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アイの新世界(物語)  作者: 夢のファイヤー
北の大陸
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35.武術大会⑦四日目、アイとソフィの戦闘

武術大会四日目。最終日の始まりだ。


リビングに降りると、いつものようにアイさんとアクアさんが

朝ご飯の準備を始めていた。僕も急いで手伝う。


アイ:「まだ寝ててもいいのに。

  昨日の夜は遅くまで頑張ってたみたいだし。」

総司:「大丈夫だよ。魔法の訓練にもなるしね。」

アクア:「そうですね。アイ様からいろいろ教えて頂ける時間は

  私にとってもこの上なく貴重なものです。」


アクアさんもこの数日でいくつかの食材を出せる様になっていた。

アクアさんは能力が高く、頭も良く、勤勉で、礼儀正しく、

気が利いて、背も高く、見た目も綺麗で胸も大きい。


良いところを挙げればきりがないほどの完璧な女性だ。

アイさんといると得だからという言い方をしているけど、

一人にしないように一緒にいてくれているようにも見える。


ソフィ:「みんなおはよう。」


ソフィさんに続くようにみんな起きてくる。

シモンさんとアガサさんも泊まったみたいだ。


アイ:「もう直に出来るからね~。」

デル:「ありがとう。

  こんなことさせてちゃいけない偉大な人なのに…。

  すっかり甘えちゃってるわね…。」

アイ:「別にそんなこと気にしなくていいよ。

  私がやりたくてやってるんだから。」

デル:「知る身として申し訳なさすぎる…。」

総司:「アイさんがどうかしたの?」

デル:「え?いや、昔すっごくお世話になったんだけど、

  今も相変わらずお世話になりっぱなしで悪いな~って。」

総司:「そうなんだ。」


デルさんの目が泳いでいる。

聞かれたくない話題みたいだ。


朝ご飯の準備も終わって、みんなで配膳する。


アイ:「それじゃ、食べましょうか。」


いつものように朝ご飯を食べる。

やっぱりみんなで食べるご飯は美味しい。


フラン:「今日で最終日よ。それでは今日の予定を話すね。

  これも最後だと思うと寂しいわね…。」

アガサ:「また半年後にあるでしょ。」

ソフィ:「そう思うと、案外軽いイベントよね。」

アイ:「私達は最初だから無意味に気合が入ってるからね!」

デル:「アイさんは最初で最後だと思うな…。」

フラン:「最後に優勝者と前回の優勝者との対戦があるけど、

  それに勝てば王者として、次回は優勝者との

  対戦だけになるね。」

デル:「そういえばそういうシステムだったね。

  良かったといえば良かったのかな…。」

白狐:「次回からは私達も出られるわね。」

レン:「俺も次回は参加しようと思う。」


フラン:「話を戻すね。今日は全ての試合がメイン会場で行われる。

  午前中は準々決勝の4戦。8時からは三人共試合はないわ。

  イルス兵同士の対戦ね。一方はレオンさんよ。

  9時から総司君。10時からソフィさん。

  11時からアイさんの順番ね。

  お昼ご飯を挟んで13時から準決勝ね。

  お昼はお弁当が出るわよ。流石に人数が多くて、

  全員が一時間の間に出入りは不可能だからね。

  総司君が勝ちあがっていたら、総司君。

  14時からは同様に勝ち上がっていたら、

  アイちゃんとソフィさん。

  15時からは3位決定戦。16時からが決勝よ。

  そして最後に17時から優勝者と前回の優勝者との対戦ね。

  そして最後に表彰があるわ。」


総司:「今日はいつもより一時間遅いんだね。」

デル:「まあ、サクッと終わると思うけどね…。」

フラン:「メイン会場は街の北側よ。

  今日は城門内だから、間違わないように注意ね。

  一緒に行くから大丈夫だと思うけど。」

アイ:「私も場所はわかるよ。」

シモン:「私とアガサも何度も観戦しているから、

  わからないことがあったら聞いてほしい。」


ソフィ:「直接観客席に飛んで行っても大丈夫?」

シモン:「ダメじゃないかな…。

