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アイの新世界(物語)  作者: 夢のファイヤー
80/89

67.巨大蟹の上陸

たくさんの兎人族の人達が見上げる中、

宇宙船で広場に降りていく。

とりあえず見える範囲に怪我人はいない。


着陸すると武装した、たくさんの人達が集まってきた。

みんなの雰囲気から警戒と不安が見て取れる。

しかし、どこか期待しているようにも見える。


雲子:「みんな特に問題は無さそうだね。」

総司:「知っている人はいますか?」

雲子:「武装したやつらは大体みんな知ってるよ。」


面識がある人達なら、

備玄さん達から先に降りてもらった方が良いかな。

備玄さんの方を見ると、僕の意図を察したのか頷いてくれた。

緊張は見られない。特に危険はないと思って良いだろう。


僕が床にある出入口を開くと備玄さん達が降りていく。


総司:「僕達も行こう。」


地上?月面?に降りて宇宙船の下から出ると、

備玄さん達が兎人族の人達に囲まれているのが見えた。


亮孔さん達がいない理由も説明したみたいで、

みんな備玄さん達の無事を喜んでいる。


落ち着いてくると、僕とソフィさんの方に向けられる

視線が増えてくる。


備玄:「地球で大変お世話になった総司さんとソフィさんよ。」

雲子:「私達が地球からここに戻れたのは

  総司君達のお蔭なんだよ。この宇宙船も総司君のだし。」

羽雲:「賢く、強い力を持った武人だ。」

飛益:「この嬢ちゃんは魔法で酒まで造れるんだぜ?」


嬢ちゃんじゃないって何度も言ってるのに…。

飛益さんの方を見る。


飛益:「なんだよ?別に催促したわけじゃないぜ?」


察してくれないらしい。


みんなの視線が僕とソフィさんに集まる。


総司:「地球から来た総司です。」

ソフィ:「総司君の従者のソフィアよ。」


簡単に挨拶を済ませる。


備玄:「私達が居ない間に何があったの?」


「説明が難しいですが…。

 備玄様達が地球に行ってから半年くらい、

 植物が急速に成長しました。

 木の実や野菜、果物などは、取っている間に最初に取った

 実が、再び生っているほどの早さで成長していました。

 食べ物が多くなり、みんな喜んでいました。

 しかし、そんな状況がいつまで続くか分かりませんので、

 大量に保存食を作ったりしていました。

 それと私達のほぼ全員の魔力が上がった様に感じました。

 身体能力も上がり、作業は非常に捗りました。

 森の獣も強く大きくなりましたが、森の木の実も増えたため、

 私達が襲われるようなことは起きませんでした。」


雲子:「上空からは町や村が森に侵食された様に見えたけど、

  大丈夫だったの?」


「森の木々が急成長を始めたけど、避難する時間は十分にあった。

 俺の家も森にのまれたけど、食料に困る事は無かったし、

 落ち着いた頃に無事だった町の近くに移住したよ。

 木材も大量に手に入るし、新しい家も建て易かったからね。」


雲子さんの質問に違う人が答えてくれた。

口調からして雲子さんの知り合いっぽい。


総司:(備玄さん達が地球に落ちた事から連想して

  不幸な事が起きた前提で考えちゃってたけど、

  特に問題は無かったのかな?)

マリカ:(魔素濃度の上昇は良い面も多いからね。

  ただ、半年って時期を区切って話をしている辺り、

  ずっと良かった訳じゃなさそうだ。)


「その後、徐々に植物の成長は落ち着いていきました。

 私達の魔力も落ちていき、

 普段と変わらなくなっていきました。」


備玄:「そういえば平時にしては武官が多いわね。

  退役しているのに武装している者もいるし。」

雲子:「確かにそうですね。」


「はい。その後に問題が起きました。

 南海岸の港町から巨大な蟹が

 海から上がってきたと報告がありました。

 最初の頃は町の守備隊で倒して美味しく食べていたそうです。

 ですが徐々に数が増え、より巨大な蟹も上がって来る様になり、

 守備隊だけでは対応が厳しくなったため、

 援軍の要請が来たんです。

 それで、内地の武官に召集をかけて派遣するところでした。

 本当にちょうど良い時にお戻りになりました。」


雲子:「蟹かー!良いね!私も行くよ!」


総司:(まだ酷い状況にはなっていないみたいで良かったよ。

  当然手伝うよね?)

