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アイの新世界(物語)  作者: 夢のファイヤー
三角大陸
73/89

61.三種族の対立⑪三種族会談の準備

今日は兎人族のみんなと朝ご飯を食べながら、

簡単な打ち合わせをした。


今は予定通り書状を届けるためにソフィさんを抱えて

猫人族の国である北戯の川沿いの町に向かっている。


ソフィ:「町が見えてきたね。あれかな?」

総司:「うん。そろそろ降りて走っていこうか。」


猫人族の町は前回と同様に検問のようなものは無く、

難なく町に入れた。

そのまま孟さん達のいた屋敷へ向かうことにする。


「耳じゃにゃくて角かにゃ?にゃんて種族だっけ?」

「にゃんだっけ?」


走っている途中でソフィさんの角に気が付いた人が

ヒソヒソ話をしている。


急に走って逃げだす人もいる。

たぶん竜族と気が付いた人だろう。


マリカ:(む…。ソフィの角は隠した方が良かったかな…。)

総司:(これまでは町に入る時は念のため変装とかしてたけど、

  意味が無かったから失念してたね。)

ソフィ:(変装って?)

総司:(猫耳とか犬耳、尻尾なんかを付けて、猫人族、犬人族に

  変装してから町に入ろうとしてたの。)

ソフィ:(何それ!超見たい!)

マリカ:(私の時にやってあげようか?)

総司:(絶対ダメだからね…。)


なんだかんだでマリカさんも女性なのかな。

可愛いものが好きなのかもしれない。

僕が付けて可愛いかは別にして…。


特にトラブルになることもなく前回会談した屋敷に着いた。

町の入口に検問は無かったが、屋敷の前には衛兵と思われる人が

二人、入り口の前に立っている。


総司:「先日お伺いした際、

  孟様に面会させて頂いた総司と言います。

  今日は兎人族の代表からの書状を届けに参りました。」

衛兵:「承知した。ここで待っていてくれ。」


その衛兵は書状を受け取ると、屋敷の中に入って行った。


衛兵:「こないだは治療ありがとにゃ。」

総司:「どういたしまして。」


残った方の衛兵は前回来た時に僕が治療した人みたいだ。

屋敷の扉が開き衛兵が出てくる。


衛兵:「お会いするそうだ。案内するからついて来てくれ。」


僕とソフィさんは案内してくれる衛兵について屋敷に入る。


前回は入って直ぐのエントランスで

兵士に囲まれながらの会談だったが、

今回は応接室のような部屋に通された。


正面の上座の左側の席に元さんが座っている。


元:「孟様と妙は所用で少し遅れる。

  まあ、座って待っていてくれ。」

総司:「ありがとうございます。それでは、失礼します。」

ソフィ:「失礼します。」


僕とソフィさんは勧められた通り席に座る。

元さんは書状を読み終わったみたいだ。


暫く沈黙が続く。なんとなく気まずい。


総司:(飲み物でも出した方がいいかな…。

  訪問した側がお茶を出すってマナー的にどうなの?)

マリカ:(迎える側が出すのが普通だからな…。

  気が回らなかったことを恥じるような相手なら

  やらない方がいいだろうけど、

  そういう感じの人では無さそうだし、いいんじゃないかな。)

総司:(このまま沈黙が続くよりはいいよね。

  飲み物は何がいいかな?)

マリカ:(コーヒーで。ちょっと濃い目で。

  出す時に「砂糖は入れますか?」って聞くんだぞ。)

総司:(わかった。ソフィさんも同じでいい?)

ソフィ:(いいよ~。)


僕は魔法でソーサーとコーヒーカップを三つ出し、

それぞれにコーヒーを注ぐ。


総司:「コーヒーを用意しました。砂糖はいれますか?」

元:「ありがとう。ブラックで。」


元さんの顔が少し嬉しそうだ。

マリカさんが予想した通りコーヒーが好きなのかな?

