表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アイの新世界(物語)  作者: 夢のファイヤー
北の大陸
45/89

34.武術大会⑥三日目、最終日前夜

フラン:「先に家に帰ってて。チケットを買って帰るから。

  ほんとにキッチリ6枚で足りるね。」

総司:「僕も行きます。飛んで行った方が早いですし。

  みんなに先に帰っててって言っておいて。」


僕は白狐さん達に伝言をお願いして、

フランさんを後ろから抱えて役場へ飛ぶ。


フラン:「すごいねー。ほんとに三人全員が準々決勝まで

  勝ち上がっちゃったね。」

総司:「そうですね。」


僕達は直に役場につき、裏口に降りる。


フラン:「ちょっと待っててね。」


フランさんは役場へ入って行く。

暫くしてフランさんが出てくる。


フラン:「ちょうど15人分の一塊の位置が取れそうだったから、

  チケットを交換したり、価格差分のお金を払って確保出来た。

  明日はみんな一緒に観戦出来るよ。」

総司:「いいですね。ありがとうございます。

  フランさんのお蔭ですね。」

フラン:「たまたま運が良かっただけだよ。」

総司:「お金は足りましたか?足りない分は払いますよ?」

フラン:「大丈夫だったよ。余った分はアイさんに返しておくね。」

総司:「お金は返さなくて良いですよ。

  職員の人達にご馳走してあげて下さい。」

フラン:「結構な金額が余ってるけど…。

  遠慮なく頂いておくね。みんなにはマジック商会からの

  寄付ってことで、ご馳走しておくよ。」


裏口から職員の人も出てくる。


「「「総司君、8位入賞おめでとう!」」」


総司:「ありがとうございます。」


「すごいねー!」

「強いんだねー!」

「素敵だわ!」

「結婚して!」


折角だから、頑張ってる職員の皆さんに甘いものでも用意しよう。

僕は魔法でアイスを作る。

この魔法ってこういう時に便利だよね。


総司:「良かったらどうぞ。」


「「「ありがとう!」」」

「美味しい!」

「今魔法で出したよね!?」

「何でも出来ちゃうんだね!」

「子供も作っちゃおう!」


全員にアイスを渡し終わった。

フランさんが一人の職員の口を塞いでいる。


総司:「器は返さなくていいので、良かったら使って下さい。

  それでは、皆さんお仕事頑張って下さい。」


僕は後ろからフランさんを抱えて飛び立つ。


「「「明日がんばってね~!」」」


職員の人達が、手を振りながら応援してくれている。


フラン:「みんなもチケットの手配に協力してくれたんだよ。

  総司君がアイスを配ってくれて良かったよ。」

総司:「それならもっと良いものにすれば良かったですね…。」

フラン:「総司君のアイスは最高に美味しいから大丈夫よ。」


家に着いてリビングへ行くと、みんなもう家に着いていた。

シモンさんとアガサさんもいる。


総司:「ただいま。」

フラン:「ちょうど良かった!

  アガサさん達の分も含めて、ここにいる15人が

  一塊の場所で観戦出来るようにチケットが取れたの。」

アガサ:「ありがとう!すごいわね!」

フラン:「ちょうど運が良かったのよね。

  職員のみんなも協力してくれたし。」

アイ:「ありがとう。座席指定があったのね…。

  チケットさえ人数分あれば、

  みんな一緒の場所で観戦出来ると思っていたよ…。」


僕も座席指定のことは頭になかった。

みんながバラバラの席で見る可能性もあったんだね…。


フラン:「明日はこれまでと違って、ずっと同じ会場だから、

  座ってゆっくり三人の試合が観戦出来るわよ。」

デル:「明日はアイさんも総司も試合で忙しいだろうから、

  飲み物だったり食べ物が欲しかったら、

  遠慮なく私に言ってね。簡単なものしか作れないけど、

  魔法で用意するから。」

ソフィ:「これまでは正直余裕だったけど、

  明日は一回勝てば、次はアイさんとだからね。

  もうドラゴンの姿で戦っちゃってもいいよね?」

アイ:「いいんじゃない?でもブレスが観客席に

  いかない様に注意してね?」

ソフィ:「アイさんにお願いがあるんだけど、

  対戦は会場よりずっと上の上空にしない?

