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Weirdos―左頬に文字が見えるギフト―  作者: 七星
4.思ったことは手のひらの上
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4-7.文化祭一日目

 それから翠と二人で校内を周り、焼きそばにたこ焼き、綿あめを買って食べた。


 友達がいない海鈴は校内を歩いていても誰からも話し掛けられなかったが、翠はそんなことを気にする様子もなくはしゃいでいた。


 ひとしきり校内を回り終えて、二人で中庭のベンチで休憩する。吹奏楽部の演奏の音が体育館から漏れ、抜けていく風が心地よい。人混みに疲れたのか、体の力が抜けていくように感じた。


「海鈴さん、嫌なことでもありました?」


 それは突拍子もない質問だった。


「別に、何もないよ。どうして?」


 一瞬だけ谷崎に抱きしめられた夜を思い出したが、そんなことはすぐに掻き消した。


「誤魔化したってね、俺にはわかるんですよー」


 翠は拗ねたようにソッポを向く。そんな彼がおかしくて笑ってしまい、さらに機嫌を損ねてしまった。


「翠はさぁ、髪を伸ばしてるのはギフトがあるから?」


「そうですね。こうした方が圧倒的に楽なんで」


 前髪を掻き上げた翠の、整った横顔が見える。


「しーちゃんはギフトがあるから、ホワイトボードをいつも手放せないわけじゃん」


「そうですね」


「私も……人を避けるようになった」


「あー、それは俺もですね」


 わかる、わかる、と言いながら翠が頷く。


「ギフトが発現してから随分経ったけど、谷崎は初めて会った時から何も変わってないように見える。なんでだろ……。そんなことありえる?」


 谷崎の名前を出すと、翠はあからさまにムッとし唇を突き出した。


「アイツが見えるのはただの特技でしょ。そんなんじゃ変わんないんじゃないですか? 俺らとは違うんですよ」


 今までは翠の言った通り、谷崎は自分達とは違うという感覚が強かった。ただ、谷崎がママに言われたという「ギフトは比べるものではない」その言葉は確かに一理あったのだ。


「そもそも海鈴さんがアイツのことを気にする必要なんてないんですよ」


 そう言って前髪を掻き上げながら翠は、海鈴を見ながらニッコリ笑った。ついドキッとしてしまうような綺麗な笑顔だった。

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