メグリアイ
奇跡なんていう言葉が大っ嫌いだ
運命という見えない形にして
生きることを軽くしているんだと
ずっとそう思ってる
触れるもの全部
冷たい感じで
薄暗かったんだ
何も感じないことが
一番幸せだと信じて
無機質になりたいと
望んできたこれまで
悲しみだとか怒りだとか
要らないものばかり
背負わされ続けた
もういいだろうって
投げやりに手を離したある日
離れていく世界から
やけに温かい柔らかな白色が飛び込んでくる
見るとその先にいたのは
病弱そうな女の子が一人
顔を必死にさせて
足を踏ん張っている
それはなぜか
ぼくの名前を知っているような
懐かしい気持ちにさせた
ねぇ君は
誰かに
与えてきた
与えられてきた
人なのかな?
ぼくの瞳にはそんな風に
映ってしかたない
もしこれが
「二人の出会い」にカウントされるような
言葉をぼくが紡げたのなら
この手を君がいる隣まで
引っ張って欲しい
――――あなたと出会うまでは 奇跡なんていう言葉が大っ嫌いだった