マリカ:(そうだな。)

ソフィ:(私は総司君に合わせるよ。)


総司:「僕達もお手伝いします。」

備玄:「ありがとうございます。」


「お戻りになられて直で申し訳ないですが、

 早速軍議を行います。

 取り急ぎ城の広間に移動しましょう。」

「みんなに城の広間に集まる様に伝えてくれ!」


改めてお城を見る。上空から見て大体分かってはいたが、

元の世界で唯一見た事が有るお城が目の前にある。

有名なリゾートにあるお城にそっくりだ。


兎人族の人達は童話の世界の住人に相応しい。

気になって周囲を見回したけど、鼠人族は見当たらない。


みんな一緒に移動して、城内の広い部屋に入る。

正面に玉座の様に豪華な椅子がある。


玉座の左側に地球から来た6人、

右側には先ほど状況を説明してくれた人と数人が並ぶ。

僕達の前には多くの武装した人達が並ぶ。

玉座には誰も座らないみたいだ。


備玄:「これより軍議を行います。

  亮孔が不在のため、進行、採決、共に私が務めます。

  まずは救援要請のあった町と状況の説明を。」


大きな地図が正面に広げられた。

武官の人から、状況と今後の予想について説明があった。


要約すると、


・援軍の要請は南海岸にある港町のみ。

・徐々に上陸してくる蟹が大きくなってきている。

・南海岸の港町で蟹が上がって来たのは、

 他の海岸線に比べ砂浜でありながら浅瀬が短いため、

 蟹が上陸し易いことが原因と推定している。

・他の海岸でも上陸が可能な場所では同様の問題が起きる

 可能性がある。

・上陸した蟹は、近場に食料があれえば(倒した蟹も含む)、

 食べ終わるまで基本的にその場に留まる。


という内容だ。


総司:(どう思う?)

マリカ:(情報が少ないから何とも言えないけど、

  見立てにおかしいところは無いと思う。

  気になった点は浅瀬が短いってことは

  逆に深い海が近いって事かな。

  高度が低いほど魔素濃度は濃くなる。

  深海の魔素濃度は地上とは比較にならないほど濃いはず。

  徐々に深いところから上がってきているとすると、

  時間が経てば経つほど、

  ヤバいやつが上がって来る可能性があるな。)


備玄:「援軍要請のあった港町に先発隊を50人派遣します。

  残った者は他の海岸線の調査と追加の要請に備えて下さい。

  調査部隊を編成し、各地に派遣します。」


ここから救援要請のあった港町までは結構距離がある。

港町の守備隊が要請を出してから数日は経っているはずだ。

マリカさんの予想通りなら、

現地の状況が急に悪化している可能性もある。


僕は挙手して発言の許可を求める。


備玄:「発言を許可します。」

総司:「ありがとうございます。

  私なら一時間以内に現地に着いて守備隊の援護が可能です。

  すぐにでも私に行かせてください。」

ソフィ:「総司君が行くなら私も行く。」

備玄:「ありがとうございます。

  先発隊が到着するまで、よろしくお願いします。

  雲子、総司さんに同行しなさい。」

雲子:「わかりました。総司君、行こう。」

総司:「ありがとうございます。では、行ってきます。

  ソフィさん、行こう。」


僕が手を出しながら言うとソフィさんがその手を取る。

そのまま広い部屋を出てバルコニーに出る。


総司:「ここから飛んでいこう。」

ソフィ:「は~い。」


ソフィさんが嬉しそうに僕の背中に負ぶさる。


雲子:「なにしてるの?」

ソフィ:「総司君に乗っていくの。」

雲子:「逆じゃないの?」

ソフィ:「総司君に乗って行った方が速いからね。」


雲子さんが困った顔でこっちを見ている。


どうしよう。

普段は相手から抱き着いてくれるから気にしてなかったけど、

僕に抱き着いて欲しいと言うのは、どうなんだろう。

でも、僕から抱き着くのは更に問題がある気がする。


ソフィさんの後ろから抱き着いてもらってもいいけど、

バランスが悪いな…。


総司:(いつもみたいに抱き着いて貰ったり、

  抱えたりしないで連れて行くのに良い方法ってあるかな?)

