31.武術大会③予選後
僕とフランさんは負傷者の治療に向かう。
第一会場でレオンさんとフェリさんが合流してきた。
レオン:「先ほどのアイちゃんと呼ばれていた娘は
総司君の身内と言う話だったね。
すごい魔法使いだな。圧倒的な魔法だった。
相手を無傷で無力化するのは相当の技量が必要だ。
私にはとてもあの様な事は出来ない。」
フェリ:「確かに総司君が言っていた様にすごかったわ…。
思っていたのと全然違ったけど…。」
総司:「上には上がいるのは解って頂けましたか?」
フェリ:「ええ。よくわかったわ。見た感じは、
可愛い子が遊んでいる様にしか見えなかったけど…。」
フラン:「私もアイちゃんが戦う…、
戦ってたってことで良いのよね?
なんかこう…。バッとやってクルクルって。
ずっとそれの繰り返しだったけど…。
総司君とは全然違ったけど、
圧倒的だったのは間違いないわ…。」
僕は負傷者を治療しながら言う。15時半と16時の試合の
二回分なので、それなりに負傷者が多い。
レオンさんとフェリさんはずっとついて来ている。
レオン:「総司君の仲間には狐人族と長耳族の方もいたな。
イルスの街の人間族とは交流のない種族だ。
正直に言えば、イルス兵団にとって仮想敵でもある。」
フラン:「今日の武術大会では総司君と同じように
他の場所で負傷者の治療をしてくれています。
私も昨日からの付き合いですが、
みんな総司君やアイちゃんを慕っており、
とても敵とは思えません。」
レオン:「わかっている。
団員からも治療して貰ったという報告を受けている。
どちらの種族の方も私達よりも
優れた魔法使いであることは間違いない。」
フランさんが狐人族と長耳族の方が友好的であることを
説明してくれている。人魚族もいるんだよね。
人型化すると人間と見分けがつかないから仕方ないか…。
総司:「覚えていらっしゃるかわかりませんが、
青い髪の女性が三人いたと思いますが、
あの方達は人魚族です。
人魚族の方達も治療に参加してくれていますよ。」
レオン:「総司君はこの大陸に住む有力三種族と
親交があるということか。
人魚には関わるなというのが、この大陸に住む
人間族の共通認識だが…。」
総司:「人魚族と人間族で過去に少し揉め事があった
みたいですが、もう大丈夫だと思います。
近年そういうことは無いはずです。
人魚族は女性だけの種族ですので、
子孫を残すには他種族との交流が必要です。
そのせいで、なんと言えば良いのか、
友好的でない接触もあったみたいですけど…。
しかし、その心配は既に過去のものです。
基本的に弱い者には興味が無いそうなので。
近くに強者がいれば興味はそちらに偏るそうです。
人魚達からすれば、人間族よりも、狐人族や
長耳族の男性の方が興味の対象になると思います。
交流が無いのでそういった話はまったく聞きませんけど。
それに、アイさんが人魚族にそういったことに関しても、
大きな手助けをしたので、心配はまったくないと言って
良いと思います。
人魚族に敵意を向けたり攻撃したら別ですけど。」
レオン:「言い難いことをハッキリと言ってくれる…。
しかし納得出来た。
なぜ人魚族が総司君と一緒にいるのか。」
総司:「それはなんとも言えませんけど…。」
フラン:「人魚族の代表がアイちゃんと総司君には様呼びだもんね。
二人には大恩があるとか言ってたよね。」
総司:「アクアさんはみんなに丁寧な話し方をするだけですよ…。」
フランさんが笑顔で僕の方を向いて言う。
この辺の負傷者の治療は終わったので別のところに移動する。
そういえば、レオンさんはイルスの街の領主の血縁者で、
現在この街を運営している方の叔父に当たるという話だった。
レオンさんに協力して貰えれば、
アイさんの目指す種族間の融和の力になると思う。
総司:(マリカさん。レオンさんは種族間の融和の
力になってくれると思う?)
マリカ:(偏った考えを持っている感じはしないな。
大丈夫なんじゃないかな。)
総司:「レオンさん、僕からも質問をしていいでしょうか?」
レオン:「構わないよ。私ばかり聞いていては悪いしな。」
総司:「レオンさんは他種族のことをどう思っていますか?
