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Weirdos―左頬に文字が見えるギフト―  作者: 七星
5.通り過ぎの悪夢
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5-1.ロケ開始

※この章には過激な表現が含まれる部分がございます。

苦手な方はご注意ください。

 Weirdosにロケの依頼があってから、目まぐるしく日々が過ぎていった。


 あれから何度か所謂ロケハンというものがあり、占いの館でテレビ局のスタッフが機材の搬入ルートやカメラの位置を確認したり、当日のスケジュールをママと笠井さんと打ち合わせをしたりしていた。


 調度笠井さんの高校の創立記念日で学校が休みになる平日があり、ロケはその日に決行することとなった。


 営業時間外にバタバタとWeirdosへ訪れる見知らぬ人達に詩織はビビりまくっていたが、初めて見るテレビ撮影現場の裏側に興奮している様子でもあった。まぁ、興奮しているのは俺も同じだ。


 尾方 翠だけは、当日やってくるイケメン俳優の相手を笠井さんがすると知ってからずっと不機嫌そうにしている。詩織も尾方 翠も学校があるため撮影に立ち会うことは出来ない。俺はというと、こんな機会も滅多にないのでシフトに入れてもらっている。講義をサボるのはママには秘密だ。


 そしてついに今日がロケ当日である。


 撮影の開始は十時からだが、準備があるため俺も笠井さんも一時間前の九時には占いの館の控室代わりであるWeirdosに集合していた。


 詩織はすでに登校していて、ママはソワソワと落ち着かない様子で立ったり座ったりを繰り返していた。差し入れをするのだと昨日から気合を入れて準備をしていたフルーツのゼリーと、ジュースの用意も万全だ。


 いつも通りのゴスロリに着替えている笠井さんは、さっきからしきりにメイクを気にして鏡をチェックしている。


 俺はというと、占いの館の掃除を終えて後はテレビ局の方々が到着をするのをただ待っているという状況だった。


 九時四十分


 普段とは違う緊張した空気が漂っているWeirdosの扉が開きベルがカランカランと音を立てる。


「おはようございますー! 今日はよろしくお願いしまぁーす!」


 以前ロケハンと打ち合わせに来ていたテレビ局のスタッフの一人が元気な声を上げて入って来た。


「こちらこそ宜しくお願いします」


 立ち上がって頭を下げるママにワンテンポ遅れて、笠井さんと俺もそれに習う。


 テレビ局のスタッフの後ろから、初めて見る男性二人が入ってきた。


「ディレクターの喜久田です。今日はご協力ありがとうございます」


「はじめまして。新堂 琉為のマネージャーの丸山です。よろしくお願いします」


 そう言って二人はママに名刺を渡す。ママも自分の名刺を渡している。ディレクターの喜久田さんの特技は“柔道”で、マネージャーの丸山さんの特技は“サイクリング”と書いてあるが、どちらも花は萎れている。


 噂に聞く通り芸能界は忙しい世界なのだろうとぼんやり考えていた。

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