僕は元さんの前にコーヒーを置く。


総司:「ソフィさんは砂糖は入れる?」

ソフィ:「ブラックで。」


ソーサーごとコーヒーカップをソフィさんの前に置く。

元さんは悦に入った様な顔で匂いを嗅ぎ、コーヒーに口を付ける。


隣でソフィさんが「ゴフッ」とむせている。

元さんの顔を見るとニヤッと笑っていた。


マリカさんがクスクス笑っている。

ソフィさんには聞こえてないみたいだ。

僕は砂糖とミルクを入れた。


後ろの扉が開くと孟さんと妙さんが入って来た。

僕はスッと立ち上がる。


ソフィさんはちょうどコーヒーに口を付けたところだったみたいで、

さっきみたいに「ゴフッ」とむせて、急いで立ち上がった。


総司:「お時間を頂きありがとうございます。

  今日は兎人族の代表からの書状を届けに参りました。」


元さんが孟さんに書状を渡す。


孟:「気にするな。ちょっと読むから座って待っていてくれ。」


孟さんも妙さんも座ったので、勧められたままに僕も座る。

ソフィさんもそれを見て座った。


慣れていなくて気疲れするだろうに、文句も言わずに

付いて来てくれるソフィさんは本当にありがたい。


ひと段落したら好きなお酒でも造ってあげよう。


妙:「飲んでるのコーヒー?

  この屋敷にコーヒーなんてあったっけ?」

総司:「勝手ながら私の方で用意させて頂きました。」

妙:「私も貰っていいかな?」

孟:「あ、俺も。」

総司:「砂糖はいれますか?」

妙:「入れてほしいな。ミルクもお願い。」

孟:「俺も一緒で。」


孟さんと妙さんにも同様にコーヒーを出す。

なぜか元さんがニヤニヤしている。

孟さんは読み終わったのか、書状を妙さんに渡す。


孟:「いろいろあったみたいだが、文には会えたのか?」

総司:「はい。お気遣いありがとうございました。」

孟:「争い事は嫌いではないが、

  ルールのない争いは勝ったとしても、

  長い目でみれば不幸しか生まない。

  速やかに解決できるのなら、なによりだ。」

総司:「そう言って頂けると嬉しいです。感謝します。」


書状のすり替えで一旦は誤解したが、やはり素晴らしい人だ。


孟:「ところで、連れの方を紹介してくれ。竜族のようだが。」

総司:「私と行動を共にしていますソフィアです。」

ソフィ:「総司の従者をしている竜族のソフィアです。

  ソフィとお呼び下さい。」


ソフィさんは立ち上がって挨拶する。


孟:「竜族…。従者…。」


孟さんが考え込むような仕草をする。


妙:「総司さんが勇者ってことよ。」


元さんがビックリした顔をしてから

キラキラした目で僕の方を見ている。


孟:「やはりその様な者であったか。異常な強さだったからな。」


妙さんも読み終わったのか、書状を孟さんに渡す。


妙:「よくあの性悪そうな女をこの短期間で説得出来たわね。

  総司さん騙されてない?」

総司:「大丈夫です。」


大丈夫だよね!?そう言われるとちょっと不安になってきた…。

不安が顔に出ない様に気を引き締めよう。


孟:「まあ、信じよう。

  しかし、我らだけで決めることは出来ない。

  兎人族のやり口ははっきり言えば最悪の部類だ。

  犬人族はこの手の話は特に嫌う。

  それにまったく賠償無しというのでは、

  我らの兵も納得はすまい。」

総司:「はい。この後、東娯にも書状を届ける予定です。

  内容は先ほどお渡しした書状と同じものです。

  希望は、明後日に孟様、文様、備玄様のお三方と、

  僭越ながら私も同席させて頂きまして、

  四名で会談を開かせて頂ければと思います。

  会談中は各々の方の警護を私が兼ねさせて頂きます。」

孟:「場所は?」

総司:「泰山の南西に砦が三つある場所があると

  聞いています。その中心地点でいかがでしょうか?」

孟:「いいだろう。しかし、東娯が了承するかは疑わしいな。

  よく配慮してある書状とは思うが、やったことは謀略の類だ。

  伯は激高するだろうな。」

妙:「そうね…。」


総司:(確かに伯さん、そして仲さんも難しいかもね…。)


前回は僕の話をまったく聞いてくれなかったし。

そして僕に対する印象は悪いままだろう。


マリカ:(文さんだけと話が出来ればいいんだけどね。)

総司:(そうだね…。)