例えば、今後、友好的な関係を進めていく事に
賛成でしょうか?」
レオン:「現状は交流はない。
積極的に交流しようという動きもない。
交流することで得られるもの、失うものもあるだろう。
こればかりはやってみないとわからない。
というのが正直な感想だ。
しかし、何かしら揉め事が起きた場合、
話し合いすら出来ない状況は望ましくない。
少しずつでも交流して、
程良い程度を見極めるのが、重要だと思う。
平和的に進められるのが前提だが。
その橋渡しを総司君達がしてくれるということだろう?
私はその考えに賛成するよ。」
さすがだ。僕の質問の意図まで見抜いて、的確な返事をくれた。
僕の言い方がわかりやす過ぎた気もするけど…。
総司:「ありがとうございます。
僕にとって、とても嬉しく、頼もしい答えでした。」
レオン:「私は君達をイルス兵団に誘うつもりでいた。
しかし、既に明確で大きな目標を持っているようだ。
それは一兵団に所属することで出来ることよりも
有意義だが、非常に困難なものだろう。」
総司:「大丈夫です。僕達はただ楽しく旅をするだけです。
その中で、出来る範囲で様々な種族の方達が
楽しく生きていける様なお手伝いしたいと思っています。」
レオン:「君の言葉に嘘は無いだろう。
君達がどういう集まりなのかよく分かった。
君は偉大な魔法使いだが、
まだ肉体的に成長しきっていない。
見た目とそう変わらない歳だろう。
その若さで、力も志も立派なものだ。
武術大会の対戦が進めば、
君達と対戦することもあるだろう。
その時を楽しみにしている。」
総司:「ありがとうございます。」
レオン:「それでは、また会おう。」
フェリ:「お爺様が認めたんだから、
私も認めてあげるわ。またね!」
レオンさんとフェリさんは立ち去っていった。
フラン:「レオンさんは噂通り気さくな人だったね。」
総司:「僕は今日初めて知ったので噂は知りませんけど、
たしかに気さくで立派な方でしたね。」
フラン:「総司君達って他種族で仲良く出来る様にするのが、
目標だったんだね。出来ることは少ないけど、
私も協力するからね。」
総司:「ありがとうございます。すごく嬉しいです。
フランさんには手続きなどで、
とってもお世話になっているし、
これからもいろいろお願いすると思います。
とても心強いし、助かっています。
これからもよろしくお願いします。」
フランさんは笑顔で頷いてくれた。
最後の試合が終了し、負傷者の治療を全て終えて家に帰る。
総司:「帰ったら夕ご飯ですね。
何が食べたいですか?
アイさんと一緒に準備する事になると思いますが、
今日はずっと一緒にいてくれて嬉しかったので、
僕が別にフランさんの好きな物を作ります。」
フラン:「くっ…。なんてことを言うの…。
総司君はみんなに優しい。総司君はみんなに優しい。
総司君はみんなに優しい。総司君はみんなに優しい。
総司君はみんなに優しい。総司君はみんなに優しい。
総司君はみんなに優しい。総司君はみんなに優しい。
総司君はみんなに優しい。総司君はみんなに優しい。
私だけに優しいわけじゃな~~~い!」
フランさんがブツブツ独り言を言いだした。聞こえてるけど。
フラン:「はぁ~~~。耐えた!
え~と…。なんだっけ…。私の食べたいものか。
この間のステーキが美味しかったけど、
アイちゃんと総司君はいろいろ美味しいものが
作れるのよね?みんなと一緒でいいから、
総司君のおススメの料理が食べたいわ。」
総司:「それで良ければ、喜んで。帰りの間に考えておきますね。」
僕は笑顔で答える。
フラン:「総司君は危険だわ…。」
家に着くと、アイさんはもう家に着いていた。
総司:「ただいま。」
アイ:「おかえり!帰ってきて直でなんだけど、
夕ご飯の準備をしちゃおう。
総司君も手伝ってくれるよね?」
総司:「もちろんだよ。」
アイ:「今日は私のお願いでみんな頑張ってくれたし、
いつもより豪華な食事にしようね。
私とソフィさんと総司君は早く寝なくちゃいけないけど、
みんなは夜遅く…、もしかしたら朝までいろいろ
するかもだから、つまめるオードブルも別に作ろう。
お酒も用意しておこうね。あとは何かあるかな…。」
フラン:「今日の夜の基本的な予定だけど、