  そうすればブレスの心配がないし。」

総司:「その前に武術大会でドラゴンの姿ってどうなの?」

フラン:「少なくとも禁止事項にはなってないね…。

  良いとか悪いじゃなくて想定外すぎる事態だからだね…。」

シモン:「ドラゴンって…どういうこと?」

ソフィ:「私は竜族なの。」


ソフィさんはカチューシャを外して角を見せる。

朝と同じ会話になる。


アガサ:「ビックリだわ…。」

デル:「禁止されてないなら、問題無いでしょ。

  みんなの驚く顔が楽しみね。」

アイ:「私はオッケーだよ。」

蘭:「ドラゴンの戦闘なんて見たことない…。

  どういう感じなのかな…。」

総司:「一番特徴的なのはやっぱりブレスだね。

  上空からブレスを吐かれたら、

  それだけで普通の人では為す術がない。

  ドラゴンと戦うには飛行と強力な防御壁の魔法が必須になる。

  鱗は堅いし、回復も早い。魔力も高くなっているから、

  魔法の攻撃が人型のときよりも強くなっている。

  要するに強力な魔法使いでないと勝負にすらならない。

  反面身体が大きくなるから攻撃が当たりやすく、

  小回りが利かない。胴体が大きいから死角も広い。

  ブレスを防げる魔法使いなら、

  むしろ戦いやすい相手だと思う。」

楓:「そうか…。

  総司君も戦ったことが有って、勝ってるんだったね。

  ドラゴンは絶対的強者ってイメージだったけど、

  絶対に勝てないって訳じゃないんだね。」


いや、僕は戦ったことは無い。アイさんの戦闘を見たのと、

マリカさんから聞いた話だ。ちょっと偉そうだったかな…。


ソフィ:「くっ…。総司君の冷静な分析でアイさんと戦うなら

  人型の方がまだ良い様な気もしてきた…。」

総司:「誰もアイさんには勝てない。ソフィさんがどっちで

  負けた方が納得がいくかって話なのかな…。」

ソフィ:「そうね…。」

レン:「どっちでもいいなら、ドラゴンの姿で戦ってほしいな。

  正直、すごく見たい。」

ダリア:「私も…。」

蘭:「私も…。」

ソフィ:「考えとく…。」


総司:「勝てないとは言ったけど、良い勝負はしたいと

  思ってるからね。そのために頑張ってきたんだ。」

ソフィ:「私も頑張ったよ。」

アクア:「そうですね。ソフィも頑張っていました。」

マリン:「何故か私もやらされたわね…。」

アイ:「ありがとう。二人の気持ちは嬉しいよ。」

シモン:「そういえば、遅くなっちゃったね。総司君、

  準々決勝進出おめでとう。二人には来た時に言ったけど、

  総司君にはまだ言えてなかったから。」

アガサ:「おめでとう。」

総司:「ありがとうございます。」

アイ:「それじゃ、夕ご飯の準備をするね。

  シモンさんとアガサさんも食べていってね。」


アイさん、僕、デルさんとソフィさんで料理を作り、

みんなで配膳していく。今日も豪華な夕ご飯だ。


総司:「明日の対戦相手のイルス兵団の人達だけど、

  みんな魔法使いかな?」

シモン:「勝ち残ってる人はみんな魔法使いだね。そのうち

  4人は飛行の魔法を使っているのをみたことがあるよ。」

ソフィ:「この街の魔法使いは

  みんな常備兵団に所属しているのね。」

フラン:「特に魔法使いは給金が良いからね。

  かなり自由も認められているらしいし。

  ただ、魔法使いでなくても強い人は、

  同等の扱いを受けているわ。

  何より名誉もあって人気のある仕事だからね。」


僕達はお金の事はあまり気にしなくてもいいけど、

普通はお給料が働くうえで重要な要素になるよね。


ソフィ:「私のところにも勧誘が来たよ。

  私は総司君の従者だから総司君が入れば入るって

  言っておいたけど。」

アイ:「私のところには来なかったな…。」


一瞬静かになる。


