2-7.戦いの終わり
その後、合コンは穏やかに終わった。
時間は二十一時半を回っている。若松先輩がカラオケで二次会をしないか?と佐和田先輩に提案をしていた。
「望美さんは二次会があったら行きますか?」
と聞くと、望美さんは首を横に振った。そして俺にこっそり耳打ちする。息が耳にかかり、甘いお酒の香りに胸が高鳴る。
えっ、これってもしかして―――
「今日はルイルイがバラエティ番組に出るから、リアルタイムで観たいの」
なるほどな。そりゃリアルタイムで観ないとね!俺のトキメキを返せ!
まぁ、素直に自分の気持ちに従っているところが、かえって清々しいや。堪えきれず大笑いする俺を「笑い過ぎ!」と言って望美さんはパシンと叩いた。この人のとは友達になれそうだ。
「俺も帰るので駅まで送りますよ。それと望美さん、連絡先を交換しません?」
少し緊張しながら聞いたのに、望美さんは実にアッサリと
「いいよ!」
なんて言うもんだから、またそれで笑えた。
俺と望美さんはカラオケに行こうと盛り上がる六人と別れた。
八坂なんて“利き酒”先輩と話し込んでいて、別れを惜しむ素振りもなく俺達に良い笑顔で手を振った。八坂、二十歳になったら飲み過ぎないように、肝臓を大切にしろよ。
望美さんはもう隠す必要もないといった感じで、自分がどれだけルイルイが好きか、という話を駅に着くまで延々と聞いた。
おかげで、彼はデビューしてすぐに何本か恋愛ドラマの出演を重ね、ヒール役として駆け上がったというサクセスストーリーまでバッチリ知る羽目になった。
「それじゃ、またね!」
と渋谷駅に満足した笑顔で消えていく望美さんを見送り、俺はWeirdosへ向かうことにした。目的があるわけではないが、自然と足が向いたのだ。