10時にトーナメント表が発表されるから、
それを役場に取りに行く。
深夜0時から明日の8時まで賭札の販売があるから、
買う人は役場近くで開かれている売り場まで買いに行く。
トーナメント表は私が貰ってくるから、
明日からの試合のことと、誰に賭けるかとか、
ここでみんなで相談しよう。」
アイ:「ありがとう。そうしたら、明日試合のある三人は
深夜0時までは頑張って起きて、その後就寝かな。」
フラン:「明日は1回戦で、各参加者は一日に1回しか試合がない。
トーナメント表に各試合の会場と時間も書いてある。
始まるのが遅い試合だったら、遅くまで寝ていられるから、
寝るのはもっと遅くても大丈夫だよ。」
アイ:「そういえばそうね!」
料理は何にしようかな…。ピザにしようと思っていたけど、
オードブルに回した方が良いよね。
夕飯は豚バラと白菜の鍋にしよう。
僕とマリカさんで料理をする。
アイさんはビーフシチューとパエリアみたいだ。
組み合わせは大丈夫だろう。むしろ合う気がする。
料理がもう少しで出来る頃になると、みんなが帰ってきた。
アイ:「おかえり!」
総司:「おかえりなさい。」
ソフィ:「ただいま。夕ご飯美味しそう!お腹空いてたんだよね。」
白狐:「ただいま。いつもありがとう。配膳くらいは手伝うよ。」
デル:「ただいま。準備してくれてたのね。ありがとう。」
アクア:「遅くなりました。」
みんな揃った。テーブルに料理が並べられていく。
アイ:「はい。それじゃ、どうぞ召し上がれ。」
フラン:「総司君のおススメはこのお鍋か。
さっぱりしていて美味しいね!」
総司:「お口にあったみたいで良かったです。」
今日のアイさんの料理の品目は味が濃いものが多いから、
ポン酢で食べる鍋は丁度良いと思う。
楓:「フランさんは今日一日ずっと総司君と
一緒だったなんて羨まし過ぎる。」
白狐:「今日は試合もあんまり見れなかったな。」
アイ:「ごめんね。でも、今日のことは後で良い結果になって
返って来るよ。明日からは今日みたいなことは無いから、
自由に観戦して良いからね。」
白狐:「他意は無かった。勘違いさせてすまない。
私も単にフランさんが羨ましかっただけよ。」
フランさんには聞こえてないみたいだ。
もしくは聞こえてないふりかもしれない。
ナギ:「アイちゃんと総司君の料理はいつも美味しいね~。
アイちゃん達と一緒なら美味しい料理が食べられて、
退屈もしない。私もここに住んじゃおうかな~。」
アクア:「お婆ちゃんさえ良ければアイ様と一緒にいてくれると
助かります。私は近いうちに竜の島に戻りますので。」
アイ:「私達は構わないよ。むしろ一緒にいてほしいかな。」
ナギ:「それなら取りあえず暫くはお世話になるわ。」
会話しながらの夕ご飯だったが、そろそろみんなが食べ終わる。
アイ:「それじゃ、片付けをしたらオードブルみたいな
つまめるものを作るね。
今日の夜はみんな遅くまで、起きているだろうから。
外で食べたりするだろうけど、
帰ってきても飲み食い出来る様に準備だけはしておくね。」
片付けが終わるとアイさんはまた料理を始める。
僕は適当に魔法でお酒を出していく。
マリン:「お酒なんて久しぶりね。
私はもう頂いちゃおうかしら。
総司君、グラスとおススメのお酒を頂戴。」
う…。グラスは良いけど、僕はお酒を飲んだことないから、
おススメのお酒って言われてもな…。
僕はマリカさんが術式にしてくれているお酒を
魔法で出しているだけだし…。
総司:(何が良いかな…。)
マリカ:(食後だからワインとか良いんじゃないかな。)
総司:(なるほど。ありがとう。)
僕はワイングラスを出して、さっき出したワインを注ぐ。
総司:「どうぞ。お口に合うか分からないけど。」
マリン:「ありがとう。」
マリンさんはグイッと一気に飲む。
マリン:「美味しいわ!もっと頂戴。」
総司:「いいけど、もうちょっと味わって飲んでね…。」
僕は一杯注いで、ボトルごと渡す。
ソフィ:「私も飲む。私にも頂戴。」
総司:「同じのでいい?」
ソフィ:「同じのがいい。」
僕はワイングラスを出して、ワインを注ぎ、
ボトルごとソフィさんに渡した。
ソフィ:「ありがとう!」
楓:「総司君の出すお酒ほしい。総司君の味がするかな…。」
