第11話 本領
深夜二時。
UH-1がプーケットに向かって飛んでいた。
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機内には、戦闘要員が乗っていた。
柏木、ニコライ、ジョンソン、マルティネス、ヨナタン、サラ、ファリダー、川島。
八人。
マリーは別のヘリで、狙撃ポイントに向かっていた。
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ハーパーとルノーは、バンコクの指揮所にいた。
通信で状況を把握している。
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「状況を確認する」
柏木がヘッドセット越しに言った。
「リゾートホテル『パラダイス・ベイ』。五階建て。犯人は推定十人。自動小銃で武装。人質は五十人以上。一階のロビーと二階のレストランに集められている」
「犯人の目的は」
「不明。身代金要求はまだ来ていない。テロの可能性もある」
「了解」
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ハーパーの声が入った。
「柏木、作戦は」
「屋上からの降下突入。マリーが外から狙撃支援。俺たちが上から下へ制圧していく」
「下から上じゃなく、上から下か」
「そうだ。人質は一階と二階に集中している。上から制圧すれば、犯人を下に追い込める」
「追い込んで、どうする」
「逃げ場をなくす。外にはマリーがいる。出口を塞いで、投降させる」
「了解。気をつけろ」
「了解」
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午前二時三十分。
ホテル上空。
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UH-1がホバリングした。
ロープが降ろされた。
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「降下開始」
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柏木が最初に降りた。
ロープを滑り降り、屋上に着地。
すぐに周囲を確認。
「クリア」
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次々と隊員が降りてきた。
ニコライ。ジョンソン。マルティネス。ヨナタン。サラ。ファリダー。川島。
八人が屋上に集結した。
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「マリー、位置は」
「東のビル。五階。全ての窓が見える」
「犯人の位置は」
「五階に二人。四階に一人。三階に二人。二階に三人。一階に二人。合計十人」
「人質は」
「一階ロビーに約三十人。二階レストランに約二十人」
「了解」
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「作戦開始」
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屋上のドアを開けた。
階段がある。
五階へ。
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柏木が先頭。
ベレッタを構えている。
静かに階段を下りる。
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五階。
廊下。
犯人が二人、見張りをしている。
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柏木は手信号を出した。
「二人。左と右」
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ニコライとヨナタンが前に出た。
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「三、二、一」
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同時に飛び出した。
ニコライが左の犯人に突進。
銃を叩き落とし、首を絞めた。
三秒で気絶。
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ヨナタンが右の犯人に接近。
銃口を逸らし、肘を顎に。
倒れた。
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「五階クリア。二人確保」
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四階。
犯人は一人。
部屋の中にいる。
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ドアの前に立った。
ヨナタンがブリーチングショットガンを構えた。
「いくぞ」
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ドアを吹き飛ばした。
閃光弾を投げた。
爆発。白い光。
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柏木が突入した。
犯人が目を押さえている。
近づいた。
銃を奪った。
後頭部に手刀。
気絶。
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「四階クリア。一人確保」
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三階。
犯人は二人。
廊下の両端に分かれている。
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「挟み撃ちだな」
ジョンソンが言った。
「サラ、ファリダー、右を頼む。俺とニコライで左」
「了解」
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同時に突入した。
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左側。
犯人がAKを構えた。
発砲。
弾がニコライの横を抜けた。
ニコライは止まらなかった。
距離を詰めた。
銃身を掴んだ。
捻り上げた。
犯人の指が折れた。
悲鳴。
ニコライの拳が、犯人の顔面に叩き込まれた。
吹き飛んだ。
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右側。
犯人が撃とうとした。
サラが先に撃った。
足を。
犯人が倒れた。
ファリダーが駆け寄り、手錠をかけた。
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「三階クリア。二人確保」
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二階。
人質がいる。
慎重に行く必要がある。
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階段を下りた。
レストランの入口が見えた。
中に、人質約二十人。
犯人が三人、銃を構えている。
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「マリー、二階の窓から犯人は見えるか」
「見える。三人とも」
「撃てるか」
「二人は撃てる。一人は人質の陰にいる」
「二人を頼む。残り一人は俺がやる」
「了解」
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「三、二、一、実行」
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窓ガラスが割れた。
二人の犯人が同時に倒れた。
マリーの狙撃。
正確無比。
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同時に、柏木が突入した。
残りの一人。
人質を盾にしようとしている。
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「動くな! 撃つぞ!」
犯人が叫んだ。
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柏木は止まらなかった。
走った。
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犯人が発砲した。
柏木は横に跳んだ。
弾が空を切った。
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距離を詰めた。
犯人が再び撃とうとした。
遅い。
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柏木の手が、犯人の銃を掴んだ。
上に逸らした。
銃声。天井に穴が開いた。
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銃を奪った。
逆手で持ち、グリップで犯人の顎を打った。
犯人が崩れ落ちた。
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「二階クリア。三人確保。人質二十人、全員無事」
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一階。
最後のフロア。
犯人は二人。人質は三十人。
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階段を下りた。
ロビーが見えた。
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犯人二人が、人質の前に立っている。
銃を構えている。
緊張している。
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「上から来たぞ!」
犯人が叫んだ。
「出てこい! 出てこないと人質を殺す!」
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柏木は階段の影から声を出した。
「投降しろ。お前たちの仲間は、全員確保した」
