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The Man Who Would Not Die: 死んでたまるか  作者: Operator3118
第3章 聖域
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幕間 募集

一週間後。


 会議室。


---


 ハーパーとルノーが、壁に大きな図を貼った。


 「人員募集計画」と書かれている。


---


 「説明する」


 ハーパーが言った。


 「現状の分析と、必要な人員を整理した」


---


 全員が注目した。


---


 「まず、現状」


 ハーパーは図を指差した。


---


 「現在の人員。戦闘要員十一人。支援要員七人。合計十八人」


 「それに俺とルノーで、二十人」


 「二十人で、タイ全土をカバーしている」


 「物理的に、無理がある」


---


 「次に、必要な人員」


 ルノーが続けた。


---


 「第一。戦闘要員の増強」


 「現在、一チームしか編成できない。同時に複数の事件が起きたら、対応不可能」


 「最低でも、三チームが必要。各チーム八人として、二十四人」


 「現在十一人。追加で十三人が必要」


---


 「第二。参謀」


 ハーパーが言った。


 「参謀?」


 川島が聞いた。


 「作戦立案の専門家だ」


---


 「今まで、作戦は誰が立てていた」


 「俺だ」


 柏木が答えた。


 「柏木、お前は優秀だ。だが、お前は指揮官だ。戦場にいる」


 「......」


 「戦場にいながら、作戦を立てるのは、負担が大きすぎる」


 「確かに」


 「参謀がいれば、お前は戦闘に集中できる。作戦立案は、参謀に任せられる」


---


 「参謀に必要な能力は」


 ニコライが聞いた。


 「戦略的思考。情報分析。計画立案。そして、現場の経験」


 「現場の経験?」


 「机上の空論ではなく、実際の戦闘を知っている人間が必要だ」


 「元将校か」


 「将校でなくてもいい。だが、軍や警察で作戦立案に関わった経験がある人間」


 「......」


 「簡単には見つからない」


---


 「第三。情報管制官」


 ルノーが言った。


 「情報管制官?」


 「情報収集と分析の専門家だ」


---


 「今まで、情報はどうしていた」


 「各自で集めていた」


 「それでは、効率が悪い」


 「......」


 「情報管制官がいれば、情報を一元管理できる。敵の動き、組織構成、資金の流れ。全てを把握し、分析する」


---


 「具体的には」


 「例えば、聖域を攻撃する前。情報収集に何日かかった」


 「三日から四日」


 川島が答えた。


 「長すぎる。情報管制官がいれば、半分に短縮できる」


 「半分」


 「専門家が、効率的に情報を集め、分析する。作戦立案も速くなる」


---


 「情報管制官に必要な能力は」


 マリーが聞いた。


 「情報収集の技術。分析能力。語学力。そして、秘密を守れる人間性」


 「元情報機関か」


 「元情報機関が望ましい。CIA、MI6、モサド、DGSE......」


 「モサドの人間は、タイに来ないと言っていたぞ」


 ヨナタンが言った。


 「モサドは難しい。だが、他の機関なら可能性がある」


---


 「第四。通信要員の増強」


 ハーパーが続けた。


 「現在、川島、カルロス、プラウィット、ナターシャ、ラッタナーの五人」


 「五人でも、ギリギリだ」


 「最低でも、八人は必要。三人の追加」


---


 「第五。医療要員の増強」


 「現在、アレクセイ一人」


 「一人では、複数の負傷者に対応できない」


 「最低でも、三人は必要。二人の追加」


---


 「第六。パイロットの増強」


 「現在、イーゴリ一人」


 「ヘリを複数運用するなら、パイロットも複数必要」


 「最低でも、三人。二人の追加」


---


 「第七。整備要員の増強」


 「現在、ダニエル一人」


 「車両とヘリの整備を一人でやっている」


 「限界だ。最低でも、三人。二人の追加」


---


 ハーパーは図をまとめた。


---


 「必要な追加人員」


 「戦闘要員:十三人」


 「参謀:一人」