ソフィ:(鎖で巻いて持っていくのは?)

マリカ:(鎖だと痛いんじゃないかな。

  運びやすい様に革のベルトを巻いて貰おう。

  私の指示通りに雲子さんに手を翳していって。)

総司:(それがいいね。ありがとう。)


総司:「僕の飛行の魔法でみんなを連れて行きます。

  それで、雲子さんを運び易い様に革のベルトを作ります。

  ちょっと失礼します。」

雲子:「総司君に任せるよ~。」


僕はマリカさんの指示通り、雲子さんの身体に手を翳していく。


マリカ:(出来た。

  これなら運ばれている間の身体への負担も軽減される。

  これからは一緒に飛ぶ人には、これを着けて貰おう。)


革ベルトは両肩から股の間を通って繋がっている。

後ろから見るとY字の革ベルトに胸と腰の部分で

更に革ベルトが横に一周している感じだ。

腰の位置に持ち手が付いている。

前から見ると両胸の膨らみを避ける様に分岐して

8の字を横にした様になっている。


雲子さんが恥かしそうに、こっちを見ている。

僕も恥かしい。


ソフィ:(私は絶対イヤ…。)


確かにいつもの様に腰の辺りを手で抱えて飛ぶよりも

身体への負担は少ないと思うけど、

もうちょっと何とかならなかったのかな…。


いろいろ思うところはあるけど、

今は出来るだけ早く現地に着くことが最優先だ。


総司:「町が心配なので急ぎましょう。」

雲子:「ちょっと締め付けが」


雲子さんと僕の発言がちょうど被った。


雲子:「いや、何でも無い。行こう。」


雲子さんは恥かし気な顔から真面目な顔になって

そう言った。


僕は雲子さんの後ろに周り、背中にある持ち手を持つ。

念のためゆっくりと浮遊する。


雲子:「ンッ。」

総司:「大丈夫ですか?」

雲子:「だ…大丈夫…。早く行こう。」


僕は一気に高度を上げて目的の港町の方へ向かう。

月は地球と比べて高度による魔素濃度の変化が激しく、

速度と高度が安定しない。


ソフィ:「今日はすごく揺れるね。」


ソフィさんが僕の耳元で話す。

息が耳に当たってくすぐったい。


総司:「地球と違って高度が高いと魔素の濃度が極端に薄くて、

  地球と同じ様に魔法を使うと効果が安定しないんだよね。」


僕の高速飛行は、僕、マリカさん、装備の魂の器を

連動させることによって間断なく高い効果を発動する。


高速飛行は移動することで、

魔素を使う魔力界の領域が変わるため、

魔素の消費による濃度の低下は考えなくていいが、

元々薄い領域では一時的に魔力が不足して

発動効果が弱くなったり、途切れて下降してしまう。


高速で移動する場合、魔素の上昇気流を発動しても、

発動した場所から移動してしまっているため意味が無い。


月の環境に合わせて術式をチューニングすれば改善するが、

今はそれをしている時間がない。


総司:「雲子さん、進んでいる方角の確認をお願いします。

  飛行の魔法が安定しないので、ズレてないか心配なので。」

雲子:「えっ!?何?」

総司:「進んでいる方角がズレてないか確認をお願いします。」

雲子:「えーと。ちょっとズレてるかも…。」


雲子さんは心なしか息遣いが荒い気がする。

魔法で周囲の気圧と酸素濃度は保っている。

空気が薄いということは無いはずだ。


総司:「正しい方角を指差して貰っていいですか?」

雲子:「ンッ…。あっち。アッ…。」


雲子さんが指差すが、指先がプルプルと震えている。

指差した後、直に下腹部に手を戻してモジモジしている。


僕は雲子さんが指差した方角へ進路を調整する。


総司:「辛そうですけど、大丈夫ですか?」

雲子:「アッ…。わ…わかってて言ってないよね?」

総司:「僕は特に何ともないです。どうしたんですか?」

雲子:「だ…大丈夫。なんでもない。疑ってごめんね。」


総司:(どうしたのかな?高くて怖いのかな?)