元:「それなら俺が同行しよう。

  北戯は申し出を受けたことを俺が証人として伝えれば、

  少しは受ける方向に傾く助けになるはずだ。」


僕が考え込んでいると、元さんがとても良い案を提案してくれた。


総司:「それは非常に助かります。」

元:「気にするな。俺達は、と…友達…だろ?」

総司:「え?」

妙:「はぁ~…。いつもクールぶって無口でいるのに

  珍しく発言したかと思えば…。

  総司さん、頷いてあげてほしい。

  元は「勇者の友」って設定が欲しいのよ。

  連れて行けば一応は役に立つと思うから。」

総司:「わかりました。元さん、よろしくお願いします。」


元さんは満面の笑みで頷いた。


ちょうどお昼の時間になったので、

そのまま応接室で昼食を頂くことにする。


猫人族なら魚料理だろうということで、

僕的に至高の魚料理である鰻重、

そして鮎の塩焼き、お吸い物の三品にした。


北の大陸ではステーキが多かったけど、

三角大陸に来てからは鰻重が多い。


妙:「前回も頂いたけど、これ本当に美味しいわよね!」

孟:「ほんと美味いよな。」

ソフィ:「私はこの鰻重って初めて食べた!

  メッチャ美味しいね!」


みんな楽しそうに話をしながら食べている。

元さんは黙々と食べているが。


一緒にご飯を食べるのは親睦を深めるという意味で

とても有意義だと最近気が付いた。


アイさんを真似て料理はしていたが、

やっぱり大きな意義があったんだね。


アイさんもマリカさんも見て食べたことがある料理は

何でも魔法で作れるので、その恩恵は計り知れない。


美味しいものを作れる人は、

それだけで価値があると思って貰える。



みんな食べ終わったし、犬人族の町へ行こう。


元さんを抱えて、後ろからソフィさんに掴まってもらい、

高速飛行で移動し、犬人族の町の近くで地上に降りた後は

走って町に向かった。


総司:「検問がありますね。」

元:「犬人族は身内以外には俺達より用心深いからな。」


僕達は検問前で並んでいる列に並び、順番待ちをする。

前回よりも衛兵の数が多い。


衛兵:「次。」

総司:「私は総司と言います。こちらは北戯の元さん、

  こちらは私と行動を共にしているソフィアです。

  私は先日、国王様に面会させて頂いており、

  次来た際には連絡すれば再び、

  面会して頂けることになっています。

  お取次ぎをお願いします。」

衛兵:「ちょっと待ってろ。」


衛兵の一人が嫌そうな顔で僕を見た後に町の中心へ走って行く。


次の順番待ちをしている人がいたので、

僕達は横にズレて場所を譲る。


残った衛兵達は僕を嫌そうな顔で見ている。

やはり僕は嫌われたままみたいだ…。


それを見てソフィさんが睨み返している。

そしてソフィさんの爪が少し伸びてきたように見える…。


総司:(ソフィさん、衛兵さん達の反応は当たり前のことだよ。

  僕は前回、そうされても仕方がないことをしたんだから。)

ソフィ:(総司君が悪いことなんてない。)

マリカ:(気持ちは嬉しいが、ここは我慢してね。)


ソフィさんはグヌヌとした顔の後にプイッと横を向いた。


「アレ、耳じゃなくて角じゃね?」

「角…。もしかして竜族?」


衛兵達がザワザワしだした。


元:「俺は北戯の大将軍、そして勇者の友、元だ。

  先ほどからの勇者への態度は無礼だろ。

  友人として許せん。

  勇者がその気になればこの町などドラゴンのブレスで

  一瞬で焼き払われるぞ?」

ソフィ:「総司君の許しがあれば、焼き払っちゃうわよ?」


「え!?本物の竜族!?」

「元って確か北戯の魔法使いにいたな…。」

「戦場で見た事ある。アイツ確かに北戯の魔法使いだよ。」

「勇者って何だっけ…?」

「勇者って竜族を従者にするスゲー強いやつのことだろ。」

「そういえばアイツ、無茶苦茶強かったよな…。」

「俺、知らせて来る!」

「俺も!」


結局、衛兵の全員が逃げる様に町の中へ走って行った。

元さんの顔が嬉しそうだ。


マリカ:(さっそく設定を使ってるな。)

ソフィ:(ん~~。気分いいね!)

