鬼から冒険者へ!?
1章~引きこもりが外に出る!!~
「暇…」
俺は佐野翔太、どこにでもいる極々平凡な引きこもり高校生
…だったのだが、
こっから全て話すと1シリーズ分の小説が完成しそうだから、簡潔に説明しよう。
まず、引きこもりの俺が久しぶりに外に出たいと感じて近くのスーパーまで散歩に行った。
その帰り道に神様の手違いで大型トラックにはねられ、神の責任という事で、異世界に転生させてもらった。
ここまでは異世界転生小説の王道だったから、俺は転生先でチートスキルに恵まれると思っていた。
だがしかし!異世界に到着して、ステータスを見てみたら、レベルは1からだし、スキルは何も持ってないし、挙句の果てに種族は鬼、俺は神に失望しながら持ち前のレベル上げ精神で、何とかレベルを上げて、何か知らないうちに魔王になって、魔王するのに飽きたら、息子に魔王譲って、誰にも見つからない場所に山を作って、鬼らしく山に籠って、前世と同じような生活に戻った。
…とまあこんな感じだ。
「あー暇だー!」
今まで自分の分身とジャンケンや戦闘訓練、しりとりゲームなど…色々な事をしてきたが、ことごとく飽きてきた。
そして今、本当にやることがなくなった。
500億年くらい籠った頃から全てに飽きた。
「もう限界かな…」
そして俺は、山を下る決意をしたのだ。
『称号~籠り鬼~を獲得しました。』
…へ?
何?ソレ、何なのその超不名誉な称号…
「[ステータス]」
“籠り鬼”
【666億年以上ぶっ続けで山に籠っていた鬼に与えられる最強の鬼の称号】
ちょっと待って最強…?666億年…?
確かに500億年目くらいから数えるのが面倒になってきて数えてなかったけど…
俺そんなに籠ってたの!?
待てよ…?
【体力66666666666】、【筋力66666666666】、【魔力66666666666】、【MP66666666666】、【防御力66666666666】
待って…俺ってもしかしてもう既にチート?
「スキルは…」
【剣技Lv999】【格闘技Lv999】【魔術Lv999】【隠蔽】【変化】【鑑定】【覚醒】【対話】【分身】etc…
「え…!」
多くね!?
「と…取りあえず、」
「[隠蔽]」
「[変化]」
これで、人里に降りても大丈夫だろう…
2章~引きこもり冒険者になる~
≪カルデリア王国<マカダの町>≫
「ここが人里かー」
俺は柄にもなく人里にワクワクしていた。なぜなら…
この世界の街に来たのはこれが初めてだからである。
「うわー、いろんな店があるなー」
俺は色んな店を見て回ったが、もう既に行くところは決めていた。
〈冒険者ギルドマカダ支部〉
ここだ。
(ついに来たぞ、冒険者ギルド…)
地球の小説だったらこれくらいのところで…
「おい兄ちゃん」
やっぱり来たー!
俺は内心この展開を期待していた。
(チンピラみたいなごつい冒険者に絡まれる…テンプレだー!)
「なんでしょ…う…?」
「ここはお前みたいなひ弱な兄ちゃんがが来るようなとこじゃないぜ。もしかして…依頼か?」
めっちゃさわやか系イケメンなんだけどー!?
(これはまさか、依頼受けて、現場に一緒に行って、依頼完了したら報酬横取りされるやつか!?)
「いえ、冒険者登録をしに来ました」
さあ…どう来る!?
「そうか、それは申し訳ないことを言ったな、すまない。同じ冒険者同士頑張ろうぜ!それじゃ!」
「え…」
めっちゃいい人だったんだけどー!?
(どうした!地球のテンプレ!?ギルド内めっちゃ治安いいんだけど!?)
まあ治安はいいに越したことはないんだけどね…
「こんにちはどちらの依頼をお受けになりますか?」
「冒険者登録をしたいんですけど…」
「冒険者登録は隣のカウンターで行っています」
「あ…すみません」
なんやかんやで俺は冒険者登録を終えた。