49.アイとアクアの人魚の島への帰還
武術大会後に決めた北の大陸での僕達の目的は
概ね実現出来た。
そして竜の島を出てから半年以上が過ぎ、
そろそろアイさんとアクアさん達が竜の島へ行くということで、
イルスの家のリビングにみんなで集まった。
アイ:「みんなお疲れ様!全部順調に進んでるね。」
総司:「みんなの協力のお蔭だね。」
白狐:「この三カ月で北の大陸は別世界のように変わったわ。
もちろん良い意味での変化ね。」
デル:「アイさんお疲れ様。さすがと言うしかないわね!」
アイ:「みんなの協力のお蔭だよ。」
フラン:「私も人生が180°変わったわ…。有名になって
いろいろなところでチヤホヤされるようになった代わりに
まったく暇がなくなったわ…。」
フランさんは魔法適正者では無いにも拘らず、
アイさんやアクアさんのような優れた頭脳を持つ人と一緒に
見事にいろいろなことをこなしてくれた。
フランさんが一番頑張ってくれていたかもしれない。
総司:「フランさんのお蔭だよ。ありがとう。」
フラン:「総司君のためだと思って頑張ったんだからね!」
アイ:「小型浮遊艇の運用辺りが想定外の仕事量で、
その辺りが全部フランさんにいっちゃってたね。」
フラン:「でも、もう大丈夫だよ。
アイさんのお蔭で上手く組織化出来たから。
残ってるのは人付き合いの面倒くらいね。」
僕のせいか…。僕がフランさんに事務的なことは
丸投げしちゃってたからだね…。
結局アイさんに後始末して貰ってたのか…。
アイ:「もう私達が特に手を出さなくても効率よく運用されていき、
問題無く維持され、発展していくところまで来ている。
予定通りに私はアクアさん達と竜の島に行くことにするね。」
アクア:「アイ様、ありがとうございます。」
アクアさんのお腹が少し大きくなった気がする。
言うまでも無く、太ったわけじゃないと思う…。
アイ:「他にも行きたい人はいる?事情があって男性は無しね。」
白狐さん、蘭さん、楓さんが真っ赤な顔をして手を上げた。
レオン:「竜の試練に挑みに行くのか。勇敢だな!」
マリー:「狐人族は勇敢なのですね!」
フェリ:「私もいつか行ってみたいわ!」
シア:「みんな頑張って!」
事情を知らない人は三人を称賛しているが、
事情を知っている人はジト目で三人を見ている。
レン:「まあ、それもまた大事なことだからな。」
ソフィ:「私はもうちょっと落ち着いてからでいいや…。」
デル:「白狐ちゃん…。良かったね!」
アイ:「他にはいなそうね。
人魚の町でも聞いてみるけど、定員は決まってるから、
人魚が誰もいなくなるってことは無いから安心してね。」
総司:「どの船で行くの?」
アイ:「空気浮揚艇でいくよ。
誰も使わないし、置いてあるだけで邪魔になってるからね…。
箱として使うだけで、私の魔法で移動するから
危険はないからね。」
総司:「そうすると最大で100人くらいか…。」
アイ:「竜の島へ移動する人は、ここから私が連れて行くから、
ここでひとまずのお別れだね。
今後のことだけど、
北の大陸でヤルザの町がまだ手付かずになっている。
他の町が急速に発展すれば、北の大陸の中で、
ヤルザだけが取り残されて孤立してしまうかもしれない。
ヤルザは港町で、ザウルとイルスとは海産物の交易で
交流はある町だし、小型浮遊艇、浮遊貨物艇を交易路に
導入するだけで、十分な利点があるはずだよ。
実際にヤルザの町へ行って協力出来ることがあったら、
手助けしてあげてほしい。
私は直にここに来れるから、何かあったら連絡してね。」
総司:「わかった。出来るだけ僕達だけで頑張ってみるよ。」
アイ:「よろしくね!それじゃ、行ってくるね!」
アクア:「お世話になりました。しばしのお別れです。
総司様もくれぐれも身体に気をつけて下さい。
ソフィも元気でね。」
総司:「アクアさんも身体に気をつけて。無理はしないようにね。」
ソフィ:「アクア姉さんも元気でね!」
フラン:「え!?アクアさんとソフィさんって姉妹だったの!?
確かに全員に丁寧な言葉遣いのアクアさんがソフィさんにだけ
普通の言葉で話をしていたのが気になってはいたけど…。」
総司:「うん。竜の島にもう2人いて、4人姉妹なんだよ。」
知らなかった人はみんな驚いてる。
白狐:「頑張ってくるわね!総司も楽しみにしててね!」
蘭:「行ってくるね!今から興奮しちゃう!うふふふふふ…。」
楓:「総司君、今度会う時は三人だからね。期待して待っててね!」
総司:「みんな元気でね…。無理しないようにね…。」
みんな嬉しそうにしているけど、本当にそれでいいの?
レオン:「既に竜の試練を超えたかの様な言い様で頼もしいな。
竜族も従者にして帰るということか…。」
楓:「とっても強い子だと思うよ!うふふふふふふふふ。」
デル:「アイさんが一緒だから何も心配ないと思うけど、
みんな身体に気をつけてね!ちゃんと寝るんだよ?」
みんな各々で一時の別れの言葉を交わしている。
そしてアイさん、アクアさん、白狐さん、蘭さん、楓さんの
5人は人魚の町を経由して竜の島へ向かった。
総司:「そういえばダリアさんは?」
レン:「人魚の町にいると思うよ…。」
総司:「そうなんだ…。」
みんな本当にそれでいいの?
僕は少し不安を感じる。
まさか将来、御神体が僕の恋敵になったりしないよね…。