マリカ:(大丈夫。心配ないよ。)


マリカさんが断言しているから大丈夫なのかな。


総司:「心配なので速度を上げます。

  揺れが激しくなると思うので、

  ソフィさんはしっかりつかまってください。」

ソフィ:「わかったわ。」


ソフィさんが更に強くしがみついてきた。

雲子さんはずっとモジモジしているが、問題はなさそうだ。

前方に海が見えてきた。左前方に港町が見える。

進路を変えて港町へ直行する。


総司:「見えてきました。」

ソフィ:「海岸にでっかい蟹が数匹いるよ!」


ソフィさんは目が良い。いち早く状況を報告してくれた。

僕は海岸の上空に直行して急停止する。


雲子:「ンーーーーー!」


雲子さんがくぐもった声を出した後に急に脱力した。


総司:「大丈夫ですか?」

雲子:「ハァハァハァ…。大丈夫…。」


海岸に巨大な蟹が数匹集まっている。

その周囲にたくさんの蟹の残骸が散らばっている。

よく見ると巨大な蟹達は食べ物の山に群がっているみたいだ。

近くにも食料の山があり、兎人族の人達がそこに食料を

走って運び込んでいる。


マリカ:(とりあえず、あの蟹を何とかしよう。)


魔力界で魔素の上昇気流が発生する。

僕の頭上に光輝巨槍が出現して、

食料に群がっている巨大な蟹の一匹に突き刺さる。

光輝巨槍はそのまま蟹の眉間から地面に突き刺さっている。

すぐに二本目、三本目と光輝巨槍が出現して

その他の巨大な蟹に順番に突き刺さった。


総司:(光輝巨槍を使えるようになったんだね。)

マリカ:(他にもいろいろ出来る様になったから楽しみにね。)

ソフィ:(また総司君が手の届かない高みにいっちゃった。)

総司:(僕じゃないけどね…。)


雲子:「なんなの!?これ総司君がやったの!?」

総司:「そうなりますね…。」

ソフィ:「総司君はすごいんだよ?」


ソフィさんが後ろから頬擦りしてくる。

雲子さんは振り返って僕の顔を恐る恐る見ている。


下を見ると、食料を運んでいた兎人族の人達が

見上げる様に僕達の方を見ている。


総司:「港町の人達に話を聞きに行きましょう。」


そのまま地上に降りると、周囲に兎人族の人達が集まって来る。


「おい!雲子さんに何してくれてんだ!」

「行方不明って聞いてたけど縛られて監禁されてたの!?」

「まさか備玄様も一緒じゃないだろうな!?」

「トイレにも行かせないなんてヒドイ!」


雲子さんが下を向いた後、急にしゃがみ込んだ。


「大丈夫か!?」

「人質のつもりか!?」

「待ってろ!今助けるからな!」


集まって来た兎人族の人達が殺気立って武器を構える。


雲子:「待って!待って!違う違う!」


「大丈夫よ!辱めを受けていたことは誰にも言わない!」

「心配するな!今助ける!」


雲子:「ちょっと待って!違うから!」


「雲子さんをそんな姿にさせるなんてヒデーやつらだ!」

「変態女!雲子さんを解放しろ!」


周囲の兎人族の人達は僕達を囲むように回り込み、

ジリジリと近寄って来る。


ソフィ:(どうなってるの?)

総司:(どうなってるんだろうね…。)

マリカ:(変態女か…。)

総司:(酷いよね。ソフィさんは抗議した方がいいと思う。)

ソフィ:(みんな総司君を見て言ってたよね。)

マリカ:(何か誤解されているみたいだな。

  とりあえず、雲子さんに事情を説明してもらう間は

  上空に避難しよう。)


総司:「雲子さん、みんなに事情を説明して下さい。

  終わるまで僕らは上空に避難しますね。」


僕はソフィさんと共に再び上空へ舞い上がった。


「また槍が降って来るぞ!みんな一旦避難しろ!」


兎人族の人達は砂浜から港町の方へ逃げて行ってしまった。


「雲子さん!早くこっちに来て!」

「また巨大な槍が降って来るぞ!早く!」


何人かは振り返って雲子さんに声をかけるが、

そのまま逃げて行った。


雲子:「違うんだ!みんな待って!」


雲子さんはゆっくり立ち上がり、片手を前に出し、

もう一方の手で股間の辺りを押えながら、

内股で小走りで追っている。


ソフィ:(トイレを我慢していたのかな?