「嘘だ!」
「嘘じゃない。五階から二階まで、八人全員だ」
「......」
「投降すれば、命は助かる。抵抗すれば、死ぬ」
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犯人たちが顔を見合わせた。
迷っている。
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その隙に、マルティネスと川島が別の入口から回り込んでいた。
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「三、二、一」
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閃光弾が投げ込まれた。
爆発。白い光。
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犯人たちが目を押さえた。
マルティネスと川島が飛び出した。
銃を叩き落とした。
地面に押し倒した。
手錠をかけた。
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「一階クリア。二人確保。人質三十人、全員無事」
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「作戦完了」
柏木が報告した。
「犯人十人、全員確保。人質五十人、全員無事。味方の負傷者なし」
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時刻、午前三時十五分。
作戦開始から、四十五分。
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バンコク。指揮所。
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ハーパーとルノーは、通信を聞いていた。
モニターには、ヘリからの映像が映っていた。
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「......すごいな」
ハーパーが呟いた。
「すごい」
ルノーが同意した。
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「十人の武装犯を、四十五分で全員確保」
「人質五十人、全員無事」
「味方の負傷者なし」
「完璧だ」
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ハーパーは椅子に座った。
「外人部隊でも、ここまでの精度は出せない」
ルノーが言った。
「米軍の特殊部隊でも、難しいだろう」
ハーパーが答えた。
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「彼らは、本物だ」
ルノーが言った。
「ああ。戦闘に関しては、世界最高峰だ」
「だから、局長は彼らを集めたんだろう」
「そうだな」
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だが、ハーパーの顔は曇っていた。
「問題がある」
「何だ」
「人員だ」
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ルノーも頷いた。
「分かっている」
「今回、八人で突入した」
「ああ」
「タイ全土をカバーするには、足りない」
「足りない」
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ハーパーは立ち上がった。
「考えてみろ。今回、プーケットで事件が起きた」
「ああ」
「同時に、バンコクで別の事件が起きたらどうする」
「......対応できない」
「そうだ。全員がプーケットに行っている。バンコクには誰もいない」
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「今回は、たまたま一件だけだった」
ルノーが言った。
「たまたまだ。運が良かった」
「運に頼る作戦は、作戦ではない」
「その通りだ」
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ハーパーは壁の地図を見た。
タイ全土。五十一万平方キロメートル。
「根本的に、人員が少なすぎる」
「何人必要だと思う」
「最低でも、三チーム。戦闘要員だけで二十四人。それに通信、医療、パイロット、整備......」
「合計四十人以上か」
「そうだ。今の倍以上だ」
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ルノーは溜息をついた。
「どこから集める」
「分からない。だが、集めなければならない」
「また、世界中を探し回るのか」
「探し回るしかない」
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翌日。
プーケットから戻った柏木たちを、ハーパーとルノーが出迎えた。
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「お疲れ様」
ハーパーが言った。
「ああ」
「見事だった。四十五分で完全制圧」
「普通だ」
「普通じゃない。あれは、世界最高レベルの作戦だ」
「......そうか」
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ルノーが言った。
「一つ、話がある」
「何だ」
「人員の問題だ」
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柏木の顔が引き締まった。
「分かっている」
「分かっているのか」
「ああ。今回は運が良かった。プーケットだけで済んだ」
「そうだ」
「同時に別の事件が起きていたら、対応できなかった」
「その通りだ」
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ハーパーが言った。
「柏木、正直に聞く」
「何だ」
「今の人員で、タイ全土をカバーできると思うか」
「......思わない」
「何人必要だ」
「......分からない。だが、今の倍は必要だろう」
「俺たちも同じ結論だ」
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柏木は溜息をついた。
「また、人探しか」
「そうだ」
「戦闘要員を」
「戦闘要員だけじゃない。通信、医療、パイロット、整備、全てだ」
「どこから集める」
「分からない」
「分からないが、集めるしかない」
「そうだ」
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ニコライが言った。
「終わりがないな」
「終わりがない」
「麻薬王を倒して、政治家を逮捕して、組織を改革して、将校を探して、また人探し」
「そうだ」
「......まあ、暇よりはマシか」
「マシだな」
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ジョンソンが笑った。
「俺たちは、どこまでも戦い続けるのか」
「戦い続ける」
「いつまで」
「タイが平和になるまで」
「平和になるのか」
「分からない。だが、諦めない」
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柏木は全員を見渡した。
「一つ、言っておく」
「何だ」
「人員が増えても、俺たちの役割は変わらない。最前線で戦う。それだけだ」
「了解」
「新しい仲間が来たら、俺たちが鍛える。俺たちと同じレベルまで」
「了解」
「簡単じゃない。だが、やるしかない」
「了解」
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ハーパーが言った。
「人員の募集計画を立てる」
「頼む」
「条件も整理する。どんな人材が必要か、何人必要か、どこから集めるか」
「ああ」
「一週間後に、提案する」
「待っている」
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夜。
拠点の屋上。
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柏木は一人で煙草を吸っていた。
バンコクの夜景が広がっている。
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サラが来た。
「考え事?」
「少し」
「何を」
「人員のことだ」
「足りないわね」
「足りない」
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サラは柏木の隣に立った。
「私たちだけでは、限界がある」
「ある」
「でも、私たちだけでやってきた」
「やってきた」
「これからも、やっていける」
「......」
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柏木は煙草を吸った。
「俺たちは、強い」
「強いわ」
「だが、強いだけでは、全てを守れない」
「......」
「人員が必要だ。仲間が必要だ。俺たちと同じ志を持つ人間が」
「見つかるわ」
「見つかるか」
「見つかる。私たちが見つかったように」
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柏木は少し笑った。
「そうだな」
「そうよ」
「お前は、いつも前向きだな」
「前向きじゃないと、やっていけないもの」
「......そうだな」
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夜風が吹いた。
煙が流れていった。
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「さて、寝るか」
柏木が言った。
「明日も、仕事がある」
「あるわね」
「日常任務だ」
「日常任務」
「SWATだな」
「SWATね」
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二人は笑った。
屋上を後にした。
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戦いは続く。
人員は足りない。
だが、諦めない。
それが、突撃隊だ。




