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The Man Who Would Not Die: 死んでたまるか  作者: Operator3118
第4章 鋼鉄
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第8話 叙任

叙任式の日。


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 王宮。


 大広間。


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 荘厳な空気が満ちていた。


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 瀧本勝幸は、正装していた。


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 白い礼服。


 金の飾緒。


 胸には、既に授与された勲章。


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 髪はきっちりと整えられていた。


 メンソールは、今日は吸っていない。


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 「緊張してる?」


 スヨンが囁いた。


 「してない」


 「嘘」


 「嘘じゃない」


 「手、震えてるわよ」


 「......少しだけだ」


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 大広間には、多くの人々が集まっていた。


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 突撃隊の面々。


 政府高官。


 外交官。


 報道陣。


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 ジョンソン、マルティネス、ヨナタンは、前列に座っていた。


 ニコライ、サラ、アレクセイも来ていた。


 局長は、最前列で満面の笑みを浮かべていた。


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 ファンファーレが鳴った。


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 国王陛下の入場。


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 全員が立ち上がった。


 頭を垂れた。


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 国王は、玉座に着いた。


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 「式を始める」


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 司会が告げた。


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 「瀧本勝幸、壇上へ」


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 瀧本は、ゆっくりと歩き出した。


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 赤い絨毯の上を歩く。


 両側から、視線が注がれる。


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 長い道のりに感じた。


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 壇上に立った。


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 国王の前に跪いた。


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 「瀧本勝幸」


 国王の声が響いた。


 「お前は、タイ王国のために戦い、民を守り、18発の銃弾を受けてなお生き延びた」


 「......」


 「その勇気と献身を讃え、ここに王室騎士団への叙任を宣言する」


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 国王が立ち上がった。


 剣を手に取った。


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 瀧本の肩に、剣が触れた。


 右肩。


 左肩。


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 「立て、騎士よ」


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 瀧本は立ち上がった。


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 その瞬間。


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 銃声が響いた。


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 一発目。


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 弾丸が、国王の横を掠めた。


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 玉座の背もたれに、穴が開いた。


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 悲鳴が上がった。


 会場が騒然となった。


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 「陛下!」


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 瀧本は、考える前に動いていた。


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 国王の前に飛び出した。


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 両手を広げた。


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 盾になった。


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 二発目。


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 瀧本の胸に、衝撃が走った。


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 「ぐっ......!」


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 だが、倒れなかった。


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立ったまま、国王を守り続けた。


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 三発目。


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 瀧本の腹に、衝撃。


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 「がっ......!」


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 それでも、倒れなかった。


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 狙撃手は、大広間の天井近く、窓の影に潜んでいた。


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 王宮警察が、即座に反応した。


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 警備隊長が叫んだ。


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 「狙撃手、発見! 射殺しろ!」


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 複数の銃声が響いた。


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 狙撃手が、窓から落下した。


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 蜂の巣になっていた。


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 瀧本は、まだ立っていた。


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 国王の前に、立ち続けていた。


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 「陛下......ご無事、ですか......」


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 国王は、瀧本を見ていた。


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 「瀧本......」


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 瀧本の胸と腹から、血が流れていた。


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 白い礼服が、赤く染まっていった。


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 「俺は......死なない、って......言いましたよね......」


