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貴方はどうですか? そんなことはありませんか?

作者: 一色 良薬

 信じられないかもしれないですが、私は頭の中で強く願ったことは全て叶えてしまうんです。

 空想じみたことを言うなって思うかもしれませんけど、本当なんです。

 なんでも言いますから信じてください! 今から私が言うことには嘘偽り一つありませんから。

 人間誰しも「あんなことあったらいいな」とか「こんなことあったらいいな」って願ったりしますよね? えぇふざけてませんって。それに私は夢を叶える秘密道具なんて使いません。

 私の頭の中で起きる、物語が未来へ繋がって──いわば予言のようなものになって思い通りになるんです。

 そうですねぇ。簡単なもので言いますと天気とか……ですかね? 私が明日晴れにならないかなって願うと、それはもうびっくりするほど晴れますんで。偶然にすぎない? じゃあ今から晴れるように手を重ねて祈りましょうか?

 冗談です。次は想い人と付き合いたいとか。そんなのは告白して付き合ってしまえばなんとでも言えると? いえいえ馬鹿にしてはいけません。私が頭の中で想像するのは、どうやって出会い、仲良くなって、何回デートして、デートの行き先はどこで、そしてどちらが告白して、付き合って、やることやって、結婚して──までですよ。そして想像している内は想い人と接触することはありません。え? ストーカー? 違いますって。ちゃんとその想像通りに進む時が来るまで待つんです。ちなみにこの想像で三人の想い人と付き合うことに成功しましたよ。

 えぇっとそれから……戯言に付き合っている暇はない? そんな! なんでも言うって約束したのに! いいんですか? 私の大事な証言をみすみす遮断してしまって!

 重度の精神障害で無罪を勝ち取ろうなんて思っていません。ただ私は頭の中で強く願ったことを全て叶えてしまうということを証明したいんです。

 完璧に終わるはずだった連続殺人事件も。そして今この瞬間も。

 えぇこの瞬間も。ところで刑事さん、こめかみに拳銃突き付けてどうしました?

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