  入り口でチケットのチェックがあるし。」

アイ:「試合の始まりと終わりは観客席から直接飛んで

  行っても大丈夫?」

シモン:「既にそうしている人はいるから大丈夫だよ。」

アガサ:「かなり特殊な質問が来たわね…。」

シモン:「そうだね…。思わぬ質問だった…。」


アイ:「よし。そろそろ行きましょうか。

  会場の入り口まで飛んで行くから屋上からね。

  私がアガサさん、総司君がシモンさん、

  ソフィさんがフランさんを抱えて飛んでね。」


みんなで屋上へ行く。


アイ:「それじゃ、いくよ~。」

シモン:「男と分かっていても総司君だとドキドキするね…。」

総司:「変なこと言わないで下さい…。」


僕達は飛び立つ。いつもより近いのですぐに着いた。


楓:「人がいっぱい。」

蘭:「あそこが最後尾かな。」


かなり列は長いが、チケットのチェックだけみたいだから、

流れはスムーズだ。僕達は最後尾に並ぶ。


出場者は専用のレーンがあったが、最初の試合ではないし、

十分に時間があるので、みんなと一緒に並んだ。


「頑張ってね!」

「応援するよ!」


知っている人達が何人かいて声をかけてくれた。

会場の入り口に到達し、チケットを見せて中に入る。


上空からも見えていたが、中はかなり広い。

会場も観客席も国立競技場くらいありそうだ。

僕達の席は楕円型の会場の長手部分の中間くらいの席だ。


デル:「良い位置ね。」

アガサ:「そうね!」


僕達は席に着く。

ちょうど試合が始まるところだ。

レオンさんと対戦相手の紹介がアナウンスされる。


アイ:「会場は広いし、良い場所だね~。」

ソフィ:「私がドラゴン化しても大丈夫そうだね。」

総司:「そうだね…。」


大騒ぎになるだろうな…。


ちなみにソフィさんはドラゴンから人の姿に戻る時、

人型に戻るまで皮膚は赤い鱗に包まれているが、

服を魔法で着た後に人の皮膚に変化する。


シルエットはあれだが、

基本的に見えてはいけないところは見えない。


準々決勝の第一試合はレオンさんの終始優勢で勝負がついた。

次は僕の番だ。観客席から直接会場に降りる。


対戦相手の人も同様に観客席から直接飛行の魔法で

飛んできた。女性の方で長剣を持っている。


「準々決勝第二試合、マジック商会所属の総司さんです。

 予選では勝数12という大会記録を打ち立てております。

 盛大な拍手をお願いします。」


会場からたくさんの拍手と歓声を受けた。

僕は四方の観客席に向けてお辞儀をした。

黄色い声援もたくさんあって照れくさい。


「続きまして、イルス兵団所属のジゼルさんです。

 過去の武術大会においても華麗な魔法と剣術で準々決勝、

 上位8名の常連選手です。

 盛大な拍手をお願いします。」


相手の方も同様に観客席にお辞儀をしている。


「それでは試合を開始します。両選手準備をお願いします。」


「開始10秒前!」


僕は刀に手をかける。

ジゼルさんは長剣を抜き片手に構える。


「始め!」


ジゼルさんは開始と同時に複数の氷の矢を放ってくる。

僕は防御壁を展開して氷の矢を防ぐ。


一気に加速して勝負をつけられそうだが、

一試合毎に一時間の時間を取っており、

早く終わったからといって次の試合が始まる訳ではない。


あんまり早く終わらせるのは良くないと思い、

ある程度は相手に合わせて戦うことにした。


氷の矢の切れ間に刃の魔法を放つ。

ジゼルさんは驚いて飛行の魔法で上空に回避する。


上空に回避したのは刃の魔法と共に僕が一気に距離を

詰めるてくるのを想定しての動きだろう。


今度はそのまま上空から氷の矢を放ってくるので、

走って回避する。観客から歓声が聞こえる。


それなりに見世物にはなっていると思う。

アイさん達も落ち着いて観戦しているみたいだ。


しばらく相手の魔法を回避することに専念する。


ジゼルさんが焦れて接近してくるのを待つが、

距離を詰めてくる気はなさそうだ。


マリカ:(そろそろ30分経つ。

  単調な試合になってきてるから観客も飽きてくるだろ。

  そろそろ勝負をつけよう。)

総司:(わかった。)