アガサ:「アイちゃんが街の家々を修復していたのを

  みんなが見ていて知ってたからじゃないかな。

  要するに他にやりたいことがあって、

  稼ぎも相当あるのを知ってたから、

  勧誘しても無駄だと思ったからだと思うわよ?」

アイ:「そうだよね。」

総司:「そうだよ。」


みんなも頷いている。


ソフィ:「ええと…。話を戻すと、

  準々決勝からは相手も魔法使いってことだね。」

総司:「そうなるんだね。」

シモン:「準々決勝でアイちゃん達が対戦する相手は

  飛行の魔法が使える魔法使いだね。」

フラン:「その三人とレオンさんが元々優勝候補と

  言われていた人達だね。」


アガサ:「アイちゃん達の予選を見た人の中で、

  見たものを冷静に受け止めた人と、対戦情報を聞いて、

  アイちゃん達の実力を正確に認識出来た人は

  アイちゃん達に賭けてるかもしれないけど、

  事前情報を元に賭けてる人は、だいたいその四人から

  二人を選んで、どっちが優勝するかで賭けているわね。」

フラン:「そう。目立ってたけど、総司君達に賭けてる人は

  本当に少ないと思う。倍率がすごい事になりそうね。」

デル:「でも私は結構突っ込んだから、賭け金としては

  それなりにアイちゃんと総司に賭けられてるよ。」


アイ:「どのくらい賭けたの?」

デル:「金貨100枚。」

シモン:「すごいね…。」

フラン:「本当に当たったらすごい額になるわね…。」

ダリア:「私とレンも10枚ずつ買ってるわ。」

白狐:「私達も10枚ずつだね。そもそも貰った金貨だけど…。」

ナギ:「私とマリンで金貨50枚賭けてるわ。」

フラン:「みんなお金持ちね…。普通の人は月の給金が

  金貨2~3枚くらいだからね?

  でも、私ももうちょっと賭けとけば良かったわね…。」

デル:「まあ、ほどほどにね…。

  私はいくらでも稼げるから適当に賭けられるのよ?」


魔法で作ることを稼ぐと言っていいのだろうか…。

本当のことは言えないから、そう言うしかないんだろうけどね…。


でも、みんな楽しそうに話をしている。

賭博も娯楽といえば娯楽だよね。


この街は娯楽が少ないってデルさんも言っていたね…。

それだけに、この武術大会の賭博も街全体で盛り上がるのかな。


娯楽って、音楽、演劇、絵画、観光、ギャンブル、風俗、

あとはスポーツ関係と飲食も娯楽といえば娯楽かな‥。


アイさんは武術大会が終わったら、

この家でどんな商売をするか話をしようと言っていたけど、

娯楽関係を商売にするのが良いかもしれない。


話をしているうちに、みんな夕ご飯を食べ終わったみたいだ。


総司:「みんな食べ終わったみたいだね。片付けるよ。

  みんなは話をしていていいからね。

  僕は賭札を買ってないし。」

アイ:「私もする。」

アクア:「私も買っていないので、お手伝いします。」


真面目三人組で夕ご飯の片付けをする。


総司:「食後のアイスとか、欲しいものがあったら言ってね。」

ソフィ:「お酒もいい?」

総司:「いいよ。」

マリン:「え?いいの?なら私も。」

総司:「他にも欲しい人はいる?」


シモンさんやアガサさんも申し訳なさそうに手を上げる。

みんなが手を上げたので、一昨日と同様に用意する。

アイさんもついでにチーズやおつまみになりそうなものを出した。


レン:「デルさんは暫くこの街にいるの?」

デル:「そのつもりよ。」

レン:「仕方ないな。俺もデルさんの護衛だから

  もうしばらくここに住ませてもらおう。」

ダリア:「私も…。いいかな?」

アイ:「もちろん良いよ。」


僕は片付けとお酒の準備が終わると地下二階に降りた。


総司:(アイさんの光輝巨槍多重陣はすごかったね。

  竜の島で見たときと比べて、数も大きさも大規模になってた。

  あれって防御出来るかな?)