総司:「しないからね…。」
フラン:「いいな~!私もいいかな?」
デル:「私も頂戴!」
僕はみんなに同様にお酒を注いで渡す。
ボトルもまとめて魔法で用意しておいた。
違う形のグラスもいくつか用意して、氷と水、炭酸水、
レモンやグレープフルーツなども用意する。
おつまみはとりあえず、チーズとお漬物を出す。
トーナメント表を見て、話をしてから宴会かと思ってたけど、
もう始っちゃいそうだ…。
アイ:「総司君ありがとう。助かるよ。
本当にいろいろ出来る様になったね。」
僕はマリカさんのお蔭という意味を込めて頭を指さす。
みんな楽しそうに話をしながら飲み食いしている。
アクア:「私にも出来ることがあれば良いのですが、
大したことが出来ませんので…。」
アイ:「私の望みはアクアさんもみんなと仲良くして
ほしいってことよ。」
僕はワイングラスを作り、ワインを注いぐ。
総司:「どうぞ。違うお酒が良かったら言ってね。」
僕は笑顔でアクアさんにワイングラスを渡す。
アクア:「ありがとうございます。ですが今は…。」
アクアさんがお腹を撫でる。
あ、そうだね…。そうだったね…。
マリン:「代わりに私が頂くよ。」
マリンさんが僕の手からグラスを取る。
フラン:「そろそろトーナメント表を取って来るね。
総司君、付き合ってくれる?」
総司:「もちろんいいですよ。」
楓:「むー!またフランさんが一緒。」
総司:「飛んで行くから直に帰って来るよ。」
楓:「飛ぶってアレでしょ!ズルい!」
楓さんはもう酔ってるのかな…。
総司:「それなら一緒に行く?」
楓:「行く!」
フラン:「役場に行ってトーナメント表を
取って来るだけなんだけどね…。」
三人で屋上へ行く。
総司:「それじゃ、掴まって。」
躊躇なく楓さんが僕に抱き着いてくる。
フラン:「何…してるの?」
総司:「フランさんも掴まって下さい。」
フラン:「なるほどね…。これは確かにズルいわ。
それじゃ…。遠慮なく…。」
楓:「良い匂い…。舐めていい?」
総司:「ダメ。」
楓:「失敗した。次は聞かずにやっちゃおう…。」
飛び立つと直に役場に着く。
入り口にはたくさんの人が列になって並んでいる。
見られても問題は無いが、
念のため建物の影になっている位置に降りた。
フラン:「それじゃ、取ってくるから待っててね。」
総司:「待ってください。」
僕は魔法でチョコレートをたくさん作る。
総司:「役場に人に渡してください。」
フラン:「ありがとう。私も入ってパッとトーナメント表だけ
取って出て行くのはちょっと気まずかったんだ…。
こういう気遣いがさすがだよね。」
総司:「役場の皆さんが頑張ってくれているから、
みんなが楽しめるんです。このくらいはさせて下さい。」
フラン:「総司君…。みんなによろしく言っておくよ。」
フランさんが役場の裏口から入っていく。
楓さんは降りても抱き着いたままだ。息がお酒臭い。
総司:「楓さん…。お酒臭い…。」
楓:「ぐはっ…。なんて失態。嫌いにならないで…。」
総司:「そんなことで嫌いになんてならないって。」
楓:「ホントに?なら舐めていい?」
総司:「ダメ…。」
楓:「また聞いてしまった…。」
フランさんが役場から出てきたが、
職員の人も何人か一緒に出てきた。
「フラン…。羨ましい…。加給があったら驕りなさいよ?」
フラン:「わかってるわよ…。」
「総司君、お菓子ありがとうね!」
総司:「お仕事頑張って下さい。」
僕は笑顔で手を振りながら言う。
フラン:「またね~!」
総司:「それじゃ、行きましょう。」
フランさんも抱き着いてくる。
「「「なっ…。」」」
僕はフランさんと楓さんを両手で抱えて飛び立った。
フラン:「ついつい優越感に浸りたくてやってしまった。」
楓:「次に出勤したら袋叩きだね。私も混ざっちゃおうかな。」
フラン:「後悔はないわ。それだけの価値がある。」
直に家に着く。
総司:「みんなのところに行きましょう。」
楓:「うん。」
フラン:「いいわよ。」
総司:「もう着地してるんだから離れていいですよ?」
二人が離れてから、三人でリビングに入った。
フラン:「貰えるのは予選を突破した人の分だけだから、
それぞれの出場者に渡すね。
みんなはバラけて、適当に見て。」