  言ってくれれば良かったのに。)

総司:(急ぐって言ったから、気を遣わせちゃったのかな。)


逃げていた兎人族の何人かが戻って来て

雲子さんを担いで港町の方へ運んで行った。


マリカ:(雲子さんが事情を説明してくれるだろうから、

  蟹でも食べながら待とうか。)

ソフィ:(人魚の島にいた蟹とは形が違うね。

  どっちが美味しいかな?)

マリカ:(人魚の島で食べた蟹とは種類が違うね。

  たぶんこっちの方が美味しいよ。)

総司:(こんなに大きくなっちゃったら、

  もう別物じゃないかな。)


食べるにしても解体するだけも一苦労だ。

とりあえず爪の部分だけ斬り落とす。

それでも身が大きすぎるので、刀で更に斬り分ける。

ブヨブヨな身だが、ステーキの様に切り分けて焼いてみた。


蟹というと茹でるか蒸すのが定番とも思ったが、

巨大蟹は各々の部位が大き過ぎて鍋や蒸し器に入らない。

殻を取って蟹肉だけで茹でると、

味が抜けてパサパサになると思い、焼くことにした。


半透明な身に火が入ると白く色が変わっていく。

もう匂いだけで幸せな気分になれる。


ソフィ:(美味しい!)

マリカ:(食べやすい蟹なんてもう最高だね!)

総司:(蟹肉ステーキなんて、ほんと贅沢だよね。)

マリカ:(覚えたからアイさんにも食べさせてあげよう。)


僕のおもてなしメニューに蟹肉ステーキも追加しよう。

そのくらい美味しい。


食べ終わった後、

巨大蟹を解体しながら冷却魔法で一気に凍らせる。

マリカさんの冷却魔法は、対象を一瞬で凍結させられる。

これで時間が経っても美味しく食べられるだろう。


雲子:「お待たせ!みんなに事情を説明してきたよ。」


雲子さんが走って戻って来た。革ベルトを外して着替えている。

港町の人達も雲子さんに付いて来た。

各々が勘違いや罵声のお詫びと、

巨大蟹を退治したことへの感謝を伝えてきた。


最近の状況について確認したところ、

上陸してくる蟹の数は徐々に減っているが、

急激に大型化してきているらしい。


先程退治した巨大蟹は、矢や投げ槍は殻で弾いてしまうため、

近接戦で退治を試みたが、

多数の負傷者が出たため断念したとのことだ。

援軍要請は出したが、ここに到着するまで一週間以上かかる。


蟹はエラ呼吸なので、水の無い場所に居続けることは出来ない。

幸い食料で足止め出来るため、森へ避難する準備が終わるまで、

時間を稼ぐことにしたらしい。


「おい!またデッカイ蟹が来たぞ!」


総司:「僕が対処します。皆さんは運び込んだ食料と

  解体した巨大蟹を港町へ運んでください。」

雲子:「みんな!総司君の指示に従って!」


海の方を見ると巨大蟹が顔を出している。

これだけ人がいるのに、そのまま向かって来るということは、

僕達は巨大蟹にとって脅威ではなく獲物という認識なんだろう。


巨大蟹を退治した後は解体して食料にするので、

陸に上がって来るのを待って光輝巨槍で退治した。


その後も巨大蟹は海から上がって来た。

夜中になっても関係なく陸に上がって来た。

ソフィさんのブレスでも問題無く退治出来たため、

僕とソフィさんとで交代で対処した。


ほとんど被害無く対処出来たけど、

このままでは僕とソフィさんがここから離れられない。

何か対策を考えないとね。

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