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Weirdos―左頬に文字が見えるギフト―  作者: 七星
3.秘密はぶら下がっている
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3-5.光と詩織

 午前の大学の講義が終わり、帰り支度をしているところに珍しく着信があった。


「もしもし、ヒカルちゃん!?」


 着信の相手はWeirdosのオーナーであるママだった。


「こんにちは。こんな時間に珍しいですね。どうしたんですか?」


「これから時間ある!? 助けてもらえないかしら……?」


 電話口の彼の声から異常に焦っていることが伺えた。こんなに余裕のないママは初めてだ。


「講義も終わったので空いてますけど……。シフト変更ですか?」


「違うのっ、そうじゃないのよ。本っ当に申し訳ないんだけど、小学校までしーちゃんを迎えに行ってくれないかしら? 小学校からしーちゃんが倒れたって連絡があったんだけど、調度出先で高速道路が渋滞しちゃってお迎えにいくのが難しそうなの……」


「しーちゃんが倒れたんですか!? 大丈夫なんですか!?」


 思わず立ち上がって大声を出してしまい、講義室の注目を集めてしまった。


「えぇ、そんな大事じゃないみたいだけど、一応ね」


 その一言でほっとして、リュックを背負い早々に講義室を出た。帰宅時間までには間に合う予定だったのよ、とママは嘆いている。


「行きます! Weirdosの近くの小学校ですよね」


「本当にごめんなさい。小学校には代理の者が行くって伝えておくわ。それと、内輪の話で申し訳ないんだけどね……」


 それから、俺は詩織の過去の話を聞いた。


 詩織は幼稚園の時にギフトが発現したこと。ギフトで両親の秘密を暴いてしまい、それがきっかけとなり両親が離婚してしまったこと。預けられた家でも秘密を口にしてしまったことで、祖父から距離を置かれてしまったこと。


 詩織を引き取ったものの、秘密が見えてしまうことが詩織のトラウマとなり外に出られるようになるまで何ヶ月もかかったこと。今は両親の離婚に傷ついているということで保健室登校させてもらっていること。


「今回倒れたのは過呼吸だって聞いてるけど、アタシはギフトによるストレスや不安が原因だと思ってる。だから、病状については指摘しないであげて欲しいの」


 いつもホワイトボードを握りしめている詩織の自信なさげな顔が浮かんで、胸が痛んだ。

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