アイ:「ありがとう。」
ソフィ:「あー。私が先にアイさんに当たるのか…。」
フラン:「順当に勝ち進めば、準決勝でアイさんとソフィさん、
決勝で総司君と勝った方が当たる感じだね。
所属と魔法適正の関係から、なるべく当たらない様に
配慮してくれているね。
まあ、勝ちあがった128人のうち
総司君達以外はイルス兵団の人達だから、
早いうちに総司君達が当たるように組まれてたら、
批判があるかもだからね…。」
ソフィ:「私は知っているのが私達だけだから、
これ以上見ても仕方がないね…。」
デル:「ソフィさんには悪いけど、1位アイさん、
2位総司で決まりね。全然悩む必要がないわ。
面白くなるかと思いきや、全然面白くなかったわね…。」
白狐:「私は1位総司、2位をアイさんにするわ。」
総司:「白狐さん…。気持ちはすごく嬉しいけど、
間違いなく無駄になるからやめてね…。」
白狐:「そう…。」
フラン:「お互い勝ち進めばだけど、総司君は準決勝で
レオンさんと当たりそうね。フェリさんは…、
三回戦でアイちゃんとか…。最終日まで残れないのね…。」
アイ:「その二人は知り合い?」
総司:「うん。今日のアイさんの試合を僕と一緒に見に来ていた
イルス兵団の人達がいたでしょ?そのうちの二人だよ。
レオンさんは魔法使い、フェリさんも魔法使いらしいよ。」
フラン:「フェリさんはレオンさんの孫娘で、
レオンさんは現領主の弟さんなんだよ。」
アイ:「総司君は私と離れていると、重要人物とよく会うね…。」
総司:「たまたまだよ…。会ったきっかけはフランさんだし。」
白狐さんとデルさんはマリカさんのお蔭だしね。
アイ:「仮に上位3名になって領主と会談する時に
同席するかもしれないね。どういう人だったの?」
総司:「良い人だったよ。他種族と仲良くしていくのは
賛成だって言ってた。」
アイ:「もうそこまで聞いてくれてたんだ。ありがとう。
それなら後は憂いなく勝っていくだけだね!」
総司:「そうだね。僕も頑張るよ。」
ソフィ:「私も頑張るよ。その人とは3位決定戦で
対戦するかもだね。」
総司:「デルさんは前回の武術大会は見ましたか?」
デル:「見たわよ。」
総司:「気をつけた方がいい相手はいますか?」
デル:「みんな私よりも弱いくらいだから、
総司達からみれば誤差みたいなものよ。
しかも1対1でしょ?負ける要素がないわよ。」
総司:「そうですか…。」
フラン:「私も武術大会はずっと見てきたけど、
総司君達は完全に別格よね…。
今日試合を見て、本当にビックリしたわ…。
そうだ。大事なこと忘れてた。
明日の試合の時間と会場だけど、
最初がアイちゃんで10時から第8会場。
次が総司君で13時から第二会場。
最後がソフィさんで15時から第五会場よ。」
ソフィ:「良かった。私は遅い時間だから、
今日は気にせず起きていられるね。」
総司:「僕はいつも通り寝るよ。」
マリカ:(それなら私は遅くまで起きていてもいいかな?
総司はお酒を飲めないけど、私は久しぶりに飲みたい。
明日の一回戦も、アイさんが相手で無ければ
戦闘は総司だけでも心配ないからね。)
総司:(もちろんオッケーだよ。
マリカさんは何時でも好きにしていいんだからね。)
マリカ:(ありがとう。)
デル:(いいねー!マリカさんと飲んでみたかったんだ!)
ソフィ:(私も!楽しみだね!)
デルさんとソフィさんにも念話が聞こえていたみたいだ。
総司:「ごめん。やっぱりどうするかわからない。
寝てもすぐに起きるかも。」
アイ:「私はいつも通り寝るね。
明日の朝、私がここを片付けるから、
みんなはそのまま寝てていいからね。」
アクア:「私も生活を乱せませんので、アイ様とご一緒します。」
デル:「あ、アイさん。いくつか楽器を作って貰って良い?
持って来てなくてね…。
エレキギターは作って貰ったけど、ハードロックは
アイさんと総司以外には受けが良くないし…。
他の楽器を作るにしても私だと時間がかかっちゃって。」
アイ:「いいよ。」
その後、アイさんと一緒にオードブルを用意してから僕は就寝した。
みんなから見たら、僕は寝たすぐ後に起き出すことになるだろう。
明日の朝どうなっているかちょっと不安だけど、
マリカさんなら大丈夫だろう。




