2-6.フリートークタイム
「それじゃ望美さんは新堂 琉為みたいなイケメンな人がタイプなんですか?」
そうならば、なかなかハードルが高い人だ。Weirdosで出会った少年、尾方 翠くらい美形じゃないとお眼鏡に敵わないのではないだろうか。なんて考えたが、望美さんは大きくかぶりを振った。
「まさか! ルイルイみたいな完璧な人なんて他には絶対にいないもん! 本人とお付き合いできたら死んじゃうくらい幸せだし、ちょっとはそんな妄想もするけどぉ……」
そんなことを言いながらも、望美さんの顔は恋する乙女そのものだ。彼女にとって新堂 琉為は特別な存在であるらしい。
俺もギフトが発現する前は、何回かテレビで彼を見たことがある。男の俺でも惚れ惚れするような男前。役柄によってワイルドになったり純朴な表情を見せたりして、若くしてカメレオン俳優として人気を博している。ただ笑った顔は無邪気な少年みたいで可愛らしかった。
映画の宣伝のため出ていたテレビ番組を観たことがあるが、場を和ませたりと気取ったところがなく、親近感がある。そんなところも人気の一つだろう。
黙々とポテトフライを食べている俺を見て、望美さんは慌てたように弁解を始めた。
「だから、私の好きなものを否定しないで認めてくれることが第一条件! お互いの大切なものは尊重し合っていきたいじゃない? それと一緒にいて楽しい相手がいいよね。長く付き合っていくとトキメキを保つのは難しいけど、波長が合う相手ならずっと一緒にいれると思うんだ」
望美さんの言い方は少し白々しくも感じられたが、確かにその考えも一理あると思えた。もしかして李 蘭玲さんがあの凧揚げアニキと一緒に居て楽しいと思ったら、恋が発展する可能性もあるのではないだろうか。
「一緒にいて楽しい、かぁ……。女子大生はどんなとこに行って遊んだりするんですか?」
「えぇ〜! そうだなぁ。スイーツを食べたり、ショッピングしたり?」
凧揚げアニキがスイーツにショッピングを楽しんでいるところなんて想像できない。45歳の男性と女子大生だもんなぁ。
「ちなみに望美さんは年の差って気にしますか? 大人の男の魅力ってどんな時に感じるのかな……」
「えっ……」
俺と望美さんの間に変な空気が流れる。
違うぞ、これじゃ俺が望美さんを狙っていて、年の差を気にしているみたいに聞こえてしまう。合コンとはいえ下心丸出しみたいな発言をしてしまった。
「あっ、いや、俺の知り合いが!! 結構年下の女の子に片思いしてて!」
「やっやだ、知り合いの話ねっ! 私は年上の人と付き合ったことはないけど……。年上なら包容力がありそうで素敵……ドライブとか連れて行ってくれたりして……。ふふ……」
望美さんはそう言いながら、だんだんニヤけ顔になってきた。恐らく新堂 琉為との甘い恋物語の妄想を膨らませているのだろう。
俺は彼女の妄想をしている様子を肴に唐揚げを頬張った。もう少しレモンを絞れば良かった。