 「情報管制官:一人」


 「通信要員:三人」


 「医療要員:二人」


 「パイロット:二人」


 「整備要員:二人」


 「合計:二十四人」


---


 沈黙が落ちた。


---


 「二十四人」


 ニコライが言った。


 「今の人員より多いな」


 「多い」


 「倍以上だ」


 「倍以上だ」


---


 「どこから集める」


 ジョンソンが聞いた。


 「世界中からだ」


 ハーパーが答えた。


 「世界中」


 「そうだ。アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ。どこにでも行く」


---


 「条件は」


 サラが聞いた。


 「前と同じだ。外国籍、または外国での経験がある人間。タイ国籍を取得する意思。正義のために動ける人間」


 「厳しいな」


 「厳しい。だが、妥協はできない」


---


 「特に難しいのは」


 ルノーが言った。


 「参謀と情報管制官だ」


 「なぜ」


 「戦闘要員は、まだ見つかる可能性がある。元軍人、元警察官、たくさんいる」


 「だが、参謀と情報管制官は、専門性が高い」


 「そもそも、そういう人材は、国に留まることが多い。海外に出る理由がない」


 「出る理由を作る必要がある」


---


 「どうやって」


 柏木が聞いた。


 「分からない。だが、探すしかない」


 ハーパーは言った。


 「俺たちがハーパーとルノーを見つけたように」


 「傷ついた人間を探すのか」


 「傷ついた人間、居場所を失った人間、正義を求めている人間。そういう人間は、どこかにいる」


---


---


 「探索チームを編成する」


 柏木が言った。


---


 「俺たち全員で探すのか」


 ニコライが聞いた。


 「全員ではない。日常任務もある」


 「では、誰が」


 「ローテーションだ。二人一組で、各地に派遣する」


---


 「まず、伝手を洗い出す」


 ハーパーが言った。


 「各自、知り合いを全て挙げろ。使えそうな伝手があれば、報告しろ」


 「了解」


---


 「地域を分担する」


 ルノーが言った。


 「アメリカ、ヨーロッパ、アジア、中東、アフリカ。それぞれに担当を決める」


---


 「アメリカは、俺とジョンソンだな」


 柏木が言った。


 「ヨーロッパは、マリーと俺だ」


 ルノーが言った。


 「アジアは、川島とファリダー」


 「中東は、ヨナタン。だが、イスラエルは避けろ」


 「分かっている」


 「アフリカは、ニコライとマルティネス」


---


 「ロシア系の人材は」


 ニコライが聞いた。


 「お前に任せる。ウクライナ戦争後、ロシアを離れた軍人がいるかもしれない」


 「いるかもしれない。探してみる」


---


 「期間は」


 サラが聞いた。


 「半年だ」


 ハーパーが答えた。


 「半年で、必要な人員を集める」


 「半年で二十四人」


 「厳しいが、やるしかない」


---


---


 「一つ、言っておく」


 柏木が立ち上がった。


---


 「この人探しは、今までで最も困難な任務だ」


 「戦闘より難しいか」


 「難しい。戦闘は、敵がいれば倒せばいい。だが、人探しは、そもそも相手がどこにいるか分からない」


 「......」


 「だが、やるしかない。俺たちの組織を、本当の意味で完成させるために」


---


 「完成」


 ニコライが言った。


 「完成か」


 「そうだ。今の俺たちは、まだ未完成だ。戦闘はできるが、組織として不完全だ」


 「......」


 「人員が揃えば、本当の意味で、タイ全土を守れるようになる」


 「タイ全土を」


 「そうだ。それが、俺たちの目標だ」


---


---


 「では、始めよう」


 ハーパーが言った。


 「世界中から、仲間を集める」


 「俺たちと同じ志を持つ人間を」


 「正義のために戦える人間を」


---


 全員が頷いた。


---


 人探しの旅が、再び始まる。


 今度は、さらに大規模に。


 世界中を巻き込んで。


---


 突撃隊は、成長し続ける。

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