マリカ:(普通に防御壁を展開しても簡単に砕かれるね。

   避けるにしても広範囲で高密度だから、

   全てを避けるのも無理だね。)

総司:(やっぱりそうだよね。)

マリカ:(多重防御壁の範囲を更に頭と身体の範囲だけに絞って、

   枚数を増やせば、なんとか防ぎきれるかな。)

総司:(足は斬り飛ばされる前提で、後で復元するんだね…。)

マリカ:(せっかく地下二階まで来たから調整してみよう。)


僕は多重防御壁の範囲を絞って枚数を重視して展開する。

マリカさんと相談しながら何度か試し、範囲と枚数を調整する。


マリカ:(次は飛行して移動しながらやってみよう。)


やってみると防御壁の一枚一枚の位置がズレて重ならない。


マリカ:(移動しながらは厳しいな。

  受けるときは動きを止めないとね。)

総司:(そうだね。移動しながら展開すれば当然ズレるよね。)

マリカ:(それと突破されたときも考えて、

  展開するときは刀は構えたままにした方が良い。

  威力が落ちれば複数でも刀で払いながら反動で避けられる。

  防御壁の範囲外の槍が既に通り抜けてる前提だけどね。)

総司:(それなら多重防御壁を着弾する直前に前に射出して

  威力と速度を抑えつつ僕自身も前に進んだ方がいいよね。)

マリカ:(その方がいいな。

  うん。それならなんとかなりそうだね。)


光輝巨槍多重陣への対策はこのくらいしかないだろう。


総司:(追尾矢対策は自分の片手を斬って投げるんだっけ?)

マリカ:(そう。前回私がアイさんと戦闘した時、

  切り離した足に全ての矢が刺さった後は追尾してこなかった。

  一番近い対象の肉体が追尾の対象になる。それと着弾すると

  追尾は停止するのを確認済みだ。これが一番有効な方法だよ。)

総司:(絵的に美しくないけど仕方ないよね…。)

マリカ:(複数の矢に串刺しにされたら、抜いている時間がない。

  これが一番リスクが低く効率的な方法なんだよ。)


確かにそうなんだろうけどね…。


総司:(次は対近接戦だね。

  アイさんの一回戦で見た光り輝く刀だけど、

  僕達の光輝剣と効果は同じだよね。

  でも、アイさんのは常時発動出来そうだよね。)

マリカ:(そうだね。普通の防御壁では受けられないな。

  総司の刀は魔道具だから刀ごと斬られることは無い。

  刀で受けるしかないな。前にも言ったけど、受けるときと、

  そのまま斬られるときを見極めた方がいい。

  速度もアイさんの方が数段上だ。

  刀を持った方の手と頭、首、身体、この位置以外は斬られる

  前提でやるしかないな。)

総司:(遠距離戦から近接戦まで、

  ほとんどがトカゲの尻尾戦法だね…。

  尻尾がないから、そのまま手足が逝っちゃってるけど。)

マリカ:(そういう名称を思い浮かべるから忌避感が沸くんだよ。

  取捨選択…。選択と集中戦法だね。)

総司:(それも良いイメージが沸か無いけど…。

  肉を切らせて骨を断つって言いたけど、骨を断ってないね…。

  再生戦法の方がまだいいかな…。)

マリカ:(その方がいくらか前向きな印象だね。そうしよう。)


僕とマリカさんはくだらない事も含めて話し合いながら、

最新のアイさんの戦闘情報を元に戦い方を再構築していく。


マリカ:(それと剣術は結構訓練したけど、

  体術の方はおろそかだったね。

  アイさんは刀での斬り合いの中でも

  手足での攻撃に急に切り替えたりしてくる。

  とりあえず形だけでも説明するから、

  その通りに動いて、アイさんの攻撃の方法の

  一つとして覚えておいた方がいい。)

総司:(わかった。竜の島のアイさんとマリカさんの戦闘とか、

   アイさんとフェリさんとの戦闘の時の

   蹴りみたいな種類の攻撃のことだね。)

マリカ:(そう。)


とりあえず、見様見真似でやってみる。


マリカ:(空中では踏ん張りが利かない。作用と反作用を考えて

  力のかかる向きに加速の魔法を合わせるんだ。

  威力を上げるのにも使える。)


僕はマリカさんの説明を聞きながら身体を動かし、

体術の訓練を行った。

気が付くと結構遅い時間になってしまった。


マリカ:(遅くなってしまったね。そろそろ寝よう。)


リビングに戻ると、もう誰もいなかった。

テーブルの上には紙があって、

みんなからの労いの言葉が書いてあった。


マリカ:(明日も頑張ろうね。)

総司:(うん。)


僕達は二階に上がり、明日に備えて床についた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