総司:(この町には普通に入るのも難しいね…。)


しばらく待つと、武装した多くの兵士が

こちらに向かって来た。先頭の中心に仲さんがいる。

仲さんは途中で兵士達を制止して一人でこちらに歩いてくる。


仲:「ついて来て。」

総司:「わかりました。」


仲さんは極力僕と話をしたくないらしい。

言われた通り仲さんの後ろからついて行く。


前と同じ屋敷に辿り着き、応接室のような部屋へ通される。

徒歩だったので、屋敷に着くまでに時間がかかった。


嫌がらせか…。それとも何か準備する時間稼ぎかな。


応接室に入ると正面の中心に文さんが座っている。


文さんの左側に伯さんが立っている。

仲さんもそのまま正面まで行き文さんの右側に立った。


総司:「お時間を頂きありがとうございます。

  今日は兎人族の代表からの書状を届けに参りました。」


僕が懐から書状を出すと仲さんが取りに来たので、

そのまま仲さんに手渡した。

仲さんは戻って文さんに書状を渡す。


文:「まずは書状を読ませてもらおう。」


文さんが右掌を上にして右手を前に出してきたので、

僕は椅子に座る。


ソフィさんも座ろうとしたが、

元さんが立ったままなのをみて座るのをやめた。


伯:「元がなぜそいつと一緒にいる?」


文さんが大きなため息をつく。


伯:「父上、何かくだらないことが書いてあったのですか?」

文:「いや、そうではない。」


いや、文さん、そこは注意するところでしょ。

僕はそれほど気にしないけど、目の前でそいつ呼ばわりは

相手に失礼ですよ?


元:「俺は孟の代理でここにいる。そして勇者の友として。」

伯:「そいつが勇者?信じられないな。」

ソフィ:「もう我慢できない!

  次に総司君に無礼なことを言ったら、

  この町ごと焼き払ってやるからね!」

仲:「貴方こそ兄さんへの無礼は私が許さない!」

伯:「仲…。」


伯さんと仲さんが見つめ合っている。


総司:「ソフィさん、ありがとう。

  僕は気にしてないから大丈夫だよ。」

ソフィ:「総司君…。」


ソフィさんが両掌を組んで見つめてくる。

いや…、そこは真似しなくていいからね…。


ソフィさんの機嫌がちょっと良くなったみたいだからいいか。

文さんは書状を読み終わったのか、書状を懐にしまった。


文:「書状は読ませてもらった。諸々の行為に対する謝罪と、

  建国と国王の僭称を撤回すると書いてあるが、本当か?」

総司:「はい。謝罪と、建国と国王の宣言の撤回は本当です。」

文:「よくこの短期間で説得出来たものだな。」

伯:「どうせ共謀しているのでしょう。

  何か卑怯なことを考えているのに決まっている。」

仲:「兄さんの言う通りですわ。」


マリカ:(この二人にはホント黙っててほしいな…。)


元:「北戯は総司の提案を受けた。

  勇者である総司の立ち合いのもと、

  猫人族、犬人族、兎人族の代表会談を希望している。

  これは北戯の大将軍であり、総司の友である俺が保証する。」


元さんを見ると僕の方を見ていたので頷く。元さんは嬉しそうだ。

ちょっと変なところはあるけど、元さんが一緒にいてくれて心強い。


伯:「簡単にだまさ」

文:「東娯もその提案を受けよう。」


文さんが伯さんの発言を遮るように言う。


伯:「父上、騙されてはいけません。」

文:「代表会談で全てがわかる。

  嘘か本当かは一先ずはどうでもいい。

  偽りなら北戯と共に、その時にどうするか決めればいい。

  重要なのは北戯が受けているということだ。

  そこにいる元まで偽者だと言うのか?」

伯:「それは…。しかし北戯も共謀している可能性もあります。」

文:「それはない。

  北戯の孟も女神様の御意志に背くことは決してない。

  何があってもだ。

  それを信じられないようでは次の国王になど到底できぬぞ?」

元:「孟が女神様の御意志に背くことはない。

  言うまでもないことだ。」

伯:「わかりました。」


伯さんは文さんに頭を下げる。


総司:(女神様の御意志ってなんだろね?)

マリカ:(何だろうな…。みんな仲良く…とかじゃないかな…。)

総司:(猫人族の人達と犬人族の人達で

  仲良くやってる様には見えないけど。)

マリカ:(前から言ってるけど、

  アレはアレで私には仲良くやってるように見えるぞ?

  ちょっと過激な仲良くだと思えばいい。

  殴り合ったら友達みたいな。)

総司:(僕にはわからないな…。

  でも、マリカさんはそういうのが好きなの?)

ソフィ:(それなら総司君が寝たら、

  私がマリカさんにいろいろ悪戯しておくよ。)

マリカ:(別に私もそういうのが好きってわけじゃないぞ?)