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 瀧本の膝が、崩れた。


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 「死ぬ気は......ない......」


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 瀧本は、床に倒れた。


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 「瀧本!」


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 スヨンが叫んだ。


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 駆け寄った。


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 「瀧本! 瀧本!」


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 ジョンソンが駆け寄った。


 マルティネスが駆け寄った。


 ヨナタンが駆け寄った。


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 「脈は!?」


 「ある! まだある!」


 「救急車を呼べ! 今すぐ!」


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 局長が叫んだ。


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 「ヘリだ! ヘリを呼べ!」


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 国王は、瀧本を見下ろしていた。


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 その目は、悲しみに満ちていた。


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 「瀧本......」


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 侍従が国王を守ろうとした。


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 「陛下、危険です。お下がりください」


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 国王は、首を振った。


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 「この男は、余を守った」


 「......」


 「余は、この男が運ばれるのを見届ける」


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 スヨンは、瀧本の手を握っていた。


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 涙が止まらなかった。


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 「また......また撃たれて......」


 「......」


 「なんで......なんであなたはいつも......」


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 瀧本の目が、薄く開いた。


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 「スヨン......」


 「瀧本......!」


 「俺......死なない、から......」


 「喋らないで......!」


 「結婚......するんだろ......」


 「するわよ......! だから死なないで......!」


 「死なない......」


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 瀧本の目が、また閉じた。


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 担架が来た。


 瀧本が乗せられた。


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 スヨンも一緒に走った。


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 「私も行く!」


 「スヨン......!」


 「離さないで......! お願い......!」


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 ヘリの音が聞こえた。


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 王宮の中庭に、医療ヘリが着陸した。


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 瀧本が運び込まれた。


 スヨンも乗り込んだ。


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 ヘリが飛び立った。


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 大広間には、血の跡が残されていた。


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 国王は、その場に立ち尽くしていた。


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 「瀧本勝幸......」


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 局長が跪いた。


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 「陛下、瀧本は必ず生き延びます」


 「......」


 「あいつは、ゴキブリより強いのです」


 「......」


 「二度、三度と撃たれても、死にません」


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 国王は、小さく笑った。


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 「そうだな......あの男は、死なない」


 「......」


 「死ぬはずがない」


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---


 ジョンソンは、拳を握りしめていた。


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 「また......また瀧本が......」


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 マルティネスが言った。


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 「あいつは死なない」


 「......」


 「18発撃たれても死ななかった。今回も死なない」


 「......」


 「信じろ、ジョンソン」


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 ヨナタンは、無表情だった。


 だが、拳が震えていた。


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 「ああいう奴は、死なない......」


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 自分に言い聞かせるように、呟いた。


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---


 病院。


 緊急手術室。


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 瀧本は、再び手術台の上にいた。


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---


 「また、この男か......!」


 医師が叫んだ。


 「前回は18発。今回は2発だ。まだマシだ!」


 「マシって......!」


 「生かすぞ! 絶対に生かす!」


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---


 手術室の外。


 スヨンは、壁にもたれかかっていた。


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 泣いていた。


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 祈っていた。


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 「お願い......」


 「お願いだから......」


 「死なないで......」


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 数時間後。


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手術室のランプが消えた。


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---


 医師が出てきた。


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 スヨンが駆け寄った。


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 「瀧本は......!?」


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 医師は、疲れた顔で言った。


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 「生きてます」


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 スヨンの膝が崩れた。


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 「良かった......」


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 医師は続けた。


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 「弾丸は2発とも摘出しました。臓器への損傷は、奇跡的に軽度です」


 「軽度......」


 「前回の傷跡が、逆に守った可能性があります」


 「前回の......?」


 「18発の時の傷跡です。瘢痕組織が、弾丸の軌道を変えたようです」


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---


 スヨンは、意味が分からなかった。


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 だが、一つだけ分かった。


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 瀧本は、生きている。


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 その夜。


集中治療室。


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 瀧本は、目を覚ました。


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 「......ここ、どこだ」


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 スヨンが横にいた。


 手を握っていた。


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 「病院よ」


 「病院......また、か」


 「また、よ」


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 瀧本は、天井を見た。


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 「俺、生きてるな」


 「生きてるわ」


 「陛下は」


 「無事よ。あなたが守ったから」


 「......そうか」


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 瀧本は、少し笑った。


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 「俺、また撃たれたのか」


 「撃たれたわよ。2発」


 「2発か。前より少ないな」


 「少なくない」


 「18発に比べれば、少ない」


 「比べないで」


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 スヨンの目から、また涙が流れた。


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 「あなた、馬鹿よ」


 「馬鹿だな」


 「本当に馬鹿」


 「本当に馬鹿だ」


 「なんでいつも、盾になるのよ......」


 「......」


 「なんで、自分の体で守ろうとするのよ......」


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---


 瀧本は、スヨンの手を握り返した。


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 「考える前に、体が動くんだ」


 「......」


 「陛下が撃たれそうだった。だから、守った」


 「......」


 「それだけだ」


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---


 スヨンは、瀧本の胸に顔を埋めた。


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 「死なないでよ......」


 「死なない」


 「約束して......」


 「約束する」


 「結婚するんだから......」


 「するよ」


 「子供も作るんだから......」


 「作るよ」


 「......」


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---


 瀧本は、スヨンの頭を撫でた。


---


 「俺は、死なない」


 「......」


 「死ぬ気がない」


 「......」


 「生きる気満々だ」


 「......」


 「お前と、結婚する気満々だ」


---


---


 スヨンは、泣きながら笑った。


---


 「馬鹿......」

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