲しくなる」


 「......」


---


---


 瀧本は天井を見た。


---


 「俺、また撃たれたのか」


 「撃たれたわよ」


 「何発」


 「一発」


 「一発か。良かった」


 「良くない」


 「18発、2発、1発。減ってきてる」


 「減ってきてるんじゃなくて、撃たれすぎなの」


 「......そうか」


---


---


 スヨンは、瀧本の手を握った。


---


 「もう、撃たれないでよ」


 「努力する」


 「努力じゃなくて、約束して」


 「約束......は、できない」


 「なんで」


 「俺は、考える前に動くから」


 「......」


 「でも、死なない。それだけは約束する」


---


---


 スヨンは溜息をついた。


---


 「......馬鹿」


 「馬鹿だな」


 「本当に馬鹿」


 「本当に馬鹿だ」


---


---


---


 窓の外では、報道陣がまた集まっていた。


---


---


 瀧本勝幸。


---


 21発を受けた騎士。


 存在自体が抑止力。


 そして、世界一有名な警察官。


---


---


 彼の日常は、もう「普通」ではなかった。

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