文:「それで代表会談はいつだ?」

元:「明後日。場所は泰山の南西にある最前線の砦だ。

  三つの砦の中心の位置で会談を行う。

  北戯もそれで了承している。」

文:「東娯もそれでよい。それでは明後日に再び会おう。」


文さんが椅子から立ち上がったので、僕も立ち上がる。


文:「仲、町の外まで案内を。」

仲:「わかりました。」

伯:「俺も行く。仲は俺が守る。」

仲:「兄さん…。」


伯さんと仲さんが見つめ合っている。

ソフィさんがこっちを見ているので、僕も笑顔で見返す。


文さんは伯さんと仲さん、そして僕とソフィさんを

見ながら考え込んでいる。


文:「総司は伯のような男は嫌いか?」


え…。正直嫌いなんだけど…。

ここまで嫌味を言われて嫌わない方がおかしいと思う。


総司:「嫌いです。ですがこういった場で私情は挟みません。」

文:「そうか…。」

伯:「俺は仲さえいればいい。」

仲:「兄さん…。」


伯さんと仲さんが見つめ合っている。


ソフィさんがこっちを見ているので、僕も笑顔で見返す。

僕まで付き合わされるから、いい加減やめてほしい。


文さんがため息をついている。気苦労が多そうだ。


国王としては立派な人だし、

二人を含めて皆に尊敬されているみたいだけど、

子育ては思った様にはいかなかったみたいだ。


マリカ:(いつものことだけど、女性だと思われてるな。)

ソフィ:(いつものことだねぇ。)

総司:(もう慣れたからいいけどね。)


ようやく二人が先導して歩き出してくれたので、ついて行く。

屋敷を出ると目の前で二人がイチャイチャしだした。


それを見てソフィさんが僕に絡んできた。

僕まで付き合わされるから、いい加減やめてほしい。


町の外に出ると、伯さんと仲さんは戻っていった。


総司:「元さん、今日は来てくれてありがとうございました。

  元さんがいなかったら話は纏まらなかったと思います。

  心から感謝します。」

元:「気にするな。」


元さんが右手を出してくる。

僕は喜んでその手を取る。


元:「俺達は友達だ。」

総司:「はい!」


元さんは嬉しそうだ。僕も嬉しい。


ソフィ:(まさか総司君、そっちの趣味じゃないよね?

  いつも女性に何の反応もしないし。)

マリカ:(ごめん。それ私のせいだ。

  私が欲情系の感情を抑制しちゃってる。)

ソフィ:(そうだったのね…。

  ということはマリカさんが寝ている時の総司君は…。

  マリカさんが寝ているのが分かるのは、

  私とアイさん、そしてデルさんだけよね…。

  この二人の好意はちょっと方向性が違うわよね…。)


なんだかソフィさんがブツブツ言っている。

心の声が念話に出ちゃっているみたいけど、

小さい声でよく聞こえない。


ソフィ:(マリカさん、今日の夜だけど、

  総司君が寝た後ちょっと付き合ってほしい。)

マリカ:(今日はソフィも頑張ってたからな。いいよ。)


せっかくだから元さんへの感謝を形にしたい。

僕は魔素結晶を作り、元さんの大きな長剣に似せた剣を作る。

もう一つ魔素結晶を作り、鞘にした。

ちょっと装飾を凝って、かっこいい長剣と鞘だ。


総司:「これ、友情の証です。

  戦闘に有効な術式が組み込んであります。

  それと刃毀れしたり、折れても魔力を通せば復元します。

  ですので、気にせずに何時でも使って下さいね。」


僕は元さんに長剣を差し出す。


元:「それは魔道具の武器か。友情の証なら喜んで受け取ろう。

  俺からも何かお返ししたいが、

  この品に見合う物など、どうしたものか…。」

総司:「僕は種族に関わらず、

  皆が仲良く出来る世界を創るために行動しています。

  元さんも出来ればそうなる様に

  少しでも心がけて頂ければ十分です。」

元:「わかってはいたが、嘘偽りなく、そういう人物なんだな。

  喜んで引き受けよう。」


そう言って元さんは長剣を受け取った。


マリカ:(良かったな。)

総司:(うん。嬉しい。)


元さんを孟さんの屋敷に送り、備玄さん達に今日の結果を伝えた。

明日は宇宙船を受け取りに人魚の町に行く予定だ。


久しぶりにアイさんに会える。

今日の夜は明日に備えてヤルザの町に戻ってから寝よう。

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