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The Man Who Would Not Die: 死んでたまるか!  作者: Operator3118
第7章 再起
137/142

最終話 世界


 Netflixドキュメンタリー『TAKIMOTO II —— 王宮の死闘』が配信された。

 配信開始から二十四時間で、視聴回数は三億を超えた。

 世界が、反応した。

      ◆

 Twitter。

 「また見てしまった。三回目」

 「トゥクトゥクで王宮に突っ込むシーン、何度見ても笑う。いや笑えない。本当にやってる」

 「540度回転蹴り、スロー再生で見た。マジで一回転半してる。撃たれた足で」

 「ンゴマが心臓三回止まったのに生きてるの、普通に奇跡では」

 「ニコライの足、大丈夫なのかな……」

 「マルティネスの脇腹の傷、モザイクかかってたけど相当やばかったらしい」

 「全員入院してるのに誰も死んでないの、逆に怖い」

 「『こんなんで死んでたまるかボケェ』がトレンド入りしてる」

 「日本語分からないけど、字幕で見た。最高のセリフ」

 「TAKIMOTOのTシャツ、また売り切れてる」

      ◆

 Reddit。

 スレッドタイトル:『TAKIMOTO IIを見た。前作より凄い』

 「王宮での戦闘シーン、ドキュメンタリーとは思えない。映画みたいだった」

 「映画じゃないんだよ。全部本物」

 「カメラマン、よく生きてたな」

 「エンドロールで『撮影中に三回撃たれかけた』って出てて笑った」

 「笑えないだろ」

 「いや、笑うしかない」

 「スペツナズの男との戦い、ガチで怖かった。タキモトが何度も投げられてた」

 「あの男、本当にスペツナズだったらしい。傭兵として雇われてた」

 「サラが足首掴んで隙を作ったシーン、チームワークすぎる」

 「540度キック、着地失敗してたけどそれがリアル」

 「映画なら着地決めるもんな」

 「だから本物なんだよ」

      ◆

 中国。微博(Weibo)。

 「タキモト、また戻ってきた」

 「今回は王宮で戦ってる。規模が違う」

 「チン・ジーミン(陳志明)、詠春拳使ってた。ドニー・イェンに教わったらしい」

 「イップ・マンの再来って言われてた」

 「中国人として誇らしい」

 「彼は香港系だけどな」

 「細かいことはいい」

      ◆

 韓国。Naver。

 「キム・ジュンソとイ・スジン、韓国人だったんだ」

 「二人とも寡黙だけど、決める時は決めてた」

 「『静かに。抵抗すれば、折る』ってセリフ、かっこよすぎ」

 「韓国人キャラがちゃんと活躍してて嬉しい」

 「ハリウッド映画だと大体やられ役だからな」

 「これ映画じゃないけどな」

 「そうだった」

      ◆

 日本。5ちゃんねる。

 スレッドタイトル:『【Netflix】TAKIMOTO II 王宮の死闘【実況】』

 「始まった」

 「また見るのか」

 「見る」

 「トゥクトゥクキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

 「建物の中まで突っ込んでて草」

 「草じゃねえよ」

 「黒田って日本人女性、かっこよかった」

 「『藤原誠一という名前です。覚えておいてください』ってセリフ、泣いた」

 「藤原って前作で死んだ奴か」

 「そう。裏切り者に殺された」

 「黒田、同郷だったんだな……」

 「540度回転蹴りキタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!」

 「着地失敗してて草」

 「撃たれた足で回ってんだぞ。成功する方がおかしい」

 「『こんなんで死んでたまるかボケェ』」

 「名言」

 「Tシャツ欲しい」

 「もう売り切れてる」

 「知ってた」

      ◆

 BBC。ロンドン。

 アンカーが原稿を読み上げた。

 「Netflixのドキュメンタリー『TAKIMOTO II』が世界的な話題となっています。タイの王室犯罪対策局がテロリストと戦い、汚職政治家を逮捕するまでを追った作品です。配信開始から二十四時間で三億回以上再生されました」

 映像が切り替わった。王宮での戦闘シーン。

 「特に注目されているのは、王宮での格闘戦です。対策局の隊員たちは重傷を負いながらも、五十人以上のテロリストを制圧しました。九名が入院、一名は心肺停止から蘇生、一名は歩行困難になる可能性があると報じられています」

 アンカーが続けた。

 「この作品は、現代の法執行機関の在り方について議論を呼んでいます。一部では『英雄的』と称賛される一方、『暴力的すぎる』という批判もあります」

      ◆

 CNN。アトランタ。

 コメンテーターが議論していた。

 「これは単なるドキュメンタリーではありません。現実に起きたことです。そして、彼らは本当に命を懸けて戦った」

 「しかし、これほどの暴力が必要だったのでしょうか」

 「必要だったんです。相手は重武装のテロリストです。銃撃戦を避けるために、格闘戦を選んだ。王宮を守るために」

 「結果として、九名が重傷を負いました」

 「でも、誰も死ななかった。テロリストも含めて」

 「それは奇跡です」

 「奇跡じゃない。訓練の成果です」

      ◆

 Al Jazeera。ドーハ。

 「東南アジアの小国で起きた事件が、世界の注目を集めています。タイの王室犯罪対策局は、政治家、軍人、警察幹部を含む二十七名を逮捕しました。一名は逮捕前に自殺しています」

