1 強制転生
強制転生でマリエールに成った私。以前のマリエールとイントネーションが違うそうだ。
1 強制転生
転生とは、神または神の如き存在が必要に応じて実施する。しかし30世紀人の手で転生が成し遂げられた。多分に偶発的な部分が多く。再現は出来ないが、人の手で転生が成し遂げられたことが重要だ。人間が神の頂きに一歩近づいたことになるのだから。
転生されたのは、14歳の少女マリエールだ。昨年国連が呼び掛けた環境問題の解決の作文コンクールで最優秀に輝き注目を浴び、各地で講演を行い、社会活動家として働き出した。注目を浴びれば反発を招く。環境問題に後向きな国々から睨まれる。マリエ―ルはそうした連中の銃弾に倒れる。
国連は強制転生に乗り出した。マリエ―ルは何とかして生き返えらせたい人物だ。マリエールは類を見ないほどの美少女で絶好の国連の顔だ。世界中の人々に愛され狙撃者の出身国の貿易額が半減したほどだ。その国が犯人とは無関係と公式発表したくらいだ。
一方転生した方は、21世紀の女医で医療ボランティアでウクライナに派遣されロシアのロケット弾で死亡した人物だ。人々を救うことに熱心で有望な外科医だった。年齢の違いはあるが彼女にも環境問題は関心があり、国連の仕事以外出来る事ないのでやる事にした。
マリエールの死亡から1週間経った。転生からも同じだ。家族もニューヨークに来ている。転生マリエールは家族と会うのも問題ないと言うがまずマスコミに会見するのを先にしたい。発音のニュアンスが微妙に違う。マスコミ向けにはマリエールを車椅子に乗せ怪我のせいで影響が出ている事にすれば何とかなりそうだが家族には不審感を持たれるかも知れない。マスコミ向けに明日の午後1時から会談の場を設け、続けてその場に家族を呼びマスコミ立ち会いの元家族との面談もする。医者にも立ち会わせ、体調が崩れれば打ち切る事にしている。
マリエールにとっては初のマスコミ、家族との対面だ。緊張がないといったら嘘になる。本当のマリエールじゃないとばれたら実験動物にされるのだろうか。マリエールは車椅子に乗せられ、会場に向かった。50人ほどマスコミ関係者がいる。私のマネージャーの様な人が挨拶する。凶弾はマリエールの左鎖骨を襲った。生命に影響を及ぼすほどではないが彼女の左腕が動く様になるか微妙なところらしい。今日まで報道を控えていたのは、彼女が動けなかったのとドクターの許可が出なかったためだ。まだ万全にはほど遠いが、マリエールの元気な姿を世界中の人に見せたいという思いで今日の会見になった。と話た。私の左腕は痛々しく包帯で吊られている。
インタビューが始まった。マスコミの代表が聞く。
「マリエールさん、体調はどうですか。」
イントネーションが以前と違うと言われているのでなるべく平坦に話した。
「痛み止めを服用してますので、痛いとかはありません。起きれる様になって4日目ですが左腕が使えなくて苦労してます。人間両腕がないと生き辛いですね。」
何とはない会話が繰り返される。マネージャーは会話を止めどうしても聞きたいことがあればどうぞと言った。一人のマスコミ関係者が
「マリエールさんと言えば、環境問題の解決ですよね。その熱意は変わる事はないですよね。」
これは本気で応える問題だ。
「これまで私は理想論を語ってきました。それは万民の共通の願いだと信じて来ました。しかし殺され掛けて知りました。環境問題を語るものを不快思う人間がいる事に。私は恐れません。例え不快に思われようと正しいことを主張し続けます。」
その後家族との面談があり、一日の予定が終わった。
マスコミ取材と家族との面談があった。上手く対応出来たろうか。