僕は刃の魔法を複数展開してジゼルさんの周囲に放つと

同時に縛鎖陣を放つ。


刃の魔法で回避方向を塞いでいるので、

ジゼルさんは避けられず、長剣で鎖を打ち払おうとするが、

いくつかの鎖がジゼルさんを搦めとる。


僕は再び縛鎖の魔法で、手から鎖を伸ばし、

ジゼルさんに搦めて引きずり下ろす。

地面に打ち付けられたジゼルさんの首筋に刀の刃を当てる。


ジゼル:「参った。」


僕は鎖を消し、ジゼルさんに手を伸ばす。

手を取ってくれたので、そのまま引っ張り起こす。


「準々決勝第二試合、勝者はマジック商会所属の

 総司さんです。」


観客から大きな拍手と歓声が起きる。


総司:「ありがとうございました。」

ジゼル:「遊ばれたね…。ここまで力の差があると

  悔しいとも思えないわ。」


僕達は握手をして別れる。

そのまま飛行の魔法で観客席へ戻った。


周囲の人が祝福の言葉をくれた。

僕は手を振って答える。


アイ:「お疲れ様。」

ソフィ:「全然危な気無かったね。」

総司:「今のところはね。」


その後のソフィさんとアイさんの準々決勝も無難に勝利する。

昼食は配布されたお弁当だった。


昼食後の僕とレオンさんの試合もジゼルさんの試合と

ほとんど同様の流れで僕が勝利する。


レオンさんの方がジゼルさんよりもわずかに魔法も剣術も

優れていたが、問題無いレベルだった。

そしてここからが僕達同士の戦いだ。


アイ:「それじゃ、行きましょうか。」

ソフィ:「ええ。」


アイさんとソフィさんは会場へ飛び立つ。


「これより準決勝第二試合を行います。

 まずはマジック商会所属のソフィアさんです。

 盛大な拍手をお願いします。」


会場からたくさんの拍手と歓声が聞こえる。


「続きましても、同様にマジック商会所属のアイさんです。

 盛大な拍手をお願いします。」


先ほどと同様に会場からたくさんの拍手と歓声が聞こえる。


「先ほどの準決勝第一試合でもマジック商会所属の総司さんが

 勝利していますので、勝ち残ってる選手は全て

 マジック商会所属ということになります。

 これまで三名ともに圧倒的な強さで勝ち上がっております。

 この試合でも素晴らしい勝負が展開されることでしょう。」


観客席から一層の歓声があがる。


白狐:「ずっと思ってたんだけど、アナウンスの方は

  冷静で事務的なコメントね。もうちょっと盛り上げる

  言い方があると思うんだけど…。」

フラン:「職員がやってるからね。

  それにそういうパフォーマンスって公平にするのが

  難しいんだと思うわよ?」

アガサ:「そうよね…。因みに私もやったことがあるんだけど、

  こんな感じだったわ…。すごく緊張するのよ?」


イルスの街は娯楽が少ない。

人々を魅せる演出のようなものも、娯楽的な発想から生まれる。


この武術大会もイルス兵団を使った興行のようにも思える。

興行なら盛り上げるのも仕事と思えるが、

イルス兵団は軍隊のような組織だし、運営は街の職員がやっている。

演出にまでこだわるのは難しいのだろう。


「それでは試合を開始します。両選手準備をお願いします。」


「開始10秒前!」


準備の合図と共にソフィさんの姿はドラゴンへと変わっていく。

そしてすぐに巨大で美しい赤いドラゴンの姿が現れた。


会場から驚きと悲鳴が多数あがる。

最初から変身するのか…。


アイさんの急襲でいきなり終わっちゃうかもしれないしね…。


レン:「想像していたよりずっと大きいな!」

デル:「綺麗なドラゴンね。」


僕とアイさん以外はソフィさんのドラゴンの姿は初見だ。

話としてはみんな聞いて知っていたが、

目の前の状況にかなり驚いている。


そして既に10秒以上経過している。


「失礼しました…。始めちゃっていいんですかね…?」


普通に立っていたアイさんが両手で丸を作る。


「それでは改めまして…。開始10秒前!」


アイさんは光り輝く刀を出す。

ソフィさんは大きく息を吸い込んでいる。


「始め!」


開始の合図と同時にソフィさんはアイさんにブレスを吐いた。

アイさんは防御壁を展開しブレスを防いでいる。


竜の島で見た時よりもブレスの範囲を絞っているみたいだ。

ソフィさんは開始前に十分に息を溜めていたので、

ブレスを吐き続ける時間が長い。


観客席にも熱風が来る。

観客席から悲鳴があがる。

僕は広範囲で周囲の温度を下げる。


ブレスが終わるが、アイさんの防御壁はそのまま展開されている。

アイさんに特にダメージは無いようだ。


ソフィさんは無数の槍を生成し一斉にアイさんに放つ。

それと同時にソフィさんは回転し、

アイさんに尻尾で攻撃する。


アイさんは防御壁で槍を防ぎつつ、

向かってくる尻尾に刀を振り下ろし斬撃波を放つ。

ソフィさんの尻尾は斬りおとされる。


ソフィ:「私の出来る最高の攻撃でも全然効かないね…。」


ソフィさんは人型へ姿を変え、両手の爪を伸ばして戦闘態勢になる。

アイさんはソフィさんの変身後に光輝巨槍の魔法を放つ。


変身中に攻撃しないのは、やはりお約束なのだろう。

槍としては十分大きいが、いつもの光輝巨槍よりはかなり小さい。


ソフィさんは爪で穂先を弾き回避する。

アイさんは本数と大きさを増しつつ、

光輝巨槍を連続で打ち出している。


正面から爪で受けようとすれば爪は折られるだろう。

ソフィさんもそれがわかっているので、必死に穂先に合わせて

弾くように爪を当てて槍を逸らしつつ躱し続ける。


その場に留まるのも難しい数の槍が連続でソフィさんを襲う。

上手く躱しきれずにいくつか爪が折れる。


アイさんは光輝巨槍の魔法を止めて超加速で一気に距離を

詰めて上段から刀を打ち下ろす。


ソフィさんは爪の無事な方の手で受けるが、

全ての爪が斬り落とされる。


バックステップで距離を取ろうとするが間に合わず、

アイさんの追撃で足も斬りおとされる。


ソフィ:「くっそ~~!参った!」


ソフィさんは無事な両手を上げながら宣言する。

アイさんは直にソフィさんの足を復元した。


アイ:「お疲れ様。良い勝負だったよ。」

ソフィ:「とてもそうは思えないけどね…。」


アイさんとソフィさんは笑顔で手を取りあう。


「準決勝第二試合、勝者はマジック商会所属のアイさんです。」


観客から大きな拍手と歓声が起きる。

アイさんとソフィさんは両手を振って歓声に答えている。


ソフィさんは続けての三位決定戦でレオンさんに勝利した。

いよいよ決勝戦。僕とアイさんの試合だ。

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