 「この事件は、タイの政治に大きな影響を与えると見られています。逮捕された二十七名の中には、現職の警察副長官や元陸軍将軍も含まれています」

 「Netflixのドキュメンタリーは、この逮捕劇の全貌を記録しています。世界中で視聴され、タイの汚職問題に国際的な関心が集まっています」

      ◆

 ロシア。Telegram。

 「スペツナズの男が負けた」

 「元スペツナズな。傭兵だ」

 「それでも負けた」

 「相手が悪かった。あの日本人、化け物だ」

 「撃たれても立ち上がってた」

 「540度蹴り、ヴァンダムに教わったらしい」

 「ヴァンダムがSNSで自慢してた」

 「あの爺さん、まだ現役なのか」

 「現役だ。弟子が実戦で技を使ったって喜んでた」

      ◆

 ブラジル。WhatsAppグループ。

 「見た?」

 「見た」

 「やばかった」

 「マルティネス、ヒスパニック系だよな」

 「たぶん」

 「脇腹切られても戦ってた。根性ある」

 「『こんなんで死んでたまるかボケェ』って言ってた」

 「それ日本語だろ」

 「字幕で見た」

 「感染してるらしい。チーム全員に」

 「いい言葉だ」

      ◆

 インド。Twitter。

 「TAKIMOTOがトレンド一位」

 「インドでも人気なのか」

 「当然だ。アクション映画の国だぞ」

 「映画じゃないけどな」

 「映画より凄い」

 「ボリウッドでリメイクしてほしい」

 「歌とダンスが入るぞ」

 「それはそれで見たい」

      ◆

 フランス。Le Monde。

 「Netflixのドキュメンタリー『TAKIMOTO II』は、現代のアクション映画を超えた」

 「これは映画ではない。現実だ。そして、現実は時として映画よりも過酷で、映画よりも美しい」

 「彼らは英雄か、それとも暴力の象徴か。その答えは視聴者に委ねられている」

      ◆

 ドイツ。Der Spiegel。

 「タイの対策局は、半年間にわたって世界的な格闘家から訓練を受けた。その成果が、王宮での戦いで発揮された」

 「特筆すべきは、彼らが銃を使わなかったことだ。王宮を守るために、あえて格闘戦を選んだ。その結果、建物への損害は最小限に抑えられた」

 「代償は大きかった。九名が重傷を負い、一名は歩行困難になる可能性がある。しかし、死者はいなかった」

      ◆

 オーストラリア。ABC News。

 「タイで起きた『王宮の戦い』は、世界中のメディアで取り上げられています。Netflixのドキュメンタリーは、その全貌を記録しました」

 「オーストラリアでも多くの視聴者がこの作品を見ています。SNSでは『TAKIMOTO』がトレンド入りしています」

      ◆

 メキシコ。Televisa。

 「モラレスという男が登場します。元メキシコ連邦警察。麻薬カルテルとの戦いで家族を失った男です」

 「彼はタイで、新しい戦いを見つけました。そして、勝ちました」

 「メキシコ人として、誇りに思います」

      ◆

 イスラエル。Ynet。

 「コーエンという男が登場する。イスラエル系アメリカ人。元軍事情報部」

 「彼の戦い方は効率的だ。無駄がない。我々の訓練の成果が見える」

 「しかし、彼は皮肉屋らしい。『正しいことをしてる時に限って撃たれる』と言っていた」

 「イスラエル人らしい」

      ◆

 そして、バンコク。

 王宮の前。

 レポーターがカメラに向かって立っていた。

 背景には、修復中の王宮が見える。壁にはまだ弾痕が残っている。

 「私は今、バンコクの王宮の前にいます」

 レポーターが話し始めた。

 「一週間前、ここで激しい戦闘がありました。五十人以上のテロリストが王宮を襲撃し、対策局の隊員たちがそれを迎え撃ちました」

 カメラが王宮を映した。

 「彼らは銃を使いませんでした。王宮を守るために。代わりに、拳と足で戦いました。九名が重傷を負いました。一名は心臓が三回止まりました。一名は二度と歩けないかもしれません」

 レポーターが続けた。

 「でも、誰も死にませんでした。全員が生きています」

 風が吹いた。レポーターの髪が揺れた。

 「Netflixのドキュメンタリーは、世界中で三億回以上再生されました。タイの小さな対策局が、世界の注目を集めています」

 レポーターはカメラを見た。

 「彼らは英雄でしょうか。それとも、ただの公務員でしょうか」

 少し間を置いた。

 「私には分かりません。でも、一つだけ確かなことがあります」

 レポーターは王宮を振り返った。そして、また前を向いた。

 「彼らは、守りました。この国を。この王宮を。そして、真実を」

 「命を懸けて」

 風が止んだ。

 「バンコクから、お伝えしました」

 カメラが引いていく。

 王宮が映る。金色の尖塔が、夕日を受けて輝いている。

 修復作業が続いている。足場が組まれ、職人たちが働いている。

 壁の弾痕は、まだ残っている。

 でも、王宮は立っている。

 タイは、立っている。


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